栃木県宇都宮市の整備工場
TEL 028-656-2588
月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

ご注意

ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備 つぶやき

ずさんな車検整備の結末①

後ろタイヤの方からコトコトすごい音がするとの事で緊急でいらっしゃいました。

何か大変なことが起きているとすぐにわかるほど大きな音がタイヤの回転とともにします。

答えは車両に触れるまでもなくすぐにわかりました。

タイヤを留めるホイールナットがひとつ無くなっています!

 

1個無くなっているということは他も締まっていない可能性があるため見てみると・・・

 

やはりナットがゆるゆるでホイールもガタガタです。

お客様にお話を聞くと格安スピード車検の店舗で車検を受けたばかりとの事。

確かに記録簿を見ると車検後100kmも走っていませんでした。

ホイールナットは全輪締め付けトルクの掛かりが甘い状態で完全に整備ミスです。

 

お客様から不安なので悪いところがないかよく診てほしいとご依頼を受けましたのでご依頼通り点検を進めていきます。

 

タイヤを外すときにはガタやブレーキに引きずりなど無いか確認して進めるのですが、右前車輪の回転が重いのはすぐにわかりました。

引きずりの少ない左前輪

 

引きずっている右前輪

 

回転の差を見て引きずっているのはすぐにわかるかと思います。

これはブレーキキャリパーの動きが悪い為ブレーキの戻りが悪く掛かりっぱなしになっているということです。

キャリパーのオーバーホールが必要です。

 

次にスタビライザーのリンクを点検するとボールジョイントブーツが破けてしまっています。

それも左右共に破れていますが本来保安基準 不適合で車検は合格しません。

 

エンジンルーム内はエアエレメントケースのロックが外れているのが気になりますし、ホコリの具合から触った形跡がないような・・・

エアエレメントは真っ黒

とっくに交換時期です。

あまりにも ずさんとしか言いようがない状態です。

 

当然直前に受けた車検での整備記録簿には点検済みのマークや締め付けのマークはついています。

安かろうが早かろうが、点検はしていないし挙句の果てにはタイヤが外れそうなほど危険な目に合うのではたまったものではありません。

 

自動車整備業界は価格競争で業界自体が疲弊してしまっていることを私は常々警鐘を鳴らしていました。

価格競争はどの業界にも言えることなのですが、技術職の行う価格競争は技術品質の低下しかありません。

安くするということは薄利になるため、格安車検店では台数をこなすことで薄利の埋め合わせをするのですから、当然数をこなす整備士は疲弊しますし面倒な整備は避けて通るようになります。

台数をこなすためにはスピード車検のように45分で終わりますなんてことも謳い文句にするのです。

スピード車検はユーザーは単純に早く終わってよかったと思われるかもしれませんが、業者サイドの目線では薄利の埋め合わせや代車の貸し出しが不要になる(代車管理費用もいらなくなる)などのメリットがあるから行うのであって、ユーザーサイドへの整備の信頼性は二の次になっているものと言えます。

こなす作業だけを行う整備士は技術力も向上しませんので結果として直すことのできない整備士もどきが横行することになります。

そんな仕事に嫌気を刺したものはやめてしまうでしょう。

現在、自動車整備士のなり手は減少の一歩をたどっているそうです。

本来ものを直す(治す)喜びがある職業でそれに憧れるものも多かったのですが、先の価格競争でその魅力を失ったことが、なり手不足の一因なのではないでしょうか?

 

どの業種でも同じようなことが行われてきましたが、薄利多売では持たないということに気が付き方向転換しているところも多いそうです。

しかし、方向転換したところで技術職はすぐに技能が身につくものではないのでそこで働く良い人材の不足が大きな課題になっているのです。

このようなずさんな整備を目の当たりにするとつくづく考えさせられます。

次回、この車両の整備内容をご案内します。

 

栃木県宇都宮市の整備工場月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

MASUTAKAブログ最新情報

ルノー ルーテシア4 突発的ユニット故障、原因の推測と対策

ルノー ルーテシア4 エンジンが掛からないとのご連絡。 電話で問診をすると”2週間くらい乗らなかったのでバッテリーがダメになってエンジンが掛からないのでは”とご本人。 しかし、よくよくお話を聞いていくとバッテリーではないのではないかと思われる節がありました。 とはいえ遠隔で直せるわけではないのでロードサービスで運んでもらいました。   入庫して早速点検を進めます。 バッテリーは単体点検でやはり正常レベルのため問題なくシロでした。 バッテリーは正常なのですがスロットにカードキーを差し込んでもうんと ...

続きを見る

FIAT500(312)ブレーキシューからライニング剥離

FIAT500のご入庫 ブレーキを掛けると後ろのタイヤからゴーゴー音がするとの事 後輪ブレーキはドラムブレーキを採用していますがドラムを外すと大変なことが起きていました。 ブレーキシューには摩擦材であるライニングが接着されているのですが剥離してしまっています! ライニングとは摩擦材で、ドラムの中でシューが開くと摩擦材であるライニングがドラムの回転を抑えてブレーキが効くようになっています。 ライニングが外れてしまったため、鉄であるシューとドラムがぶつかり合いゴーゴーと音が出ていました。 剥がれたライニングが ...

続きを見る

車両購入は購入先の信用度も大切です

MINI クラブマン(R55)のご入庫 冷却水が漏れているようで水を足して走行しているので診て欲しいとのご依頼。 漏れ箇所に関しては定番のサーモスタット回りです。 この修理に関しては定番作業のためリンク先をご覧ください。 同様の故障事例 リンク 冷却水漏れに関しては問題なく作業は終了しました。   次に入庫した際からライト切れの警報が点灯していた為どこのライトが切れているか点検をしていたところ非常に重篤な事態がこの車に潜んでいることがわかりました。 警告ランプはヘッドライトとリヤのフォグランプ切 ...

続きを見る

ランドクルーザー(FJ60)オーバーヒートと加速不良

ランドクルーザー(FJ60)のご入庫 最近オーバーヒートするのと、進まなくなったり止まりそうになったりするとの事。 2F型6気筒ガソリンエンジン搭載車 症状が多岐にわたるためよく問診します。 ・最近オーバーヒートする。秋になり涼しくなってから起こるようになり走行中どんどん水温計が上がってくる感じ。 ・オーバーヒートするので他店でサーモスタットとラジエターキャップを交換してもらったが症状改善せず。 ・エンジン回転が不安定な時がある。 ・アクセルを踏み込んでも進まない時がある。 上記のような症状を訴えていらっ ...

続きを見る

スマート フォーツークーペ 車両前方からの異音

スマート フォーツークーペのご入庫 車両の前のほうからガタガタと音がする時があってエアコンを切ると異音も同時に消えたとの事。 ご来店時は異音は再現できなかったため問診をします。 やはりお話を伺っても車両前方からの音のようです、この車両の駆動方式はRR(リヤエンジンリヤドライブ)でエンジンなど異音の発生源になるようなものは後ろに搭載されています。 前方で異音が出て、エアコンと連動するようなもので考えられるのはラジエーター/コンデンサーの電動ファンです。 RRとはいえ冷却水は車両前方にラジエーターを搭載してい ...

続きを見る

ゴルフ5 R32 駆動系統オイル交換

ゴルフ5 R32 ご入庫 駆動系統のオイル交換ご依頼を受けました。 こちらの車両はFFベースの4輪駆動車になります。 まずはフロントのトランスファー部分のオイル交換を行います。 後輪に駆動力を送る部分で直角ギアのため負担が大きい部分です。 次に後輪のディファレンシャルギアオイルの交換 ドレンボルトに吸着された鉄粉が負担の大きさを物語っています。 ここも直角に駆動力を伝えるギアがあるため負担が多いので定期的なオイル交換は必須になります。 最後にハルデックスオイルの交換です。 ハルデックス社のシステムなのです ...

続きを見る

ニッサン ローレル HC33 アイドル回転が高い

ニッサン ローレル(HC33)のご入庫 アイドル回転が高いとのこと。 入庫時アイドリングは1,800回転ほどでかなり高い状態でした。     アイドル回転数はISCV(アイドルスピードコントロールバルブ)で回転を調整していますが、これだけ高いのは何かおかしいです。 30年ほど経っているいるお車なのでインテーク周辺のバキュームホースなどが破けてエアを吸ってしまい回転が高くなってしまうなどということもよくある故障です。 注意深く観察するとインマニ周辺でエアを吸い込むようなシューシュー音が聞こえます。 4番イン ...

続きを見る

ダイハツ ソニカ 修理方法の選択肢

ダイハツ ソニカのご入庫 エンジンに関する修理のことでご相談にいらしたユーザー、当店ご来店前にディーラーでもご相談済みとの事。 ユーザーが気になる点として以下のことだそうです ・エンジンからのオイル漏れ  エンジンヘッドカバー周辺及びフロントカバー周辺(ヘッドガスケットかも) ・エンジンオイル量の減少(3000㎞走行して1L位減少する) このことをディーラーにて相談して見積もりを出してもらったそうです。 走行距離は9万㎞台で致命的なダメージは起きていませんので、上記不具合の解消と今後の予防的な要素をユーザ ...

続きを見る

FIAT500 デュアロジック クラッチが切れない

FIAT500のご入庫 デュアロジック車ですがバックに入れるとギア鳴りが酷く、前進にシフトするとアクセルを踏まなくても車両が進もうとするとのこと。 デュアロジックはシングルクラッチのロボミッションと呼ばれるタイプで、基本はマニュアルトランスミッションをベースにした2ペダル車両です。 症状からしてクラッチに何か起きていると判断できたためトランスミッションを降ろしてクラッチを点検します。   ミッションを降ろして不具合の原因がわかりました。 これはクラッチのレリーズベアリングを操作するレバーですが曲 ...

続きを見る

Jeep コンパス エンジン掛からず

Jeep コンパス エンジンが掛からないとの連絡。 昨日はジャンプしてかかったが今日は掛からず、バッテリーは御自身で交換済みとのこと。 ロードサービスでジャンプしてもらいエンジンが掛かったとの事ですので走行してご来店願いました。 ご来店してお車を拝見すると交換したバッテリーはメインの大きなバッテリーのみでサブの小さなバッテリーは交換していないというお話でした。 診断機で故障診断すると電源低下のエラーが複数検出され、サブバッテリーを点検すると電圧は8ボルト台で完全に機能していません。 サブバッテリーを新しい ...

続きを見る

-故障修理・整備, つぶやき

© 2024 増高自動車工業有限会社