栃木県宇都宮市の整備工場
TEL 028-656-2588
月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

ご注意

ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備 BMW

BMW X3(F25)エンスト

BMW X3(F25)

走行中突然エンジンが止まってしまいクランキングし直してもエンジンが掛からないとのご連絡

クランキングは勢いよく出来るようなのでバッテリーなどには問題なさそうです。

電話でいろいろ指示して試しましたが掛からないようなのでレスキューを手配することになりました。

しばらくして積載車で運ばれてきましたが、その時には正常にエンジンが掛かるようになっていました。

診断機で故障コードを読み出してみると
・11A002 高圧燃料妥当性:圧力が低すぎる
・481B01 制御電圧EPKSが低すぎます
このような故障コードを検出しました。

どちらも燃料に関するトラブルですのでエンジンにうまく燃料が供給できないことでのトラブルのようです。

次に故障コードを読み解いていきます。

このエンジンは直噴エンジンですので高圧燃料ポンプがありその高圧燃料圧力が低いという故障コードをまず拾っています。

次にEPKSの制御電圧のエラーですがEPKSとは何なのでしょう?

EPKSはBMWの呼び名でフューエルポンプコントロールモジュールのことで燃料タンク内の燃料ポンプをコントロールする役目を担っています。

燃料タンク内の燃料ポンプでエンジン側の高圧燃料ポンプに燃料を送りますので、ここがうまく燃料を送れなくなれば高圧燃料圧力も低くなってしまいますので燃料タンク側の燃料ポンプの作動に問題があると判断するのが有力です。

EPKSは後席の座面下に取り付けられています。

エンジンが掛かる状態でEPKSをしばらく観察しているとエンジンがすとんと止まってしまいました。

その時EPKSは触れないほど高温になりタンク内の燃料ポンプの作動音もなくなりました。7湯

ここまで高温になるのはおかしいです、内部基盤の故障で高温になりEPKSが作動できなくなる可能性がありますのでEPKSを冷やしてみるとやはりエンジンが掛かるようになりました。

EPKSが熱くなるとエンジンは止まってしまい冷やすと掛かるようになる状態ですので間違いなくEPKSの故障と判断することが出来ました。

新しいEPKSに交換して作動を確認しようとすると今度は新たな故障コードが出てきました。

コーディングが出来ていないと車両側が訴えてきています。

どうやらこの部品の交換にはコーディングが必要で診断機を使用して新しいEPKSに交換したというデーターの移植のような作業を行います。

この作業は診断機が無いと不可能です。

コーディング作業も完了するとEPKSもわずかに温かくなりますが触れないほどの熱さにならずエンストも解消しました。

 

故障したEPKSを分解してみると基盤の土台は分厚いアルミ材ですので、ヒートシンクを兼ねているのではないかと思われます。

 


基板上の部品が故障により発熱量が大きくなりすぎ、ヒートシンクで熱を捨てる限界を超えてしまい作動不良に至り燃料ポンプの電流コントロールが出来なくなったと思われます。

 

しかしこのような部品ひとつも交換するのにコーディングが必要になること自体が非常に直し辛いとつくづく感じる時代になりました。

今回は当社の診断機でコーディングすることが出来ましたが、対応したものが無い場合は原因がわかり部品交換が出来たとしてもコーディングするためだけに純正診断機を持つディーラーのお世話にならなければなりません。

故障探求よりも非常に頭の痛い問題です。

栃木県宇都宮市の整備工場月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

MASUTAKAブログ最新情報

いすゞ エルフ(NJR85)DPD分解洗浄①

いすゞ エルフ(NJR85)のご入庫 DPDの堆積限度を超えてそのたびに対策していましたが(事例リンク)いよいよ強制再生もできなくなってしまいました。 正常な状態ですとDPDの差圧が大きくなるとススで詰まっていると判断して自動的に強制再生が始まります。 しかし、"強制再生を無視したり" "使用過程の不利な癖"などで詰まりが解消しないことが続くとエンジンチェックランプを点灯させてフェイルセーフを掛けます。 ※フェイルセーフはメーカーによって条件や作動の仕方は変わります。   こちらの車両、チェック ...

続きを見る

FIAT パンダⅢ(312)ダブルマスフライホイール破損

FIAT パンダ(312)のご入庫 ディーラーでダブルマスフライホイールの故障を指摘されて当店にいらっしゃいました。 まだ走行できる状態でご入庫されましたがエンジン振動が大きいのとデュアロジックシステムもエラーが出てギア抜けを起こしたそうです。 ディーラーで診断済みとの事ですが、当店でもディーラーでの診断結果と実車を確認した上で同様の診断結果となりダブルマスフライホイールの故障が起きていると判断しました。 基本はクラッチオーバーホールと同様の作業になりますのでトランスミッションを取り外してクラッチを点検し ...

続きを見る

MINI クーパーSDクロスオーバー(R60) チャージランプ点灯

MINI クロスオーバークーパーSD(R60)のご入庫 チャージランプが点灯するとの事。 チャージランプとはバッテリーの形をした警告灯ですがバッテリーの良否を表示しているわけではなく充電系統に異常があることを警告するランプになります。 充電系統のカナメである発電機であるオルタネータを点検すると何やらゴムカスのようなものがベルト周りに多数飛び散っているのがわかりました。 このディーゼルエンジンでよく起こる不具合の可能性があります。 結果として予想通りクランクプーリーのダンパーゴムが剥離したことでプーリー自体 ...

続きを見る

シトロエン C3 納車整備?

シトロエン C3のご入庫 中古で購入したこちらの車両、購入時車検を取ったうえで納車されたようですがブレーキが無いように見えるので点検してほしいとのご依頼。 走行距離4万㎞台なのでそれほど傷みはないかと思われますが、ブレーキを簡単にチェックするとフロントブレーキパッドがほとんどありませんしブレーキディスクローターの摩耗も激しいのがすぐにわかりました。 車検は購入時に取っているがちゃんとした整備が行われていないようですので当社で法定点検を行いリセットの意味で全体をメンテナンスを含めた点検整備行うことになりまし ...

続きを見る

メルセデスベンツ CLA180 エアバック警告灯点灯

メルセデスベンツ CLA180 メーター内にエアバックの警告灯が点灯したとのこと 診断機にて故障コードを読み出します。 B005013 運転席シートベルトバックル機能障害・断線 このようなエラーコードを検出しました。 シートベルトバックルとはシートベルトを装着するときに差し込む部分のことで、この部分の機能障害を訴えてきました。 バックルアッセンブリーを交換します。 交換後はエラーの検出も収まりました。   従来からシートベルトバックルにはシートベルトをしないと警告灯や警告音を発報するスイッチが内 ...

続きを見る

FIAT 500L ツインエア ドックボーンマウント切れ

FIAT500Lの車検でのご入庫 500Lは正規での日本未導入車両で、こちらは500Lのツインエア搭載モデルになります。 車検整備はいつも通りの内容ですが点検時交換必要か所を発見しました。 エンジン下部にあるエンジンマウントですが切れてしまっていてエンジン全体が前後に大きく動いてしまっている状態です。 ドックボーンマウントなどと呼ばれるロアマウントになります。 FF車ではこのように下側でエンジンの動きを抑制するマウントは良く採用されています。 交換が必要ですが並行車両なので日本国内で部品の流通が無いため海 ...

続きを見る

ルノー ルーテシアⅢ(クリオ)エンジン掛からない

ルノー ルーテシアⅢ(クリオ) エンジンが掛からないとのことで搬送されました。 症状が起きた時のシチュエーションをまとめます。 ・マニュアル車でギアを入れたたままでクラッチを踏まずにクランキングをしてしまった。 ・その直後からクランキングが出来なくなった。 ・ジャンピングをしてもうんともすんとももいわない。 ・メーターの表示も作動せず黒いまま 上記状態で搬送されましたので、車両の状況を確認していきます。 ・キーを回してもメーターの作動は無くスターターモーターも全く反応していない状態。 ・バッテリーの測定値 ...

続きを見る

年末年始休業日のお知らせ

年末年始は、28日(日曜日)から4日(日曜日)は休業させて頂きます。 10.11.12.18.25日も休業となります。      

続きを見る

整備の質

以前から時折見かけてはいましたが最近あまりにも多いブレーキドラムの給油方法。 雑すぎる給油が気になって仕方がありません。 ドラムブレーキのドラムを外すとこのようになっています。   写真ではよくわからないかもしれませんがグレー色のモリブデングリスを塗りたくっています。 金属部分同士がこすれる摺動部分に給油が必要なのですが、必要個所以外にもグリスが大量に付着していて、バックプレートなどは全体にわたってグリスが付着しています。   関係のない所にもたくさん付着しています。 グリスの付着具合から当社で ...

続きを見る

ホンダ ステップワゴン(RP3)安全支援システムエラー

ホンダ ステップワゴン(RP3) メーターに警告が次々出てくるとのこと。 警告灯の内容から安全支援システムに絡む故障が起きているようです。 診断機を使用して故障コードを読み出します。 P3000-49 マルチパーパスカメラ内部故障 カメラの内部故障を検出しています。 安全支援システムのカナメであるカメラの故障を検出したため安全支援システムのそれぞれの機能に対する警告灯が次々と出てきたのです。 カメラを交換 新品のカメラを付けなおしただけではこのようなエラーが出てしまいます。 エーミングが終わっていないとい ...

続きを見る

-故障修理・整備, BMW

© 2025 増高自動車工業有限会社