栃木県宇都宮市の整備工場
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ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備 ボルボ

ボルボV70Ⅲ 電動ファン故障によるオーバーヒート

ボルボ V70Ⅲのご入庫

オーバーヒートの警告灯が点灯してエンジンルーム内で冷却水が噴き出したとの事。

冷却水が噴き出すほどのオーバーヒートを起こしたとの事ですので、エンジンルーム内を点検しますが冷却水漏れのようなことは起きていないようです。

次に診断機で故障コードを読み出してみます。

エンジン冷却用の電動ファンのアルゴリズムに関する不具合を検出していました。

電動ファンの状態を診てみますとエアコンを掛けても電動ファンは回りませんし水温が規定よりも上がってもファンが回りませんので電動ファンに関する不具合が発生しているのは間違いなさそうです。

この電動ファンにはコントロールアンプが付属しておりモーターがダメなのかアンプがダメなのかを調べていきます。

診断機を使用して制御信号が出ているかモニターするとどうやらモーターへの電流を送ろうとしているのは分かりました。

アクティブテストでも同様の結果でした。

モーターに掛かる電気が本当に掛かっているか診てみるとアンプからの出力がない事がわかりましたので、これでアンプの不良であることは確定しました。

一応、モーター自体も大丈夫か直接12ボルトを掛けて点検したところ勢いよく回りましたのでモーターは正常だと判断します。

部品代が高額であったため中古アンプで交換しました。

交換後はエアコンを掛けたり水温が上がってからも、正常に電動ファンが回ることが出来ました。

これで不具合は解消です。

 

ところがテストのためしばらくアイドリングさせていると、回ってもよいくらいの水温になっても電動ファンが回っていないことに気が付きました。

どうも気になり、診断機を繋ぎ再度、水温と電動ファンコントロールの関係をモニターすることにしました。

するとこのような状況が起きました。

水温が99℃に達して電動ファンを12%で回す制御が行われているにもかかわらず、実際には電動ファンが回らず水温が上昇し続けています。

さらに水温が上がったため30%制御になると電動ファンは回りだしたのです。

何回か12%制御時に回ったり回らなかったり繰り返した後電動ファンは全く回らなくなりました。

故障コードを読み出すと故障コードを検出しました。

アルゴリズムベースの不具合です。

どうやら12%制御の時に電動ファンの抵抗が大きすぎて回らない時が発生して、その時にファンの動作指示に対して水温が上昇してしまう為アルゴリズムが成り立たないと判断したようです。

繰り返すことでフェイルセーフを掛けて止めてしまったようです。

電動ファンもアンプとセットで中古品を入手していましたので交換してみると、先ほどの不具合は発生しなくなりました。

 

実は純正部品供給はアンプ単体は行っておらず電動ファンとセットでのアッセンブリー供給でした。

非常に高額部品であったためお客様と相談して中古品を選択したのですが、アンプとファンをセットで中古品を入手してあったのは幸いしました。

電動ファンの単体点検で12ボルトを掛けたとき回ったので正常と判断しましたが、微弱な12%制御時での電気では回らないというのは考えが及びませんでした。

このような不具合もあるためメーカーはセット販売をしているのでしょうか?それとも単に部品管理がしやすいからなのでしょうか?

そのことに関しては不明ですが、昨今の車両は全ての部品の制御が細かい為、昔の様に電源のON/OFFだけで判断できなかったり、症状が出たりでなかったりすることが多いので故障探求は非常に困難になりました。

昨今、アッセンブリーでの部品供給が多くなりましたが部品代が高額になりますし、整備する側からするとなんでもアッセンブリーで交換するようなことには抵抗を感じてしまうのですが、このような考え方はもう古い人間なのでしょうか?考えさせられます・・・

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