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故障修理・整備 トヨタ 貨物車

トヨタ トヨエース DPF故障③

トヨタ トヨエース DPF故障の原因を探求中ですが、以下のことはわかりました。

①排気シャッターバルブの故障
②EGR系統の詰まり

上記を改善しても強制再生時の排気温度は200℃にも達しませので再生は行われていません。

いよいよ残るはDPFの本体ですが、実は車両コンピューターからのセンサー値で初めから気になっているところがありました。

それはDPFの差圧センサー値です。

これは、DPFのフィルター前後に圧力センサーを取り付けて前後の圧力にどれだけの差(差圧)が有るかをモニターするセンサーで、DPFが詰まれば入口と出口で差圧が出ますので詰まっていると判断して自動再生の指令を出す基本のセンサー値となります。

しかしこの車両は差圧値は大きくなく詰まっていないと判断できましたので、詰まりが起きていないのに再生することを求めかつ再生が出来ていない?という疑問から様々な部分の点検を行っていました。

点検を繰り返したことで、DPFが詰まっているのではなく逆にスカスカになっている可能性が有ることに確証が持てました。

 

まれにDPFに過度のススが溜まった状態で再生を行うと温度が上昇しすぎて内部を破損させてしまうことがあります。

今回はその可能性が高い確証を得られたのでDPFを交換することになりました。

DPFは非常に高額であるため単純に本体がダメであろうと推測できても、他の部分に異常が無いことを確認することが重要で、ほかに悪いところが残っていればいずれは同じ不具合を引き起こしてしまいます。

結果DPF以外にも排気シャッターやEGRの不具合も検出できたのです。

 

分解できますので開けてみます。

酸化触媒部分です。

目立った溶損はありませんでしたが、かなりのアッシュ(燃えカス・灰)が出てきました。

 

リビルトのDPFに交換。

 

排気シャッターバルブもアッセンブリーで交換

交換して再生を行いますと排気温度が500℃以上に上がり正常に再生ができるようになりました。

 

肝心なところをお話ししていませんでしたが再生モードで温度を上げるのはどのようにしているのでしょう?

先ほどDPFのところに酸化触媒というものがありましたが実はここが重要な部分でここに軽油が掛かると酸化で燃焼され温度が急上昇してすすを焼き切る仕組みになっています。

もしかしたら酸化触媒がダメになって温度が上がらなかったのかもしれません。

 

次に、じゃあどうやってマフラーの中に軽油を送り込むの?という疑問がわいてきます。

各社工夫して様々な方法がありますがこの車両の場合はポスト噴射を行うタイプになります。

ポスト噴射の説明は複雑になるため割愛しますが、エンジンで軽油を爆発させさせないタイミングで燃料噴射(ポスト噴射)して生ガス(燃えない燃料)を排気ガスに混ぜて送るのです。

 

しかしこのポスト噴射を行う車両で重要な注意点があります、それはエンジンオイルに軽油が混ざり希釈することです

爆発しないタイミングで軽油を噴射するため燃えない軽油はピストンリングをすり抜けエンジンオイルのエリアに侵入して希釈します。

そのため再生モード繰り返すとエンジンオイルが軽油希釈によって増えるという現象が起きるのです。

これは今までの内燃機関では起きなかった現象で通常エンジンオイルはわずかに燃えていきますので減少方向に進むものだったのです。

 

不具合車両のエンジンオイルの状態がこちら

これはオイル量を測るスティックです、丸から丸の間が適正量ですがその上にXマークがありますがこれは希釈してオイル量が増えてしまった時の限界のマークです。

今回そのXマークすらオーバーした油量が入っていて、規定量より1.5L多く入っていました。

その増量分は軽油ですので臭いも軽油の臭いが強く、粘度も無くなりサラサラになっていました。

このようにポスト噴射するタイプのディーゼルエンジンは軽油による希釈に耐えうる規格をクリアしたものを使用しなければなりません。

日本の規格ではライトトラックではDL1 もっと大きなトラックではDH2といった規格のオイルを使用しなければエンジンを壊してしまいますし、オイル交換サイクルの厳守も重要なことになります。

 

今回は、多岐にわたり故障が起きていた事例ですどの部分が初めに壊れ引き金になったかはわかりませんが、ディーゼルエンジンはチョイ乗りは苦手な機関です。

温度が上がることで燃焼が安定して黒煙自体の排出も減りますし、DPFもある一定の温度が必要だからです。

DPFを壊さず長持ちさせる方法としては

①完全暖機状態で走行を行う チョイ乗りは避ける。
②DPF自動再生が始まったら終わるまでエンジンを止めない
③自動再生を行えない状態なら定期的に手動再生を行う
④洗浄剤などを定期的に使用する。
⑤エンジンオイルのチェックを怠らない
等になります。

 

ディーゼルエンジンは内燃機関の中では熱効率がよく優秀なものですが、現代のクリーンディーゼルと呼ばれるものは有害物質を浄化する装置がこれだけ必要な繊細なシステムになっています。

ガソリン・ディーゼル問わず様々なメンテナンスフリー化が進んでいますが、繊細になった現代の自動車は使用過程での汚れに非常に弱く以前にも増してメンテナンスの重要性が上がっていることはあまり知られていません。

 

 

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