栃木県宇都宮市の整備工場
TEL 028-656-2588
月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

ご注意

ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備 トヨタ

トヨタ ハイエース(KDH200)燃圧不良によるエンスト

トヨタ ハイエース(KDH200)のご入庫

エンジン回転が不安定になりエンジンチェックランプが点灯してエンストするときがあるとの事

 

診断機をつなぎ故障コードを読み出します。

故障コード:P0088 燃料制御弁異常(高レール圧)

燃料圧力の異常を訴えてきています。

 

現代のディーゼルエンジンはコモンレールタイプを採用しています。

これは従来のディーゼルエンジンではインジェクションポンプと呼ばれるもので高圧燃料を燃焼室に噴射していたのですが、コモンレールタイプは従来のタイプよりもさらに数倍に圧力を上げた超高圧燃料圧力をコモンレールに溜めて電子制御インジェクターで精密に噴射コントロールしています。

この"燃料圧力が高すぎる"と故障コードで知らせてきているのです。

では、この燃料圧力はどのように作られているのでしょうか?

コモンレールタイプでは、燃料タンクからきた燃料をサプライポンプと呼ばれるポンプで圧縮して超高圧にしてコモンレールに蓄圧しています。

 

次に、この圧力が高すぎるということはどのようなことなのでしょう?

サプライポンプにはサクションコントロールバルブ(SCV)というものが装着されていて、このバルブで燃料圧力のコントロールをリニア(デューティー制御)に行います。

 

こちらの車両ではどのように燃圧が変化してるかモニターします。

コモンレールの目標燃圧(赤線)に対して燃料圧力の実測値(緑線)がかなり遅れて変化しているように見られます。

目標値に対して燃圧が下がるのが遅く、その瞬間は目標値に対して燃圧が高いためその部分で燃圧が高いと判断したと思われます。

 

どうやらこのエンジンではSCV不具合が多いらしく対策SCVが現在では供給されているとのこと。

燃圧が目標値に対してリニアにコントロールできていないようなのでSCVを交換することにします。

SCVの形状は全く違いますので、対策のためSCV自体を設計しなおしているようです。

 

SCV交換後の燃圧値は御覧のようになりました。

燃圧目標値に向かって細かく変化してコントロールされているのがわかります。

エンジン回転も不安定になったりエンストも起きなくなりました。

 

ちなみに燃料関係の整備を行う際に忘れてならない部分で燃料フィルターがありますが、もちろんここも同時に交換します。

真っ黒になっています。

 

燃料フィルタの下流にはサプライポンプやインジェクターなど高圧で精密にコントロールされる部品がありますので汚れは禁物です。

燃料に含まれる不純物をろ過しているのですが、この汚れ具合を見ると定期的に交換が必要なことがお分かりいただけると思います。

 

現代のディーゼルエンジンは排気ガス中の有害物質の排出量がかなり減ったのですが、それを実現するにはこのようなシステムで緻密にコントロールされていることで成り立っているのです。

今回の不具合は部品故障でしたが、精密なシステムほど汚れには弱いものですのでメンテナンスも非常に重要なものになります。

 

 

 

栃木県宇都宮市の整備工場月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

MASUTAKAブログ最新情報

BMW 420グランクーペ(F36)ヘッドライト内LEDスモール不具合

BMW 420グランクーペ(F36) ヘッドライト内部のスモールリングが黄色く薄暗いとの事。 点灯していないわけではありませんが黄色く暗いです。 この車両はLEDで点灯させているのですがヘッドライトユニットの上部にLEDのスモールランプユニットがあるため外すとそこに原因がありました。 LEDチップ周辺が焦げた感じになっています。 LEDの相手になるスモールランプのリングはこのように焦げて溶けてしまっています。 スモールランプはリング状に光るのですがその末端にLEDの光を入力することでリング全体が光ファイバ ...

続きを見る

マツダ RX‐8 クラッチが切れない意外な原因

マツダ RX‐8 バキンという音とともにクラッチがうまく切れなくなったとのことで搬送されました。 この車両は以前クラッチオーバーホールをしているためクラッチ本体に関するトラブルは考え辛いです。作業内容リンク クラッチペダルを踏むと完全に節度がなくなっている感じではないので、油圧の抜けは考えづらいですし実際にどこからも漏れていませんでした。 ペダルを踏み込むと何かフアフアした感じがしますのでペダルをのぞき込むとそこに答えはありました。 クラッチペダルの金属製ブラケットが破断してしまっています。 ペダルを支え ...

続きを見る

アルファロメオ ジュリエッタ 走行不能

アルファロメオ ジュリエッタ1.4 TCTの警告灯が点灯して走行できなくなったので診て欲しいとのご依頼、しかし動かない状態でしばらく放置してしまい今はエンジンも掛からないとの事。 ※TCT:アルファロメオのトランスミッションシステムの名称で、乾式DCTタイプのデュアルクラッチ自動変速システム 自動車保険のロードサービスを使用して搬送するように依頼いたしました。   入庫時はバッテリーが上がってしまいエンジンもかからない完全不動状態で搬送されてきました。 エンジンが掛かっていた時にTCT警告灯が付 ...

続きを見る

スズキ ハスラー(MR41S) CVTフルード交換

スズキ ハスラー(MR41S) CVTフルード交換のご依頼です。 CVTオイルパンを取り外して内部のストレーナも含めての交換がご希望です。 走行距離8万㎞台でかなり鉄粉が磁石に吸着しています、オイルパンを外して交換して正解です。 このトランスミッションには、これ以外にオイルフィルターも装着されているので忘れないようにしなければなりません。 真っ黒になったフィルターとフルードを見るとやはり交換の必要性を感じます。 しかしこの自動車メーカーではCVTフルードは無交換という案内をしているからなのでしょうか?フィ ...

続きを見る

灯火類の進化と憂鬱

自動車に使用される灯火類は周りに自車の存在を知らせたり、これからどのようなアクションをするかを知らせる非常に重要な役割をします。 昔から役割自体に大きな違いはありませんが発光体の種類が最近では大きく変化してきました。 従来はこのようなフィラメントを使用した電球を使用していました。 少し進化したものでフィラメントを使用しているもののハロゲンガスで光が強くなったものもあります。 どちらもフィラメントを使用しているという意味で熱エネルギーを光源とする種類になります。   しかし最近は熱エネルギーを光源 ...

続きを見る

アルファロメオ ジュリア ディーゼル PMセンサー故障

アルファロメオ ジュリア 2.2ディーゼル(952) エンジンチェックランプが点灯しているとの事で診断機で故障コードを読み出します。 P24D1 微粒子状物質センサー再生が終了しない このようなコードを検出しました。 微粒子状物質センサー(Particulate matter senser)とは一般的にPMセンサーと呼ばれるもので、排気ガス中の非常に細かな微粒子状物質をモニターするためのセンサーになります。 よく天気予報でPM2.5予報というものを聞きますが微粒子が2.5μm以下(μmは1/1000mm) ...

続きを見る

アウディ A7(4G) ACCエラー

アウディA7(4G) メーター内にACC関係のエラーが出ているとの事。 ACCとはアダプティブクルーズコントロールの略で様々な運転支援の総合名称でカメラを使用して前方車両との間隔を保ったクルーズコントロールや衝突回避などを行うシステムになります。 診断機にて故障コードを読み出すと U111300:エラー値受信による機能制限 上記故障コードを検出しました。 どうやらこのシステムではフロントカメラ内部の基盤故障でこのような故障コードを検出することが多いそうで、お客様自身も情報を把握しており物は試しで中古のカメ ...

続きを見る

MINI(F56)DCTフルード交換

MINI(F56) ミッションオイルに関するインフォメーションが出てディーラーに相談したら"交換しないと壊れる"と言われ怖くなり連絡が来ました。 確かにこのインフォメーションでは怖くなります。 この車両はDCTタイプのトランスミッションを採用しており、自動車メーカーでは定期的な交換を推奨するようになったようです。 当社ではこのフルードに対しての適合するオイルの中で一番リーズナブルなタイプを使用する分フラッシングすることをお勧めしました。 フルード交換自体はシンプルな作業で規定温度でオーバーフローさせて完了 ...

続きを見る

アルファロメオ ジュリア ヴェローチェ 車検整備

アルファロメオ ジュリア ヴェローチェのご入庫 車検整備のご依頼を受けました。 走行距離は3万㎞台ですのでそれほどメンテナンスの必要性はなさそうです。 エアクリーナー 写真ではきれいに見えますがかなり汚れています。 ブレーキは前輪のパッド残量はまだまだあるのですが後輪のパッド残量が少ないため交換です。 現代の車両は後輪ブレーキで車両姿勢などを細かく制御するため前輪よりも後輪のほうが減りが早い車両が増えてきました。   エアコンフィルター 1年もしくは長くても2年で交換です。 最後に光軸を測定・調 ...

続きを見る

年末年始休業日のお知らせ

年末年始は、28日(土曜日)から5日(日曜日)は休業させて頂きます。

続きを見る

-故障修理・整備, トヨタ

© 2025 増高自動車工業有限会社