BMW 118(F20)

冷却水のレベル警告灯が点灯して何回か補充を繰り返していたが車両の下には垂れてこないので漏れていないように見えるけど冷却水が無くなってしまうとのことで来店。


エンジンルームを点検するとかなり強く冷却水臭がするのでどこからか漏れているのは間違いなさそうです。
点検のためアンダーカバーを外すと吸音型のアンダーカバーから冷却水が大量に染み出てきます。
漏れた冷却水をアンダーカバーがスポンジのように吸い取ってしまい、ポタポタ垂れてこなかったのでユーザーは漏れていないのではないかと思ったようです。
漏れ箇所はオイルエレメントケースの付け根部分が漏れているのでそこのパッキンの交換が必要そうですが、エレメントケースはかなり込み入ったところに取り付けられているため全体はよくみえません。
しかしエンジンを掛けると冷却水の漏れがかなりひどく漏れ出すことから、これは単純にパッキン不良ではないと判断できましたのでお客様にはエレメントケース自体の交換が必要であることをご説明の上で作業に着手しました。


上からではエレメントケースの状態は全く見えません。

インテークマニホールドを外してようやくエレメントケースが見えてきます。
エレメントケースはこのように樹脂製でエンジンオイルと冷却水の熱交換をこの部分で行うため水路・油路がそれぞれあります。

予想通り冷却水路のパッキンが収まる溝が崩れてパッキンがずれてしまっています。


これでは水圧に耐えることが出来ず冷却水が大量に漏れてしまいます。
エレメントケース脇にある樹脂製のウォーターハウジングも同じ状態。
この部品も劣化具合からもうすぐ漏れ出していたでしょう。


新しいエレメントケースアッセンブリーに交換して作業は完了しました。
従来は金属製のハウジングにゴムパッキンなどでシールしていたため漏れたとしてもパッキンの交換だけで対処できていたのですが、最近は樹脂のハウジングを使用しているためこのように本体自体が割れる不具合が多くなりパッキン交換だけでは治らないことが多くなりました。
また取り付けられている部分が込み入ったところに付けられているため漏れ具合自体も直接目視で確認できないエンジンも多くなりました。
そのため漏れ量や経年数などの予測でアッセンブリーでの交換を勧めるようになりました。
ユーザー側では修理代を考えるとパッキン交換で済ませたい気持ちが強いのが確かですが、実際はそれが叶わない壊れ方が多いのが事実です。
昨今このように樹脂部品の不具合が非常に増えてきました。
樹脂部品の過酷な環境部位(熱のこもるような部位など)に対する採用個所が増えていることも増加率の上昇の一旦かもしれませんが、部品寿命の短さは樹脂の質の低下もあるのではないかと思わざるを得ません。
環境問題などの観点からも再生プラスチックの混入率はどんどん上がっているということです。
破損個所をよく観察すると樹脂がうろこ状に剥離して紙のように繊維が剥がれているように見受けられます。
今後も樹脂パーツは増えていくと思われますが数年経ったあとの樹脂部品の寿命(故障発生率と修理代の増加)と車両の代替サイクルに大きなずれが発生するのではないかと懸念されます。