栃木県宇都宮市の整備工場
TEL 028-656-2588
月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

ご注意

ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備 つぶやき イタリア車 ドイツ車

欧州車のタイミングベルト交換サイクルとは

突然ですがタイミングベルトの交換時期をご存知ですか?

よく”いつが交換時期ですか?” ”10万キロ達してないから大丈夫ですよね”と聞かれることが多いのですが・・・

欧州車のタイミングベルト交換サイクルに関しては、欧州自働車メーカーによって指定交換時期は多少違いますが、国産車とは考え方が大きく違いますので注意が必要です。

国産車では10万km走行ごとに交換というのが主流で時期の指定はほぼありません。(本当は時期も大変重要なのですがメーカーが指定していないだけです。)

しかし、欧州自働車メーカーでの推奨換サイクルは距離と時期で指定があるのと、その交換指定時期以前でも点検が必要で、点検をして悪ければ時期前でも交換をするようになっていることが大きく違います。

IMG_20160125_205858

上の表はアルファロメオ147TSのメーカー推奨点検スケジュールです。

タイミングベルトに関しては2万km毎の点検C3年もしくは10万km走行のいずれかが到達した時点で交換Rが推奨になっています。

点検Cは交換しなくてよいという意味ではなく”点検して悪ければ交換してください。”という意味で、 交換時期Rは指定距離・時期に達した場合は交換してくださいという意味なのです。

しかし、点検といっても、ベルトと一緒に回っているプーリーやウォーターポンプは目視での判断は非常にむずかしいです。(ベルトを外さないとわかりづらいし外したなら交換してしまったほうが良いです。)プーリーやウォーターポンプが不良でベルト切れの原因になることも非常に多いのです。

欧州車全般に言えることにタイミングベルト自体が原因で切れてしまうというよりもプーリーやウォーターポンプが原因で切れてしまうことのほうが多いということです。

このように樹脂で出来ている部品が割れてしまったり、ベアリングが悪くなり焼き付いてしまうことが交換サイクルを早くしなければならない大きな原因のひとつです。

こんな事例もあります。VWポロ ウォーターポンプ漏れ

             VW ゴルフ ウォーターポンプフィン 割れ

 

ベルト切れ=エンジンブローとなる大変重要な部品ですので、当店ではフィアットグループの車両に関しては4年/4万kmごとの交換をおすすめしてしています。

実際4万km以前に切れてしまったということもありました。しかしそのような事例はベルト以外の要因で起こることが多く、メンテナンス不良が大きく影響していました。

 

以下のようなことが寿命を縮める要因になりますので注意が必要です。

・エンジンオイルの交換サイクルが長い →エンジン内部のフリクションが増えベルトに負担が掛かる

・エンジンオイルの交換サイクルが長い →漏れたオイルがベルトに付着して寿命を縮める

・冷却水の交換サイクルが長い     →漏れた冷却水がベルトに付着して寿命を縮める

・エンジン始動直後の高負荷運転    →ベルトの柔軟性不足時の無理な動作

・乗らなさすぎ            →ベルトの柔軟性不足・止まった状態での固着変形

 

以上のことは国産・輸入車問わず気を付けることで少しでもトラブルを防ぎ安心して乗る手立てにもなります。

 

以前の記事でAUDI TT2.0のタイミングベルト交換を書きましたが、この車両に関してもメーカーでは”4年もしくは18万km走行時期での交換”と記載されていますが日本での走行を考えると18万km走行はあまり現実的ではないので4年という時期を優先して点検・交換をすることがおすすめとなります。

渋滞にいつもはまるような使い方やアイドリングが長いなどでは、距離が伸びなくてもエンジンは多く回る場合もありますし、逆にほとんど乗らない方などは、エンジンが回らない状態で放置されていますのでゴムでできているベルトには大変な負担になります。

ですので、自動車メーカの設計(考え方)の違い(交換推奨距離・点検時期など)や時間・距離・点検(使われ方)を組み合わせて適切な交換サイクルを見つけ出さなければなりません。

そのためには経験豊富な整備士のアドバイスが有効になると思います。

ご心配な方ぜひ相談して下さい。

栃木県宇都宮市の整備工場月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

MASUTAKAブログ最新情報

営業時間、営業日のお知らせ

2025年4月より第2土曜日を休業日とさせていただきます。 4月以降の休業日は、日曜、祝日及び第2土曜日となります。 ご不便をお掛け致しますがよろしくお願いいたします。 なお営業時間は、平日は9時から18時 土曜日は10時から18時となります。 お預かりおよびご返却に関しては上記以外のタイミングも可能ですので要ご相談とさせていただきます。 よろしくお願いいたします。

続きを見る

BMW X5(F15)エアサスペンション パンク

BMW X5(F15)のご入庫 走行中、何か後輪がゴツゴツする感じがするとのこと。 原因は一目瞭然このような姿勢になっていればゴツゴツするのも当然です。 車体後部が大きく下がってしまっています。 これはエアサスペンションがパンクしてしまっているため空気バネであるベローズ(エアスプリング)がつぶれてこのような姿勢になっているのです。 ベローズはこのような形をしていて一見するとなにもおかしな感じはしません。 これは一番縮んだ状態ですので圧搾空気を送り込むとこれだけの長さになります。 折れ曲がっていたところに細 ...

続きを見る

BMW750(E65) パーキングブレーキユニット破損

BMW750(E65) 電動パーキングの警告灯が点灯してパーキングブレーキが掛からないとのこと。 現在、電動パーキングブレーキは軽自動車なども含めて多くのモデルで採用されていますが、この車種の時代では一部の上位モデルで採用され始めた時代のものになります。 電動モーターユニットがトランク内にありモーターが回りギアを回してワイヤーを引いて後輪のキャリパーを聞かせてブレーキするシステムになっています。 しかしユニット内部の歯車が破損してしまうことで作動できなくなるというトラブルが起きます。 実際ユニットを外して ...

続きを見る

VW アルテオン フューエルフィラーリッド開かない

VW  アルテオン 給油口が開かないとのことで入庫しました。 この車両はフューエルリッドに電磁ロックがかかるようになっているのですが解除できません。 正常な状態はリッドを軽く押すとこのように開くようになっています。 https://masutaka.co.jp/images/VID_20250125_103118.mp4   電磁ロックはアクチュエーターで作動させますが、アクチュエーターが悪くうまく作動しないというトラブルは比較的多く、アクチュエーター付近を叩いたりすることで動いてくれることが多いのですか ...

続きを見る

”直前直左視界確認”ご存知ですか?

自動車の法律保安基準の中に”直前直左視界確認”の項目があることをご存知でしょうか? あまり聞きなれない言葉かもしれませんがSUVなど車高の高い車両で、背の低い子供が車両の直前や直左(助手席下部)の死角に入ると見えず危険な事故につながります。 そこで車両直前や運転席反対側死角になる部分を運転手が確認することが出来るようにしなさいという法律になります。 法律的に平成19年1月以降の製作車両に取り付け義務が施行されています。 一般的にこのようなミラーが多くデザインがイマイチでかっこ悪いと思われて取り外す方もいら ...

続きを見る

BMW 420グランクーペ(F36)ヘッドライト内LEDスモール不具合

BMW 420グランクーペ(F36) ヘッドライト内部のスモールリングが黄色く薄暗いとの事。 点灯していないわけではありませんが黄色く暗いです。 この車両はLEDで点灯させているのですがヘッドライトユニットの上部にLEDのスモールランプユニットがあるため外すとそこに原因がありました。 LEDチップ周辺が焦げた感じになっています。 LEDの相手になるスモールランプのリングはこのように焦げて溶けてしまっています。 スモールランプはリング状に光るのですがその末端にLEDの光を入力することでリング全体が光ファイバ ...

続きを見る

マツダ RX‐8 クラッチが切れない意外な原因

マツダ RX‐8 バキンという音とともにクラッチがうまく切れなくなったとのことで搬送されました。 この車両は以前クラッチオーバーホールをしているためクラッチ本体に関するトラブルは考え辛いです。作業内容リンク クラッチペダルを踏むと完全に節度がなくなっている感じではないので、油圧の抜けは考えづらいですし実際にどこからも漏れていませんでした。 ペダルを踏み込むと何かフアフアした感じがしますのでペダルをのぞき込むとそこに答えはありました。 クラッチペダルの金属製ブラケットが破断してしまっています。 ペダルを支え ...

続きを見る

アルファロメオ ジュリエッタ 走行不能

アルファロメオ ジュリエッタ1.4 TCTの警告灯が点灯して走行できなくなったので診て欲しいとのご依頼、しかし動かない状態でしばらく放置してしまい今はエンジンも掛からないとの事。 ※TCT:アルファロメオのトランスミッションシステムの名称で、乾式DCTタイプのデュアルクラッチ自動変速システム 自動車保険のロードサービスを使用して搬送するように依頼いたしました。   入庫時はバッテリーが上がってしまいエンジンもかからない完全不動状態で搬送されてきました。 エンジンが掛かっていた時にTCT警告灯が付 ...

続きを見る

スズキ ハスラー(MR41S) CVTフルード交換

スズキ ハスラー(MR41S) CVTフルード交換のご依頼です。 CVTオイルパンを取り外して内部のストレーナも含めての交換がご希望です。 走行距離8万㎞台でかなり鉄粉が磁石に吸着しています、オイルパンを外して交換して正解です。 このトランスミッションには、これ以外にオイルフィルターも装着されているので忘れないようにしなければなりません。 真っ黒になったフィルターとフルードを見るとやはり交換の必要性を感じます。 しかしこの自動車メーカーではCVTフルードは無交換という案内をしているからなのでしょうか?フィ ...

続きを見る

灯火類の進化と憂鬱

自動車に使用される灯火類は周りに自車の存在を知らせたり、これからどのようなアクションをするかを知らせる非常に重要な役割をします。 昔から役割自体に大きな違いはありませんが発光体の種類が最近では大きく変化してきました。 従来はこのようなフィラメントを使用した電球を使用していました。 少し進化したものでフィラメントを使用しているもののハロゲンガスで光が強くなったものもあります。 どちらもフィラメントを使用しているという意味で熱エネルギーを光源とする種類になります。   しかし最近は熱エネルギーを光源 ...

続きを見る

-故障修理・整備, つぶやき, イタリア車, ドイツ車

© 2025 増高自動車工業有限会社