メルセデスベンツ V220D(W447)

エンジン警告灯点灯して加速が鈍るとの事でご入庫
チェックランプが点灯していますのでまずは故障コードを読み出します。
・P3007F1: インテークエアシステムでの漏れが検知されたという故障コードです。
インテークマニホールド(吸気管)はエンジンに空気を導入する部品になりますが正確にどれくらいの空気が入っているのかセンサーで読み取ることで適切な空燃比の元でエンジンをコントロールしています。
このインテークエアに漏れがある=どこからか空気を吸い込んでいると車両が訴えてきたのです。
適切な空燃比がコントロールできないとエンジン破損に至ったり、排気ガスの汚染度が高く環境的に悪くなりますので走行に制限を掛けて加速を悪くすることでユーザーに修理を促します。
実際故障コードを一旦消去して走らせると加速も正常に行いますが、チェックランプが点灯した途端に加速不良になりますのでリンプモードに入っているのは間違いなさそうです。
では本当にどこからか吸い込んでいるのかもしくは空気の量を読み取るセンサーの故障なのか調べていきます。
この車両はディーゼルエンジンです。

よく2次空気を吸い込むエアインテークジョイントからも漏れはなさそうです。

エンジン回転中の吸い込みでは特に異常はなさそうですしインテークマニホールドにスモークテストを行ってもどこからも漏れてくる形跡は見受けられませんでした。
インテークマニホールドもかなり分解しないと見えてきません。

吸入空気量を読み取るセンサーの数値的にも異常なレベルではありませんのでセンサー故障の可能性は低そうです。
故障探求に行き詰まったのでお客様にもう一度警告灯が点灯した経緯を問診することにしました。
すると非常に興味深い経緯があることがわかりました。
何とチェックランプが点灯したのはディーラーでのリコール作業実施後の帰り道で起きたというのです。
何のリコールで入場したのか確認すると”コンピューターのプログラムが何とか・・・ ” お車に詳しくはなくよくわからないとの事でした。
リコール情報を調べるとエンジンECUのリプログラムがあったようです。
そこで2次空気の吸い込みの点検の際少し気になっていた部分とその経緯がもしかしたら関連しているのではないかと考えられました。
少し気になったのはこの部品です。

これはエンジンのエアクリーナーですが下が新品ですのでかなり汚れているのがわかると思いますが、問題はただ汚れているだけでなくフチの部分が変形しているところです。
この変形はエアクリーナーが汚れで詰まったことで空気を吸い込むことが出来なくなり変形した形跡と思われます。
ここまで変形するということはインテーク系統がかなりの負圧状態になりますので2次エアを吸い込む可能性が高いです。
新しいエアクリーナーに交換すると今まで強く加速した際に拾い出していたチェックランプは点灯しなくなりました。
実際診断機でエアクリーナーの汚染度という数値が35%ほどだったものが新品に交換すると7%に減少しました。
元々、エアクリーナーは汚れていたのですが補正を重ねて何となくエラーを拾わずに使えていたものがプログラムを書き換えたことでリセットされてしまったのか、故障検出の感度が上がってしまったのかは不明ですが拾いやすくなってしまったものと思われます。
リコールを実施したディーラーでも再度点検して頂き問題が無いことからエアクリーナーの汚れが原因であるとの結論に達しました。
常々、ディーゼルエンジンはフィルターと名がつく部品のメンテナンスはシビアに行わないといけないことは訴えてきていましたがメーカーによって故障コードの出し方も違うので少し遠回りをした修理となってしまいました。