突然ですがタイミングベルトの交換時期をご存知ですか?
よく”いつが交換時期ですか?” ”10万キロ達してないから大丈夫ですよね”と聞かれることが多いのですが・・・
欧州車のタイミングベルト交換サイクルに関しては、欧州自働車メーカーによって指定交換時期は多少違いますが、国産車とは考え方が大きく違いますので注意が必要です。
国産車では10万km走行ごとに交換というのが主流で時期の指定はほぼありません。(本当は時期も大変重要なのですがメーカーが指定していないだけです。)
しかし、欧州自働車メーカーでの推奨交換サイクルは距離と時期で指定があるのと、その交換指定時期以前でも点検が必要で、点検をして悪ければ時期前でも交換をするようになっていることが大きく違います。
上の表はアルファロメオ147TSのメーカー推奨点検スケジュールです。
タイミングベルトに関しては2万km毎の点検Cと3年もしくは10万km走行のいずれかが到達した時点で交換Rが推奨になっています。
点検Cは交換しなくてよいという意味ではなく”点検して悪ければ交換してください。”という意味で、 交換時期Rは指定距離・時期に達した場合は交換してくださいという意味なのです。
しかし、点検といっても、ベルトと一緒に回っているプーリーやウォーターポンプは目視での判断は非常にむずかしいです。(ベルトを外さないとわかりづらいし外したなら交換してしまったほうが良いです。)プーリーやウォーターポンプが不良でベルト切れの原因になることも非常に多いのです。
欧州車全般に言えることにタイミングベルト自体が原因で切れてしまうというよりもプーリーやウォーターポンプが原因で切れてしまうことのほうが多いということです。
このように樹脂で出来ている部品が割れてしまったり、ベアリングが悪くなり焼き付いてしまうことが交換サイクルを早くしなければならない大きな原因のひとつです。
こんな事例もあります。VWポロ ウォーターポンプ漏れ
ベルト切れ=エンジンブローとなる大変重要な部品ですので、当店ではフィアットグループの車両に関しては4年/4万kmごとの交換をおすすめしてしています。
実際4万km以前に切れてしまったということもありました。しかしそのような事例はベルト以外の要因で起こることが多く、メンテナンス不良が大きく影響していました。
以下のようなことが寿命を縮める要因になりますので注意が必要です。
・エンジンオイルの交換サイクルが長い →エンジン内部のフリクションが増えベルトに負担が掛かる
・エンジンオイルの交換サイクルが長い →漏れたオイルがベルトに付着して寿命を縮める
・冷却水の交換サイクルが長い →漏れた冷却水がベルトに付着して寿命を縮める
・エンジン始動直後の高負荷運転 →ベルトの柔軟性不足時の無理な動作
・乗らなさすぎ →ベルトの柔軟性不足・止まった状態での固着変形
以上のことは国産・輸入車問わず気を付けることで少しでもトラブルを防ぎ安心して乗る手立てにもなります。
以前の記事でAUDI TT2.0のタイミングベルト交換を書きましたが、この車両に関してもメーカーでは”4年もしくは18万km走行時期での交換”と記載されていますが日本での走行を考えると18万km走行はあまり現実的ではないので4年という時期を優先して点検・交換をすることがおすすめとなります。
渋滞にいつもはまるような使い方やアイドリングが長いなどでは、距離が伸びなくてもエンジンは多く回る場合もありますし、逆にほとんど乗らない方などは、エンジンが回らない状態で放置されていますのでゴムでできているベルトには大変な負担になります。
ですので、自動車メーカの設計(考え方)の違い(交換推奨距離・点検時期など)や時間・距離・点検(使われ方)を組み合わせて適切な交換サイクルを見つけ出さなければなりません。
そのためには経験豊富な整備士のアドバイスが有効になると思います。
ご心配な方ぜひ相談して下さい。