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AUDI TTクーペ2.0(8J) 加速時息継ぎ

ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

AUDI TTクーペ2.0(8J)前期のご入庫

”加速時アクセルを踏み込んだ一瞬もたつくような感じがする”との事

診断機で故障コードを読み出しましたが特に何も検出はしていないようです。

お客様から不具合発生時の状態を問診すると、”踏み込んだ際一瞬もたつきくすぶった感じがする”とおっしゃっていました。

ライブデータでエアマスの吸入空気量の数値など見ても特に異常な数値はありません。

点火に異常がある可能性があるのでスパークプラグを点検しましたが若干煤けた感じはありましたが摩耗もわずかで問題はないようです。

次にスパークプラグに飛ばす火花の状態を点検してみます。

といっても火花を目視しても飛んでいるか・いないか程度しかわかりませんのでアナライザーを使い点検します。

このイグニッションアナライザーは、イグニッションコイルがスパークするときの磁界を数値や波形にすることで火花の状態を目視化できる非常に優れた機器です。

 

イグニツションアナライザーを使い4気筒のイグニッションコイルを一つ一つ測定していくと4番シリンダーのイグニッションコイルのピーク電圧が高いのがわかりました。

ピーク電圧が高いということはイグニッションコイルに負担が掛かっている状態ですので故障が潜んでいる可能性があり怪しいです。

 

4番シリンダーの点火二次電圧を波形で確認してみると・・・

 

スパーク終わり(減衰部)がなだらかになってしまっています。

イグニッションコイルは1次コイルの自己誘導作用と2次コイルの相互誘導作用のそれぞれの電磁誘導を利用して瞬間的に大きな電圧を発生させてスパークさせるのですが、スパークした後に正常でしたら波打つのですがこのコイルは減衰部(波打ち)が無くなっています。

減衰部が無いということはコイルにレアショートが発生しているということです。

ピーク電圧もかなり高くなっています。

4番シリンダーのイグニッションコイルが壊れていることを確定して交換しました。

 

 

エンジン燃焼室内は常に均一ではなく、冷間始動時や加速時のアクセルを踏み込んだ一瞬などは火花を飛ばすのに非常に過酷な状況です。

今回のコイルのようにわずかに壊れているような場合は過酷な状況の一瞬だけ火花が飛ばせなくなり症状として現れます。車両コンピューターも一瞬ですので故障として認識しません。

このような故障は、自己診断で残りませんし症状が限られた条件でしか発生しませんのでユーザーからの訴えで故障探求して発覚することが多いのですが、症状自体に気が付かずに乗られているパターンも非常に多いのです。

 

今回、予算の都合で4番シリンダーのみコイルを交換しましたが、残り3気筒と比べてみると・・・

4番だけピーク電圧が下がっています。

ピーク電圧が下がるということは少ない電圧で火花を飛ばすことが出来るということです。(イグニッションコイルの負担が少なく良い状態)

ということは、壊れてるとまで言わなくても残り3気筒のイグニッションコイルも新品と比べるとこれだけ性能低下を起こしているということです。

全気筒同時交換をお勧めする理由はこのような差が新たな故障を引き起こすきっかけになってしまうからなのです。(とはいっても気筒数全部交換ですと高額部品になってしまうので致し方ないのですが・・・)

 

アナライザーやオシロスコープなど電気を測定し波形化などできる機器が無ければこの故障判断は不可能です。

アナライザーは簡易的にコイルの磁界を読み出す構造ですが、精度はかなり高く故障判定に非常に役に立ちます。

もちろんスパークプラグの摩耗も大きく影響しますのでプラグが正常なことが前提でのコイルの判定です。

点火系統でコンピューターがエラーを拾わないレベルでの故障や性能低下が気になる場合は大変有効な点検方法ですし、加速時のもたつき・冷間時の不調などの症状の原因かもしれませんので気になられた方、点検をお勧めいたします。

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