栃木県宇都宮市の整備工場
TEL 028-656-2588
月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

ご注意

ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備 スバル

スバル アルシーネ(AX-9)オイル・冷却水漏れ修理②

前回に引き続きスバル アルシオーネ(AX-9)の冷却水・エンジンオイル漏れ修理のご案内です。

 

交換の際取り外したラジエータにも冷却水漏れがありました。

ドレンコックも劣化でポキです。

ラジエータを修理に出したところコアは劣化でピンホールが開いているので交換が必要で、サイドのタンクは片側はすでに樹脂から真鍮製に交換されていたが、残った側の樹脂タンクももう限界でなので真鍮作製するしかないとの事でしたのでタンク作成も含めてオーバーホールしました。

このくらいの年代から樹脂部品の採用が増えてきましたが、樹脂部品はこのように経年劣化で必ず壊れます、金属は作成しやすいですし傷むこともありますが再修理が比較的容易になります。

 

これで冷却水漏れ及びエンジンオイル漏れは解消したと思いますので、テストを続けていると左バンクのヘッドカバーからオイルが垂れてきます。

テストを繰り返しているとカムシャフト前面周りからのオイル漏れがあまりにも酷かったため、いままでわからなかった他のオイル漏れ箇所が見えてきました。

社外品のヘッドカバーパッキンを使用していましたが、このパッキンは現在入手困難なため丁寧に清掃してカーブ部分に液状ガスケットを塗布して組み付け治しました

シールワッシャはしばらく交換した感じはなく潰れていましたので新しいものに交換します。


ゴムの圧力でヘッドカバーを押さえるので、劣化して潰れてしまうと押さえる力が落ちて漏れやすくなります、実は重要な部品です。

次にエンジンのオイルパンからもオイル漏れが見つかりました。

取付ボルト部分からオイルがにじみ滴化しています。

オイルパンを取り外してパッキン部分を見てみるとコルクパッキンが潰れて切れてしまっていました。

新しいコルクパッキンに交換して組み付けます。

これらの一連の作業を行いオイル漏れ・冷却水漏れがようやく解消しました。

 

番外編で海外から予備で部品入手することが出来ていたディストリビューターのキャップとロータも交換します。

ディストリビューターはイグニッションコイルで発生したスパーク電圧をそれぞれのシリンダーに分配する役目をするのですが、キャップ内部でもローターとセグメント間でスパークして摩耗するので定期的に交換が必要な消耗部品となります。

エンジンに取り付けたままで外せるはずなのですが、長年触れていなかったようなのでディストリビューター本体ごと外して交換します。

ディスクローターとはこのように近づきスパーク電圧を分配します。

ディストリビューター本体には、今ではお目にかかることの出来ない光学式クランク角センサーが搭載されています。

当時はコンピューター自体が今ほど賢くなかったため、センサー自体に高精度検出が求められていました。
今はコンピューターが賢くなったためセンサーは昔ほど細かく検出しなくても済むようになりました。

細かなスリットが開いていてそこ通った光を読み取りエンジンのクランク位置や気筒判別を行っていました。

実物を見るとその細かさに驚きます。

若い世代の整備士ではディストリビューターはもちろんのこと、このようなセンサー自体実物を見る機会は少ないでしょう。

 

オートマチックトランスミッションのオイルパンも漏れがあったためガスケットの交換

マグネットに鉄粉がかなり付着しています。

綺麗にして組み付けます。

内部に残ったフルードは外付オイルクーラーで圧送交換します。

アイドリング回転の不安があるようですのでアイドルコントロールバルブとスロットルバルブを洗浄します。

アイドリング中はスロットルバルブをバイパスした空気をこのバルブで調整してアイドル回転数をコントロールしています。
中は結構汚れるので定期的な洗浄が必要です。

洗浄後

スロットルバルブ

洗浄後

今回、修理も含めて多くの整備を行いましたが、この時代の車両の部品入手は非常に困難で整備自体よりも部品探しの方が時間が掛かります。

当然部品があったとしても部品代も高くなりがちですし時間もかなり掛かります、そのような負担も含めてユーザーには覚悟が求められます。

この車両のオーナー様は大きな覚悟をしていただいたため、ここまでの修理を行うことが出来ました。

車両にとってもこちらのオーナー様に巡り合えたことは幸せなことだと思います。

 

栃木県宇都宮市の整備工場月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

MASUTAKAブログ最新情報

ミツビシ パジェロミニ(H56A)ブレーキペダルが重い

ミツビシ  パジェロミニ(H56A)のご入庫 ブレーキペダルが重くてかなり強く踏まないと止まらないのと、ブレーキを踏むとエンジン回転が上昇するとの事。 ブレーキペダルにはマスターバックと呼ばれる倍力装置が装着されており軽い踏力で強くブレーキが効くようになっています。 このマスターバックが壊れると倍力装置が働いていないわけですからかなり強く踏み込まない限りブレーキは効かず車両を止めるのは難しくなります。 次にブレーキを踏むとエンジン回転が上昇するという不具合ですが、これもマスターバックの故障に起因します。 ...

続きを見る

スマート フォートゥー ワイパーリンク脱臼

スマート フォートゥーのご入庫 ワイパーが動かない、何か前のほうから動いている音だけがするとの事 入庫時ワイパーアームは動きませんがワイパーモーターの作動音は聞こえるのでこの音のことをお客様はおっしゃっていたようです。 このような場合ワイパーモーターから先のリンクに異常があることがほとんどです。 分解していきます。 ワイパーリンクは隙間から見えていますが外すことはできません。   いろいろ外してようやくワイパーリンクを取り外しました。 リンクのジョイント部分がさびて外れてしまっています。 樹脂のブッシュが ...

続きを見る

トヨタ プリウスα(ZVW40) エンジンがガタガタする

トヨタプリウスα(ZVW40)のご入庫 エンジンチェックランプが点灯してエンジンがガタガタするとの事。 チェックランプが点灯しているので故障コードを読み出します。 ・P0401 EGR流量不足 を検出しています。 EGR(Exhaust Gas Recirculation)とは排気ガスの一部を吸気側に戻して最高燃焼温度を下げるなど行うシステムになります。 EGRガス流量にエラーがあると検出しました。 まずは排気ガス流量をコントロールするEGRバルブを取り外して点検します。 バルブが見事に開きっぱなしで固着 ...

続きを見る

ゴールデンウィーク期間の休業日のお知らせ

ゴールデンウィークは4月27日(日曜日)から5月6日(火曜日)の間お休みとさせていただきます。

続きを見る

VW シャラン ガソリン混入による空燃比エラー

VW シャランのご入庫 エンジンチェックランプが点灯して回転も不安定でエンストを起こしたそうです。 故障コードを確認すると空燃比リッチエラーを検出 空燃比とはガソリンと空気の割合のことでここを適正に制御することでエンジンをスムーズに回すカナメのものになります。 今回、リッチによるエラーということは、ガソリンが空気よりも多く濃い状態になったことを表しています。   ガソリンが濃くなってしまう症状を考えていかなくてはなりません。 燃料噴射装置であるインジェクターの不良や燃料圧力の適正値エラーなどが考 ...

続きを見る

営業時間、営業日変更のお知らせ

2025年4月より第2土曜日を休業日とさせていただきます。 4月以降の休業日は、日曜、祝日及び第2土曜日となります。 ご不便をお掛け致しますがよろしくお願いいたします。 なお営業時間は、平日は9時から18時 土曜日は10時から18時となります。 お預かりおよびご返却に関しては上記以外のタイミングも可能ですので要ご相談とさせていただきます。 よろしくお願いいたします。

続きを見る

BMW X5(F15)エアサスペンション パンク

BMW X5(F15)のご入庫 走行中、何か後輪がゴツゴツする感じがするとのこと。 原因は一目瞭然このような姿勢になっていればゴツゴツするのも当然です。 車体後部が大きく下がってしまっています。 これはエアサスペンションがパンクしてしまっているため空気バネであるベローズ(エアスプリング)がつぶれてこのような姿勢になっているのです。 この状態は後輪にバネが無い状態と同じですので路面からの衝撃がダイレクトに伝わりゴツゴツしてしまいます。 ベローズはこのような形をしていて一見するとなにもおかしな感じはしません。 ...

続きを見る

BMW750(E65) パーキングブレーキユニット破損

BMW750(E65) 電動パーキングの警告灯が点灯してパーキングブレーキが掛からないとのこと。 現在、電動パーキングブレーキは軽自動車なども含めて多くのモデルで採用されていますが、この車種の時代では一部の上位モデルで採用され始めた時代のものになります。 電動モーターユニットがトランク内にありモーターが回りギアを回してワイヤーを引いて後輪のキャリパーを聞かせてブレーキするシステムになっています。 しかしユニット内部の歯車が破損してしまうことで作動できなくなるというトラブルが起きます。 実際ユニットを外して ...

続きを見る

VW アルテオン フューエルフィラーリッド開かない

VW  アルテオン 給油口が開かないとのことで入庫しました。 この車両はフューエルリッドに電磁ロックがかかるようになっているのですが解除できません。 正常な状態はリッドを軽く押すとこのように開くようになっています。 https://masutaka.co.jp/images/VID_20250125_103118.mp4   電磁ロックはアクチュエーターで作動させますが、アクチュエーターが悪くうまく作動しないというトラブルは比較的多く、アクチュエーター付近を叩いたりすることで動いてくれることが多いのですか ...

続きを見る

”直前直左視界確認”ご存知ですか?

自動車の法律保安基準の中に”直前直左視界確認”の項目があることをご存知でしょうか? あまり聞きなれない言葉かもしれませんがSUVなど車高の高い車両で、背の低い子供が車両の直前や直左(助手席下部)の死角に入ると見えず危険な事故につながります。 そこで車両直前や運転席反対側死角になる部分を運転手が確認することが出来るようにしなさいという法律になります。 法律的に平成19年1月以降の製作車両に取り付け義務が施行されています。 一般的にこのようなミラーが多くデザインがイマイチでかっこ悪いと思われて取り外す方もいら ...

続きを見る

-故障修理・整備, スバル

© 2025 増高自動車工業有限会社