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ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備 フォルクスワーゲン

VW ティグアン(5N) オーバーヒート

VW ティグアン(5N)のご入庫

オーバーヒートを起こしてロードサービスで搬送されてきました。

エンジンルームを見ると大変なことが起きています!

 

冷却水のリザーブタンクが吹っ飛んでいるではないですか!

内部からの圧力や熱のすごさを物語っています。

オーバーヒートの起きた状況を詳しく聞き出し、オーバーヒートを起こしてからの対処をお聞きすると思ったよりも重篤な状態では無いと感じました。

その理由として、
①走行後、駐車場でアイドリングをしている時にすごい音とともに蒸気が噴き出た。
②エンジンは止めてすぐに水を補充した。
③水を補充した後はほとんど動かしていない。

とのことなどで走行中で無かったことや冷却水が無い状態での空焚き状態は回避出来ているのではないかと思われました。

とはいえオーバーヒートは重大な故障なのには変わりありませのでまず破裂したリザーブタンクを交換して冷却水に正常な圧力が掛かった状態で、オーバーヒートの原因とエンジンへのダメージを診るということになりました。

 

このリザーバタンクは国産車の様に圧力が掛からないタイプと違い、ラジエータと同様に圧力が掛かるタイプですので元々耐圧性のあるものになっています。

オーバーヒートして内圧が高まったとしてもキャップがリリーフバルブになっているのである一定以上の圧力は開放するようになっています。

このように破裂することは稀で、キャップが故障し過剰な圧力を逃がせなかったり、リリーフが間に合わないくらい内圧が急上昇したことなどが考えられます。

当然タンクの経年劣化も耐圧性能低下の原因のひとつです。

 

新しいタンクに交換して注意深く点検をします。

特に冷却水漏れは見当たりませんし電動ファンも正常に作動していてオーバーヒートする気配すら感じられません。

 

診断機を当てて故障コードを読み出してみます。

すると電動ファンに関する故障コードを検出していました。

電気的に異常を起こした形跡がありますので電動ファンに注視して観察します。

すると、電動ファンを回すために13%ほどモーター制御が掛かっているにもかかわらず実際には電動ファンが回らない状態が起きました。

当然水温は上昇してさらにファンを回すための制御が大きくなると電動ファンは回り始めたのです。

これは以前、ボルボV70でも同様の故障事例としてご紹介していますがほぼ同じ状態です。故障事例リンク

電動ファンモーターの劣化による負荷増大かアンプの故障ですので、ファンを交換することになりました。

 

この車両には電動ファンは2基搭載されますがメインのファンにはアンプも一体になっていますのでファン交換とアンプ交換はおのずと同時交換になります。

交換は2基セットで行います。
どちらの電動ファンが壊れても酷暑の状態では命取りになりますし、使用頻度もほとんど変わりがありませんので寿命も同等と考えるからです。

交換後は微弱な制御時でも止まることなく正常にファンは作動するようになりました。

 

オーバーヒートはこの電動ファンが回らなくなったことで起きたので間違いありません。

そのオーバーヒートによって劣化が進んだリザーバータンクは耐圧性能が低下していたため破裂を起こしたのです。

 

従来の電動ファンはHI/LOの様に2段階などでONかOFFでコントロールしていましたが、アンプで制御される現代車ではモーターに掛かる電気をパーセントでデューティ制御します。

細かく電動ファンの回転をコントロールすることが出来るので電力の無駄使いも少ないですし、高速に回るファンの騒音なども防ぐことができます。

しかし微弱な電気で回そうとしたときに劣化が進みすぎ抵抗が大きくなったファンモーターは回らなくなりトラブルを起こします。

初期の段階では大きな制御電圧になれば回るので、気が付かないことが多い故障となりますがわずかなオーバーヒートが弱い部分を破壊するとこのようなことが起きます。

 

 

 

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