栃木県宇都宮市の整備工場
TEL 028-656-2588
月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

ご注意

ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備 アウディ

AUDI TTクーペ2.0(8J) 加速時息継ぎ

AUDI TTクーペ2.0(8J)前期のご入庫

”加速時アクセルを踏み込んだ一瞬もたつくような感じがする”との事

診断機で故障コードを読み出しましたが特に何も検出はしていないようです。

お客様から不具合発生時の状態を問診すると、踏み込んだ際一瞬もたつきくすぶった感じがする”とおっしゃっていました。

ライブデータでエアマスの吸入空気量の数値など見ても特に異常な数値はありません。

点火に異常がある可能性があるのでスパークプラグを点検しましたが若干煤けた感じはありましたが摩耗もわずかで問題はないようです。

次にスパークプラグに飛ばす火花の状態を点検してみます。

といっても火花を目視しても飛んでいるか・いないか程度しかわかりませんのでアナライザーを使い点検します。

このイグニッションアナライザーは、イグニッションコイルがスパークするときの磁界を数値や波形にすることで火花の状態を目視化できる非常に優れた機器です。

 

イグニツションアナライザーを使い4気筒のイグニッションコイルを一つ一つ測定していくと4番シリンダーのイグニッションコイルのピーク電圧が高いのがわかりました。

ピーク電圧が高いということはイグニッションコイルに負担が掛かっている状態ですので故障が潜んでいる可能性があり怪しいです。

 

4番シリンダーの点火二次電圧を波形で確認してみると・・・

 

スパーク終わり(減衰部)がなだらかになってしまっています。

イグニッションコイルは1次コイルの自己誘導作用と2次コイルの相互誘導作用のそれぞれの電磁誘導を利用して瞬間的に大きな電圧を発生させてスパークさせるのですが、スパークした後に正常でしたら波打つのですがこのコイルは減衰部(波打ち)が無くなっています。

減衰部が無いということはコイルにレアショートが発生しているということです。

ピーク電圧もかなり高くなっています。

4番シリンダーのイグニッションコイルが壊れていることを確定して交換しました。

 

 

エンジン燃焼室内は常に均一ではなく、冷間始動時や加速時のアクセルを踏み込んだ一瞬などは火花を飛ばすのに非常に過酷な状況です。

今回のコイルのようにわずかに壊れているような場合は過酷な状況の一瞬だけ火花が飛ばせなくなり症状として現れます。車両コンピューターも一瞬ですので故障として認識しません。

このような故障は、自己診断で残りませんし症状が限られた条件でしか発生しませんのでユーザーからの訴えで故障探求して発覚することが多いのですが、症状自体に気が付かずに乗られているパターンも非常に多いのです。

 

今回、予算の都合で4番シリンダーのみコイルを交換しましたが、残り3気筒と比べてみると・・・

4番だけピーク電圧が下がっています。

ピーク電圧が下がるということは少ない電圧で火花を飛ばすことが出来るということです。(イグニッションコイルの負担が少なく良い状態)

ということは、壊れてるとまで言わなくても残り3気筒のイグニッションコイルも新品と比べるとこれだけ性能低下を起こしているということです。

全気筒同時交換をお勧めする理由はこのような差が新たな故障を引き起こすきっかけになってしまうからなのです。(とはいっても気筒数全部交換ですと高額部品になってしまうので致し方ないのですが・・・)

 

アナライザーやオシロスコープなど電気を測定し波形化などできる機器が無ければこの故障判断は不可能です。

アナライザーは簡易的にコイルの磁界を読み出す構造ですが、精度はかなり高く故障判定に非常に役に立ちます。

もちろんスパークプラグの摩耗も大きく影響しますのでプラグが正常なことが前提でのコイルの判定です。

点火系統でコンピューターがエラーを拾わないレベルでの故障や性能低下が気になる場合は大変有効な点検方法ですし、加速時のもたつき・冷間時の不調などの症状の原因かもしれませんので気になられた方、点検をお勧めいたします。

栃木県宇都宮市の整備工場月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

MASUTAKAブログ最新情報

ホンダ ステップワゴン(RP3)安全支援システムエラー

ホンダ ステップワゴン(RP3) メーターに警告が次々出てくるとのこと。 警告灯の内容から安全支援システムに絡む故障が起きているようです。 診断機を使用して故障コードを読み出します。 P3000-49 マルチパーパスカメラ内部故障 カメラの内部故障を検出しています。 安全支援システムのカナメであるカメラの故障を検出したため安全支援システムのそれぞれの機能に対する警告灯が次々と出てきたのです。 カメラを交換 新品のカメラを付けなおしただけではこのようなエラーが出てしまいます。 エーミングが終わっていないとい ...

続きを見る

VW ゴルフ7 イグニッションキー回らない

VW ゴルフ7    イグニッションキー回らないとの事で連絡が入りました。 イグニッションキーが回らないことですので、エンジンが掛からないばかりかハンドルを切ることが出来ない、シフトはニュートラルにできない、電動パーキングが解除できない状態ですのでこのような状態での搬送になります。 この故障に関してはゴルフ6のころからよく起きる事象で定番故障になります。 まずはロックユニットアッセンブリーで取り外します。 しかしキーが回らなくなった状態ではここからひと手間掛かります。 それはロックユニットからキ ...

続きを見る

ルノー メガーヌⅣ GT 前方からガタガタ音

メガーヌⅣ GTのご入庫 車両の前のほうからガタガタ何か大きな音がするとのこと。 エンジンルームを開けるとラジエターファンが今にも外れそうなくらいぶれてガタガタしています。 電動ファンのモーター軸がぶれてガタついているのが原因ですので交換で対処する必要があります。 しかしモーター交換までが大変な作業になります。 ここまで外してやっとアクセスすることが出来ます。 電動ファンモーターはシュラウドごとの交換になります。 不具合を起こしたファンモーターはこのように激しいゴロゴロ音とガタが発生していました。 htt ...

続きを見る

ニッサン NV350ディーゼル EGRクーラーバイパスバルブ故障

ニッサン NV350ディーゼルのご入庫 車検でお預かりしましたがエンジンルームを点検すると部品の破損を発見しました。 アクチュエータのロッドがポッキリ折れてしまっています。 これはEGRクーラーに付く部品なのですがバイパスバルブをコントロールするアクチュエーターになります。 樹脂製のロッドなので折れてしまっていますが問題はこの先にあるバイパスバルブです。 完全に固着してしまい動かすことが出来ず、この固着によりロッドが折れてしまっているという不具合です。 当然バルブは作動していませんのでEGRクーラーをコン ...

続きを見る

ルノー トゥインゴⅢ 燃料漏れ

ルノー トゥインゴⅢのご入庫 エンジンオイルのご依頼で作業を進めていましたが何かガソリン臭がするため注意深く観察すると燃料タンク付近にガソリンが漏れた形跡があることを発見しました。 しかしこの車両はサービスホールがフロアに開いていませんのでタンクとフロアの隙間からのぞきますがよく見えません。 この部分にあるのは燃料ポンプですので燃料ポンプ自体に何かが起きて漏れているのは間違いありませんので燃料タンクを降ろします。 やはり燃料ポンプ上面にはガソリンが漏れて乾いた茶色い跡があります。 ポンプを取り外すと吐出口 ...

続きを見る

メルセデスベンツ S300h(W222)         アドブルーシステムエラー

メルセデスベンツS300h(W222) アドブルーの警告灯が出たので、アドブルーを給油したが警告が消えず”エンジン始動不可”の走行距離カウントダウンが進んでくるとの事。 AdBlueとは排気ガス中の窒素酸化物(Nox)低減させる尿素SCRシステムに使用する高品位尿素水のことでAdBlue(アドブルー)の商標名で一般的に知られています。 ディーゼルエンジンは窒素酸化物の排出が多いため排気ガスにアドブルーを噴霧することで排気ガス中の有害物質(Nox)の低減をさせるシステムになります。 仮にアドブルーが無くなっ ...

続きを見る

ルノー ルーテシアⅣ ブレーキからゴーゴーする時がある

ルノー ルーテシア(クリオ)Ⅳ 時々、ブレーキを踏んだ時にゴーとすごい音がする時があるがいつも起きるわけではないとの事でご入庫   走行テストを行うと特に異音は感じられません、そこで強くブレーキを踏み込むと突然大きなゴー音とともにざらざらした感じがブレーキペダルに伝わりました。 明らかにブレーキに異常がありますので点検したところブレーキディスクに擦れた跡があるのを確認できました。 ブレーキパッドの残量が無くなりパッドの裏金(鉄製)がディスクローター(鉄製)と接触したため鉄同士の激しい音が出ました ...

続きを見る

ニッサン NV350 エアコン操作不安定

ニッサン NV350 エアコンの風自体が出たり出なかったりする エアコン操作パネルの風量ダイヤルを回すとエアコンの風が出ないところがあり特に2速あたりが酷く、その時にA/Cスイッチのランプも点いたり消えたりします。 A/Cスイッチも切れるのでコンプレッサーも連動して止まってしまうため冷房が効かなくなってしまいます。 https://masutaka.co.jp/images/VID_20250908_132043.mp4 ブロアスイッチの接触が悪く風が出るときと出ない時があり、その不具合に引っ張られてA/ ...

続きを見る

アルファロメオ155 ディマースイッチ グラグラ

アルファロメオ155 ウインカースイッチがグラグラしてステアリングを切るとカチャカチャ何か引っかかった感じがするとのこと。 コラムカバーを外してみるとディマースイッチ自体が壊れているのではなくスイッチが嵌る部分が割れてしまっています。 この部分はワイパースイッチ・ウインカースイッチ・イグニッションスイッチ・ハンドルロックを一体にする部品なのですが樹脂で出来ているため劣化で割れてしまったようです。 取り外すと粉々に割れてしまっていました。 新品は製造廃止ですので入手は難しいのですが何とか手に入れることで直す ...

続きを見る

FIAT500 ツインエア エンストの意外な原因

FIAT500のご入庫 エンストしたとの事 状況を詳しく聞き出すと信号などで停車しようとしたところ、停車と同時にエンジンも止まってしまったとの事。 入庫時はエンストもなくテスト走行しても特に問題なさそうです。エンジンの自己診断でも特に故障コードの検出もありません。 症状が再現できなかったのですがデュアロジックシステムにエラーが出ていたのでデュアロジックのメンテナンスを行いお返ししました。 しかしその後やはりエンストしたとの事でご連絡が入りましたので再度診させていただくことになりました。 再度よく問診させて ...

続きを見る

-故障修理・整備, アウディ

© 2025 増高自動車工業有限会社