栃木県宇都宮市の整備工場
TEL 028-656-2588
月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

ご注意

ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備 トヨタ

トヨタ ランドクルーザー(BJ61)複数整備②

トヨタ ランドクルーザー(BJ61)のご入庫

オーナーが変わるためのメンテナンスですが不具合が山積みの車両、安全に長く乗ってもらうために不具合個所をひとつずつつぶしていきます。①リンク

 

パワーステアリングポンプからも結構なオイル漏れです、ポンプの交換が必要ですがリビルト品がなかったため現品修理でこちらも何とか漏れは解消することが出来ました。

 

エンジンオイルの漏れは以前エンジンオイルパンのシール打ち直しを他店でやっているようですが、あまりにも液状ガスケットを多量に塗りすぎてはみ出しているためやり直します。

液状ガスケットは多く塗ればいいというものではありません、外側にこれだけはみ出しているということは内側にも同様にはみ出しているはずです。
はみ出したガスケットがはがれて異物として油路を詰まらせるなど重篤な不具合を起こす原因になりますので塗りすぎは禁物です。

 

エンジン前側からも漏れが酷いのでクランクプーリーを外してオイルシールを交換することにします。

クランクプーリーはボルトで固定されていてかなり大きな締め付けトルクがかかっているはずなのですが、なぜかすんなり緩み嫌な予感がします。

プーリーを取り外すとクランクシャフトとプーリーの位置決めキーが破断してしまっていました。

本来クランクシャフトにキーはまり飛び出したキーがプーリーのキー溝が入り位置決めと回り止めする構造なのですがそのキーが破断してしまっているのです。

これはクランクプーリーのボルトが緩んが事が原因で、プーリーがわずかにクランクシャフトに対して回りだしてキーに直接力が掛かってしまい破断したのです。

しかし、単にキーが破断しただけでは済みませんでした、クランクプーリーが空回りしたためプーリー内部がすり減ってしまいガタが出てしまっていました。

 

オイル漏れはこのガタでクランクプーリーが振れてオイルシールとのすき間が出来てオイル漏れを起こしてしまったのです。

このままではいくらオイルシールを交換してもオイル漏れは治りませんし、クランクプーリーもちゃんと取り付けることはできませんのでクランクプーリーの交換が必要です。

残念ながらクランクプーリーは製造廃止で入手不能ですが、何とか社外品新品を入手しましたが形状が若干違うためそのままでは使用できず加工して何とかクリアすることが出来ました。

 

次はインジェクションポンプから燃料が漏れてきていますので、リビルトのポンプに交換します。


インジェクションポンプ本体のシールが悪くなってなって漏れているため分解が必要になるのですが、現品修理よりもリビルトのほうが時間的に早く解消できます。

このくらいの年式で一度もオーバーホールしていなければ漏れていることが当たり前ですので軽油の漏れが見つかった際は速やかに対応する必要があります。

ここまできてようやく走る曲がる止まるが安心できるレベルになり走行テストを行います。

 

しかし走らせてみるとエアコン(冷房)が全く効きません。

点検するとエアコンコンプレッサーのマグネットクラッチが作動しておらず、エアコンガスを点検するとほとんど入っていませんので、まず冷媒ガスを規定量入れてみたのですがそれでもマグネットクラッチは作動しません。
※ガス量が足りないと圧力スイッチでマグネットクラッチを作動しないようになっています。

ガス量(ガス圧)が正常でマグネットクラッチにも作動電圧が来ていないので制御側で何か不具合が起きているようです。

マグネットクラッチを制御するマグネットクラッチリレーを探してもこの車両では見当たりません。

しかし室内にアンプのようなものがありそこを触るとマグネットクラッチが動き出しました。

 

どうもこの部品が怪しいです、分解してみると基盤に直接リレーが装着されていました。

このリレーを揺さぶるとリレーが作動したり止まったりします。

よく見るとリレーの基盤取り付け部のハンダに亀裂が入っているのが見えました。

リレーの熱によりハンダが切れたことで通電できずリレーが作動していなかったようで、ハンダを付け直してエアコンも正常に作動するようになりました。

ここまでの作業をしてようやく安全で快適に乗れるようになりました.

 

ランドクルーザーはタフで人気があるのですが、そのタフさゆえにかなり重篤な状態になるまで走れてしまうため、何か症状が起きて診せてもらうと複数個所の多重不具合が発生していることが多いものです

今回ご紹介した車両も30万㎞弱と走行距離、経過年数とも伸びていましたが、距離や時間の伸びは少しずつ手入れをしてればこれほどまでの作業をいっぺんに行う必要もありません。

オーナーの意識と整備する側の見立てが愛車のコンディションをベストに保つには重要になります。

栃木県宇都宮市の整備工場月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

MASUTAKAブログ最新情報

サンバー トラック(KT2)ポイント交換

サンバー トラック(KT2) 車検整備の際、点火ポイントの交換依頼を受けました。 EK23 550ccの2気筒エンジンになります。 エンジン後端にこのような部品がありますが一般的にはディストリビューターと呼ばれる火花を分配するものにポイントは組み込まれるのですが、このエンジンは2気筒同時点火のためで分配する必要がないためでディストリビューターという呼び名ではないこのような形になっています。 イグニッションコイルから直接2本ケーブルが出て2気筒に同時に火花(電気)を送ります。 エンジンに付けたままでも交換で ...

続きを見る

ダイハツ エッセ ラジエーターの限界

ダイハツ エッセのご入庫 エンジンの冷却水が漏れているとの事 エンジンルームを除くと明らかに冷却水が漏れています。(赤くなっているのは冷却水の漏れた跡) ラジエーターを交換するためバンパーを外すと大変な事になっているのがわかります。 ラジエーターのアッパータンクからの漏れでアッパータンクのみ交換のオーバーホールも可能ですが軽自動車の部品は安いため、全体がリフレッシュできる社外の新品ラジエーターで交換することにします。 冷却水を継ぎ足して乗っていたそうですが、アッパーホース取付部の樹脂の変色がとっくに限界を ...

続きを見る

Jeep コンパス エンジンチェックランプ点灯

Jeep コンパスのご入庫 エンジンチェックランプが点灯してエンジンもブルブルするとの事 診断機で故障コードを読み出すと下記のものが検出されました。 ・P2173 高エアフロー/負圧漏れ検出(低速蓄積) ・C121C   トルク要求信号拒否 どうも吸気系統で2次空気を吸っていてフェイルセーフを掛けたようです。 実際エンジンヘッドとインテークマニホールドとのつなぎ目に2次空気の吸い込みを確認できました。 インマニ自体にひずみや割れなどが起きているのかもしくはパッキンに何か起きているのは間違いなさそうですがま ...

続きを見る

ニュービートル ブレーキペダルが硬くブレーキが効かない

ニュービートルのご入庫 ブレーキペダルが硬い感じがして強く踏んでいないと車が進んでしまうとの事 入庫時、確かにブレーキペダルの硬さは正常時より硬く感じますし、オートマチック車なのでクリープ現象で進むのを止めるのにブレーキペダルをしっかり踏んでいないと動き出してしまいそうです。 通常ブレーキにはブースターと呼ばれる倍力装置が装着されており軽い踏力でブレーキペダルを操作できるようになっています。 こちらのお車では、エンジンの負圧を利用してブースターを作動させます。   エンジンルームから何やらシュー ...

続きを見る

トヨタ セリカ(ST183)アイドリング回転が低い

トヨタ セリカ(ST183)のご入庫 ”アイドリング低すぎて止まりそうになる”との事 初めにダイアグコードの検出がないか確認します。 この時代のトヨタではT端子をアースと短絡することで故障コードを読み出すモードに切り替えてチェックランプの点滅で読み取ります。 https://masutaka.co.jp/images/VID_20230628_163405.mp4 特に故障コードの検出はありませんでしたのでセンサーなどは問題なさそうです。 アイドリングの回転をコントロールしているのはISCV(アイドルスピ ...

続きを見る

アルファロメオ155TS 次々起こる電気トラブル③

アルファロメオ155ツインスパークのご入庫 前回、ストップランプの点灯故障修理を行いました。リンク トランクのヒンジ部の配線故障が原因で配線修理を行い各電装の動作確認を行ったのですが、灯火類に関してはすべて正常に作動するようになったのですがトランクの開閉を行う電磁ロックが全く作動していません。 お客様にお聞きすると以前から動かなくなっていて、ずいぶん前に他店で診てもらったことがあるそうなのですが直せなかったそうで不便ですがカギを使用して開けていたそうです。 トランクヒンジ部にここのロック配線も通っており関 ...

続きを見る

アルファロメオ155TS 次々起こる電気トラブル②

アルファロメオ155ツインスパーク 前回、ABSモーターが回りっぱなしになる不具合の修理をご案内しましたが、その際右後ろのストップランプの不灯火の指摘も受けていました。 単なる電球切れかと思われましたがユーザーもすでに電球を交換して球切れではないことは確認済みとのこと。 実際、点検しても電球は切れておらず点灯させる電気が電球まで来ていないことが確認できました。   そこで電源側のヒューズを点検するとヒューズが切れていました。 ヒューズを交換して一件落着かと思いましたが、交換してもブレーキランプは ...

続きを見る

アルファロメオ155TS 次々起こる電気トラブル①

アルファロメオ155ツインスパークのご入庫 ABSモーターが回りっぱなしで止まらないとのこと。 エンジンを切った後も回り続けてしまうためバッテリーを切り離して何とか止めたとのこと。 入庫時もバッテリーをつなぐとエンジンが掛かっていなくてもポンプが回る音がします。 ブレーキのABSユニットからモーター音がするので、お客様がおっしゃっている症状で間違いありません。 モーターが回り続けているのでモーターの電源をコントロールするABSユニットのリレーを小突くとポンプは停止しました。 このユニットの中には作動用のリ ...

続きを見る

11月の休業日 ご案内

11月の休業日は、3,12,19,23,26日とします。

続きを見る

ニッサン パオ バッテリーが上がる

ニッサン パオのご入庫 バッテリーが上がりエンジンが掛からないとの事、入庫時バッテリーはすっからかんの状態で搬送されました。 ここまでバッテリーが突然、カラになるというのは半ドアやランプの点けっ放しにしてしまうと起きるのでお客様にそのような状態が無かったか確認しましたが、特にそのようなことはなかったとの事。 バッテリーの劣化も疑いましたが当店で少し前に車検整備を行って正常なことも確認したばかりですので、ここまで急激にだめになってしまうことは考えづらいです。 単純にバッテリーではなさそうなのですが、ひとまず ...

続きを見る

-故障修理・整備, トヨタ

© 2023 増高自動車工業有限会社