栃木県宇都宮市の整備工場
TEL 028-656-2588
月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

ご注意

ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備

車高変更の危険なカスタム

オフロード系の車両で良く行われるカスタムで、車高を上げるというものがあるのですが、このカスタムは非常に危険が伴う為 保安基準の審査でも厳しく管理されます。

こちら人気のジムニーの足回りです。

リジットアクスルと呼ばれるタイプで左右の車軸が一直線なのが特徴です。

車高はリーフスプリングの取り付け位置などを変更して高くします。

 

次にこちらはパジェロミニ、見た目はジムニーに似ていますが、足回りはまるで違うシステムを採用しています。

左右独立懸架サスペンションで駆動力はドライブシャフトを介して左右のタイヤに振り分けます。

こちらの車両は足回りにストラットと呼ばれるスプリングとショックアブソーバーを一体にしたものを使用しています。

車高を上げるのにストラットの上部にスペーサー(ゲタ)を履かせて車高を上げています。

 

車高を上げると重心が高くなり横転の危険性が高まるため道路運送車両法で厳しく保安基準が定められています

様々な構造計算をした書類を提出したうえで実車の検査を行い基準をクリアした車両のみ公道を走ることが許されます。

審査に合格した車両には書類が発行されます。

 

先ほどの2車種はもちろん保安基準をクリアした公認車両ですので車検などは特に問題もなく受けることが出来るのですが、法律をクリアしていれば良いというわけではないという落とし穴が潜んでいます。

ジムニーに関してはリジットの為、この部分に関しては駆動力を問題なく伝えることが出来ます。※足回りの問題でプロペラシャフトの角度に関しては別問題です。

しかしパジェロミニの場合、ドライブシャフトの作用角を超えてしまいジョイントに大きな負担が掛かかることが大きな問題になります。

車高を上げたことでドライブシャフトのジョイントが大きく曲がることや車輪との距離が伸びますのでドライブシャフトも抜け気味になりブーツに負担が掛かって破けています。

ドライブシャフトにはジョイントがありハンドルを切ったり足回りの上下の動きに関してジョイント部分が曲がることで駆動力をスムーズに伝える役割をします。

しかしそれはあくまでもメーカーの設計範囲内の角度でのことで、カスタムされ作用角を逸脱した状態ではスムーズに動くことは出来ません

写真はリフトアップして一番足回りが伸びた状態で、ドライブシャフトのジョイント角に無理が掛かっているのがお分かりになるかと思います。

この車両はステアリングをいっぱいに切った状態で走行するとコッコッと振動がステアリングに伝わってきます。

これはドライブシャフトのジョイントの作用角が限界を超えてスムーズに回っていないため、ジョイントが引っ掛かって振動が出ているのです。

水平での静止接地状態では作用角は設計範囲内に入っているかもしれませんが、大きなカーブを旋回しているときは、片輪はこのように伸びた状態でかつステアリングを切っていますのでジョイントは抜けたり、破損してしまうかもしれません。

法律は全てを網羅しているわけではありませんので、カスタムしていて保安基準をクリア(車検に合格)したから安全というわけではないということがお分かりになるかと思います。

自動車メーカーは莫大な開発費を掛けて様々なシチュエーションで安全に走行できるか実験をしたうえで車両を市場に送り出しています。

このようにカスタムを行う部品は様々なところから販売されていて、作り手も取り付ける者もプロなのかシロウトなのかもわかりません。

見た目ばかりにとらわれて安全をおろそかにして行うカスタムは非常に危険ですし、そのようなものを販売取り付けを行う業者やそもそも認証もない業者もいるのでユーザーも注意が必要です。

 

栃木県宇都宮市の整備工場月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

MASUTAKAブログ最新情報

アルファロメオ 147TS 走行中ゴー音

アルファロメオ 147TS のご入庫 別件のご依頼でお預かりしていましたが走行テストで異音が発生していることに気が付きました。 スピードに比例してゴーと低い音が後方から聞こえてきます。 考えられる事として車輪軸の軸受けであるハブベアリングの不良です。 車両をリフトアップして後ろ車輪を手で回すとゴーと音が出ます、手で回したくらいでこれだけの音が出るのでは走行中はもっと大きな音になるのは当然です。 異音が出ている後輪のハブベアリングアッセンブリーを交換します。 ディスクローターを外すとハブアッセンブリーがあら ...

続きを見る

マツダ デミオ (DJ5)スピードメーター故障

マツダ デミオ(DJ5)のご入庫 スピードメーターが壊れて表示されないとの事 デジタルメーターですがデジタルが目まぐるしく動きスピード表示が出来ません。 https://masutaka.co.jp/images/VID_20240620_143921.mp4 それほど年式が経っていないようですがこの時代のマツダ車は比較的このような故障が多いそうです。 しかしメーターを新品に交換すれば部品代は非常に高額ですし、オドメーターの距離も変わってしまいます。 そこでメーター修理業者に相談して何とかこの表示部分の不 ...

続きを見る

スバル レガシィ ツーリングワゴン(BH5)ステアリングラックボールジョイントのガタ

スバル レガシィツーリングワゴン(BH5) ステアリングラックブーツが劣化により破れていますが、どうもブーツだけでは済みそうにはありません。 このブーツはステアリングラック内部に汚れなど入らないようにするのと、この中にあるボールジョイントの保護が目的になります。 破れたまま使用していると水や汚れが入り込みボールジョイントの潤滑グリスを流してしまったりグリス自体に砂など硬い不純物を取り込んでしまいボールジョイントやラック本体を壊してしまいます。 ブーツを外してボールジョイントを診てみます。 グリスが洗い流さ ...

続きを見る

BMW X5(E70)駐車後 車体が傾く

BMW X5(E70)車検でのご入庫 ご用命で2~3日駐車後に右後ろの車体が下がっていることがあり、エンジンを掛けると元に戻ることが気になるとのことでした。 一般的な金属バネを使用している車両ではこのようなことは起きませんがエアサスペンションを搭載してモデルではこのようなことが起きます。 この車両は前輪は金属バネ・後輪は空気バネを採用しています。 エアサスペンションはベローズと呼ばれる風船をバネとして使用しますが、このベローズはゴムでできているため空気が漏れてつぶれてくることで車体が傾きます。 右後輪が傾 ...

続きを見る

プジョー308(T7) スロットルモーター異常

プジョー308 チェックランプが点灯して加速が緩慢でスピードが出ないとの事 診断機で故障コードを読み出すとスロットルバルブに関係した故障コードを検出しています。 スロットルボディ内部のエラーなのでスロットルボディの交換を行いました。 交換後はエラーの検出もなく正常に走行するようになりました。   エラーを起こしたスロットルボディを分解してみます。 樹脂製のボディで非分解の作りです。 ボディを割ってみると・・・ 内部がオイルでビチョビチョになっています!   このオイルはエンジンオイルですがこれだ ...

続きを見る

メルセデスベンツ320CDI(W211)ブレーキペダルが硬く効かない

メルセデスベンツ320CDI(W211)のご入庫 ブレーキペダルが硬く感じるときがあり強くペダルを踏んでいないとクリープで車両が進んでしまう時があるとの事。 症状は常に起きるのではなく時々起きるそうで、症状が出るときはブレーキペダル前方で”シュー”と音がするそうです。 入庫時は症状が発生しておらずペダルに違和感は感じませんでした。 お話をお聞きしてブレーキブースター関係の不具合のように感じますがブースターの機能点検では異常はないように思われました。 ブレーキブースター(マスターバック)とはブレーキペダルの ...

続きを見る

ダイハツ ハイゼットトラック(S211P)コンプレッサーが頻繁に入り切りする

ダイハツ ハイゼットトラック(S211P) エアコン(冷房)が効かず、何かカチカチ音がするとの事 カチカチ音はすぐにわかりました。 https://masutaka.co.jp/images/VID_20240527_210656.mp4 エアコンコンプレッサーのマグネットクラッチが頻繁に入り切りを繰り返している音でした。 マグネットクラッチがONするとコンプレッサーが回り冷媒を圧縮するのですが、すぐに切れてしまいますのでコンプレッサーは回らずこれでは冷房は効きません。 マグネットクラッチはをONするにも ...

続きを見る

ニッサン デイズルークス(ML21S)エアコン重複故障

ニッサン デイズルークス(ML21S)のご入庫 エアコンが温風しか出ないとの事 エアコンの冷房が効かない云々よりも温風しか出ませんので、エアコンコントロールがヒーター側で固定されているようです。 オートエアコンで自己診断機能がありますので操作パネルを操作して読み出すとパネルに20.3という数字が出ました。 この数字は故障コードのことで20.3はエアミックスアクチュエーターの故障コードを表しています。 エアミックスアクチュエーターとはエアコンユニット内部の温かい所と冷たい所に風を振り分けるフラップをコントロ ...

続きを見る

ルノー メガーヌⅢRS 冷房が効くときと効かない時がある

ルノー メガーヌⅢRSのご入庫 エアコン(冷房)が効くときと効かない時があるとの事。 ご来店時は効いているとの事で確かに冷たい風は出ていました。 しかし冷媒ガスのメンテナンスは行った記憶が無いとの事でしたのでまずはガス量が適正なのかを確認するために冷媒ガスのメンテナンスを行うことにします。 冷媒ガスを車両から専用機に抜き出して測量すると規定値510gに対して320gしか回収できませんでしたので190gほど減っている状態でした。 これは漏れているというよりもゴムホースやジョイント部分からわずかに大気に放出し ...

続きを見る

ホンダ アコード(CF3) エンジンオイル漏れ

ホンダ アコード(CF3)のご入庫 エンジンオイルが地面まで垂れているとの事。 漏れ箇所はエンジン後端部でオイル漏れをたどるとそこにはディストリビュータがありました。 この部品はカムシャフトで駆動するため中に回転するシャフトがありますが、シールが悪くなりエンジンオイルがシャフトを伝わり漏れ出していました。 デスビキャップ内側にもオイルが飛び散って掛かっています。   まだこの部品自体リビルトの供給がありましたのでリビルトアッセンブリーで交換します。 ディストリビューターの役割は複数シリンダーを持 ...

続きを見る

-故障修理・整備

© 2024 増高自動車工業有限会社