栃木県宇都宮市の整備工場
TEL 028-656-2588
月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

ご注意

ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備 ニッサン

ニッサン NV350(キャラバン)ブレーキメンテナンス②

 ニッサン NV350(キャラバン)

前回紹介した、フロントブレーキ周りに続き今回はリヤブレーキの整備を紹介いたします。

こちらのお車は、リヤブレーキはドラムブレーキタイプです。

ドラムの中でブレーキシューが広がることでブレーキを効かせます。

かぶっているドラムはこのような形

ドラムブレーキも、ディスクブレーキ同様に油圧と機械部分に分かれます。

油圧部分のメンテナンスとしては、ホイールシリンダーのオーバーホールがあります。

 

ペダルを踏むと油圧が発生してこのホイールシリンダーに油圧が伝わり広がります。

広がることでブレーキシューを左右に押し広げてドラムの中で突っ張ることでブレーキを効かせます。

シリンダーは油圧システムの末端になりますので吸湿性のあるブレーキフルードは水分を含んでしまうので錆びてトラブルを起こすことが非常に多いので点検・交換は必須項目です。

ホイールシリンダートラブル事例 リンク

 

機械部分のトラブルとしては、ブレーキパッド同様ブレーキシューに張り付けてある摩擦材(ライニング)の残量の点検が必要です。

残量が少なければもちろん交換です。

ブレーキシュー残量少トラブル事例 リンク

 

 

漏れやパッド・シュー残量少のトラブルの陰に隠れて、意外と多いのがドラムとシューとの隙間調整の不良です。

この車両のタイプはリーディングトレーディングタイプで乗用車ではオーソドックスな構造で、自動調整の隙間調整機能が付いています。

これは、サイドブレーキを引いて、ある一定以上ドラム内部のレバーが引かれる(ライニングが減り隙間が広がった)とギザギザの山を乗り越えて、ネジを伸ばして隙間を埋めるような構造になっています。

自動調整なんだから調整が不要なのでは?と思いますが、ここに落とし穴があります。

自動調整はあくまでも大雑把な調整で、細かな調整はできないのです。ベストな隙間に調整するためにはあくまでも整備士が手動で調整しなければなりません。調整が悪ければブレーキのフィーリングに影響を及ぼします。

 

ブレーキの制動力とブレーキの効き初めのタッチは別物です。

 

例えば、フロントディスク/リヤドラムブレーキの場合で、リヤブレーキの隙間が大きかった(広い)としましょう。

ブレーキペダルを踏んだ瞬間、フロントブレーキはディスクブレーキのため隙間はほとんどありませんのですぐに効き始めるますが、リヤブレーキは隙間があるため隙間を埋めるわずかな間、まだブレーキが効いていない瞬間があります。

すると、一瞬ですが前ブレーキだけが先に効いて車体が前傾姿勢になります。

前のめりになってからリヤブレーキが効くようになるので運転している人は車体の不安定な状態をブレーキが効かないと表現するのです。

実際、リヤブレーキの隙間をベストに調整すると前後の効き初めがほぼ同時になるため車体が安定して沈み込みます。

※もともと、前ブレーキのほうが制動力を必要とするため設計上前のめりになるのですが、この話はブレーキ効き初めのわずかな姿勢変化のことを話しています。

※足回りにヘタリが出ているとこのような姿勢の不安定さも顕著に現れます、ブレーキ以外にも点検が必要な場合もあります。

 

しかし、このような症状を”ブレーキが効かない”と訴えるユーザーに対して、車検でのブレーキ検査では問題なかったと片づけてしまうお店が多いのです。

それは車検の継続検査でのブレーキ測定は、ブレーキペダルを最大限に踏み込んだ状態での制動力測定(最大制動力測定)であるため、効き始めの制動力などは全く測定はしないのです。

確かにお店側の”ブレーキは効いている”と言うことは間違いはないのですが、お客様の言われている”ブレーキのフィーリング”への不満は、食い違ったままになってしまうのです。

 

大雑把な自動調整機能ではこのシビアな隙間調整はできませんので、整備士が手動できっちり合わせた上でテスト走行を行って実際の走行状態でフィーリングを含めてブレーキを診てあげることが大切なことです。

 

本来、このようなことも含めて車検整備や点検なのですが・・・

1時間ぐらいで出来る車検を売りにしているところがありますが、その時間でここまでやれるのかは・・・

ご想像にお任せします。

 

 

栃木県宇都宮市の整備工場月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

MASUTAKAブログ最新情報

いすゞ エルフ(NJR85)DPD分解洗浄②

強制再生もできなくなったこちらの車両、各部点検してDPDに詰まりがあることが確定したので分解洗浄を行うことになりました。 いすゞ エルフ(NJR85)DPD分解洗浄① 外したDPDはこのような形をしています。 中は酸化触媒とDPDのセクションに分かれます。 初めにエンジン側の酸化触媒の入り口を見てみます。 ここはエンジンから出てきた排気ガスをもろに受けるところになりますが大きなススの塊で半分近くふさがっています。 次に分解していきます。 DPDの入り口側はパッと見た感じあまり汚れていないように見えます。 ...

続きを見る

いすゞ エルフ(NJR85)DPD分解洗浄①

いすゞ エルフ(NJR85)のご入庫 DPDの堆積限度を超えてそのたびに対策していましたが(事例リンク)いよいよ強制再生もできなくなってしまいました。 正常な状態ですとDPDの差圧が大きくなるとススで詰まっていると判断して自動的に強制再生が始まります。 しかし、"強制再生を無視したり" "使用過程の不利な癖"などで詰まりが解消しないことが続くとエンジンチェックランプを点灯させてフェイルセーフを掛けます。 ※フェイルセーフはメーカーによって条件や作動の仕方は変わります。   こちらの車両、チェック ...

続きを見る

FIAT パンダⅢ(312)ダブルマスフライホイール破損

FIAT パンダ(312)のご入庫 ディーラーでダブルマスフライホイールの故障を指摘されて当店にいらっしゃいました。 まだ走行できる状態でご入庫されましたがエンジン振動が大きいのとデュアロジックシステムもエラーが出てギア抜けを起こしたそうです。 ディーラーで診断済みとの事ですが、当店でもディーラーでの診断結果と実車を確認した上で同様の診断結果となりダブルマスフライホイールの故障が起きていると判断しました。 基本はクラッチオーバーホールと同様の作業になりますのでトランスミッションを取り外してクラッチを点検し ...

続きを見る

MINI クーパーSDクロスオーバー(R60) チャージランプ点灯

MINI クロスオーバークーパーSD(R60)のご入庫 チャージランプが点灯するとの事。 チャージランプとはバッテリーの形をした警告灯ですがバッテリーの良否を表示しているわけではなく充電系統に異常があることを警告するランプになります。 充電系統のカナメである発電機であるオルタネータを点検すると何やらゴムカスのようなものがベルト周りに多数飛び散っているのがわかりました。 このディーゼルエンジンでよく起こる不具合の可能性があります。 結果として予想通りクランクプーリーのダンパーゴムが剥離したことでプーリー自体 ...

続きを見る

シトロエン C3 納車整備?

シトロエン C3のご入庫 中古で購入したこちらの車両、購入時車検を取ったうえで納車されたようですがブレーキが無いように見えるので点検してほしいとのご依頼。 走行距離4万㎞台なのでそれほど傷みはないかと思われますが、ブレーキを簡単にチェックするとフロントブレーキパッドがほとんどありませんしブレーキディスクローターの摩耗も激しいのがすぐにわかりました。 車検は購入時に取っているがちゃんとした整備が行われていないようですので当社で法定点検を行いリセットの意味で全体をメンテナンスを含めた点検整備行うことになりまし ...

続きを見る

メルセデスベンツ CLA180 エアバック警告灯点灯

メルセデスベンツ CLA180 メーター内にエアバックの警告灯が点灯したとのこと 診断機にて故障コードを読み出します。 B005013 運転席シートベルトバックル機能障害・断線 このようなエラーコードを検出しました。 シートベルトバックルとはシートベルトを装着するときに差し込む部分のことで、この部分の機能障害を訴えてきました。 バックルアッセンブリーを交換します。 交換後はエラーの検出も収まりました。   従来からシートベルトバックルにはシートベルトをしないと警告灯や警告音を発報するスイッチが内 ...

続きを見る

FIAT 500L ツインエア ドックボーンマウント切れ

FIAT500Lの車検でのご入庫 500Lは正規での日本未導入車両で、こちらは500Lのツインエア搭載モデルになります。 車検整備はいつも通りの内容ですが点検時交換必要か所を発見しました。 エンジン下部にあるエンジンマウントですが切れてしまっていてエンジン全体が前後に大きく動いてしまっている状態です。 ドックボーンマウントなどと呼ばれるロアマウントになります。 FF車ではこのように下側でエンジンの動きを抑制するマウントは良く採用されています。 交換が必要ですが並行車両なので日本国内で部品の流通が無いため海 ...

続きを見る

ルノー ルーテシアⅢ(クリオ)エンジン掛からない

ルノー ルーテシアⅢ(クリオ) エンジンが掛からないとのことで搬送されました。 症状が起きた時のシチュエーションをまとめます。 ・マニュアル車でギアを入れたたままでクラッチを踏まずにクランキングをしてしまった。 ・その直後からクランキングが出来なくなった。 ・ジャンピングをしてもうんともすんとももいわない。 ・メーターの表示も作動せず黒いまま 上記状態で搬送されましたので、車両の状況を確認していきます。 ・キーを回してもメーターの作動は無くスターターモーターも全く反応していない状態。 ・バッテリーの測定値 ...

続きを見る

年末年始休業日のお知らせ

年末年始は、28日(日曜日)から4日(日曜日)は休業させて頂きます。 10.11.12.18.25日も休業となります。      

続きを見る

整備の質

以前から時折見かけてはいましたが最近あまりにも多いブレーキドラムの給油方法。 雑すぎる給油が気になって仕方がありません。 ドラムブレーキのドラムを外すとこのようになっています。   写真ではよくわからないかもしれませんがグレー色のモリブデングリスを塗りたくっています。 金属部分同士がこすれる摺動部分に給油が必要なのですが、必要個所以外にもグリスが大量に付着していて、バックプレートなどは全体にわたってグリスが付着しています。   関係のない所にもたくさん付着しています。 グリスの付着具合から当社で ...

続きを見る

-故障修理・整備, ニッサン

© 2025 増高自動車工業有限会社