FIAT 500L(199)

デュアロジック警告灯が点灯して走行できなくなったとのこと。
診断機にて故障コードを読み出します。
クラッチのストロークエラーを検出しました。
走行距離からしてクラッチの摩耗が考えられますがそれ以外にも何かが起きているのかもしれません。
しかしこの車両の場合並行輸入車のため日本国内ですべての部品を調達することは難しいです。
一度の修理で済むようにクラッチに付随する部品全般を海外からの取り寄せ分も含めてすべて用意の上作業に着手します。
ミッションを取り外してクラッチを取り外します。


クラッチディスクは走れなくなるほどの摩耗ではありません。


クラッチレリーズベアリングとレリーズシリンダーが一体になったセントラルスレーブシリンダーというタイプになりますが、この車両の場合デュアロジックと呼ばれるAMTミッションのため、さらにクラッチストローク量をモニターするセンサー付きとなります。

クラッチディスク自体の摩耗は限界に達してはいないようですが少し気になるところがあります。

ストロークセンサーに何かこすれた形跡があります。
ここに当たりそうな部分を探すとありました!
これはクラッチカバーのダイヤフラムスプリングですがわずかに擦れた跡が見られます。

こんなところがほかの部品に接触するということはあまり考えられませんがクラッチが摩耗することでスプリングが立って当たってしまったのかもしれません。
ここがわずかに擦ったことでことで今回のエラーが出たわけではないのですが、そこまで摩耗したことでストロークセンサーの数値も限界値を表したとも言えます。
その他にもレリーズベアリングにもゴロゴロ感は出ていますのでベアリング自体も限界が近かった思われます。
新しいクラッチセットやベアリングユニットに交換していきます。


フライホイールを外したところでエンジンリヤオイルシールを交換

フライホイールも平面研磨を行い初期なじみをよくしてジャダーを防ぎます。


このようなことで交換できるところはすべて交換を進めた上で最後にキャリブレーションをして作業終了です。
基本的に正規に輸入されていない車両(平行輸入車)は、ディーラーで診てもらうことが出来ないため避けられることが多いのですが日本の法規上問題が無ければ国内を走行することは何の問題もありません。
しかしこのように部品交換を伴う整備を必要としたときに部品の調達に時間が掛かる事や調達先などに問題が生じることがネックになります。
それでも日本に導入されていない車両を乗りたい場合は、それを見てくれる整備工場と普段からしっかりとしたお付き合いが必要ですが、技術的なことなどよりもこれが一番難しいことかもしれません。