フィアット500

走行中に激しい車体の横揺れが起きるとの事でレッカー搬送されました。
走行テストを行うと20㎞/h位から横揺れが始まり40㎞/h以上は怖くてスピードを上げられない状態です。
リフトで車両を持ち上げて手で車輪を回しても特に変な感じはしません。
そこでエンジンで車輪を回すと先ほどの振動が出始めエンジンも激しく横に揺さぶられます!
エンジンマウントなどを疑いましたがエンジン側のマウントは最近交換しています。
残りの2か所のマウントも切れかかっていたので交換しましたが揺れは収まりません。



そうなると車軸に関連する振動のようなのでドライブシャフトに異常があることが濃厚です。
左から振動を強く感じるので左のドライブシャフトを中古品と入れ替えてみると先ほどの揺れが嘘のように収まりました。


ドライブシャフト自体に何かが起きているのでブーツを外してジョイントを点検するとそこに答えがありました。
これはインポート側のトリポード型CVジョイントです。


これは摺動式CVジョイントでサスペンションが上下したときにドライブシャフトの長さが変わるのを摺動させることで吸収します。
しかし何らかの理由でローラーが外れたため伸縮摺動が出来なくなったことで、ドライブシャフトの伸び縮みを吸収できなくなりパワートレインを大きく揺さぶったのです。
駆動力を伝える重要な部品でこのような重篤な故障は稀でなぜ起きたのかがわかりません。
そこでユーザーに不具合が起きた経緯の話を聞くと、数日前に路面の陥没穴に左前輪を落としてかなりの衝撃を受けていたということでした。
その時は何も起きなかったのでそのまま走行していたが、数日後少し路面の悪い所を走行した後で症状が起き始めたということでした。
おそらく陥没路に落ちたときにCVジョイントに大きな衝撃が加わりローラーを止めている加締めに損傷が起きたと思われます。
それが数日後少し荒れた路面を走行した際に加締めが破断してローラーが外れたようです。
ドライブシャフトがここまで大きく壊れることは事故のような大きな衝撃が加わらなければ起きないのですが今回の陥没路への脱輪はそれに匹敵する衝撃を与えたと思われます。