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トヨタ カローラバン(KE74)主治医の選択①

ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

トヨタ カローラバン(KE74)のご入庫

昨年、ディーラーで車検を受けようとしたが、”排気ガスが基準値をクリア出来ず合格しない”との事で整備を拒否されてしまい、どうしたらよいかと悩んでいる間に1年経ってしまったそうです。

知り合いの紹介で当店を知りご入庫となりました。

オーナー様とお話ししながらエンジンを掛けてみると、確かにかなりラフアイドル状態ですので不完全燃焼が起きて排気ガスがかなり汚いのは想像できます。

キャブレーターのお車ですのでキャブレータ周辺を簡単に点検していると見逃すことが出来ないものを発見しました。

インテーク/エキゾーストマニホールドを留めるボルトが無くなっています!

このエンジンはカウンターフローと呼ばれるインテークとエキゾーストマニホールドが同じ側にあるタイプで、このボルトはインマニとエキマニの両方を押さえる重要な役割をします。

当然ここが固定されていなければ、エキマニ側は排気漏れをおこし、 インマニ側は二次空気を吸いますので空燃比が合わないことで燃焼が上手くいかず回転は乱れます。

4番シリンダーのところですので4番プラグコードを外してパワーバランスを見るとやはり4番シリンダーの反応が弱くほぼ爆発していない状態でした。

ボルトは折れているのではなく脱落していたので新しいボルトで留め直してみますが、多少エンジン回転が安定しますが残念ながら他の部分からもエアを吸い込んでしまっているようなのでガスケットの交換が必要のようです。

同様の故障事例 リンク

 

インテークマニホールドのガスケットを交換する作業になりますが、お客様からエンジンオイルの消費も酷いと指摘がありましたのでついでにエンジンヘッドも見てみることにしました。

キャブレーターとマニホールドを取り外します。

何と!先ほどのボルト以外にも3番シリンダーのボルトも無くなっていました。

1・2番シリンダーのボルトもゆるゆるでインマニが外れるくらいでしたので、これでは2次空気を吸ってしまいエンジンの調子が悪いのは当然のことでした。

インマニを外してガスケット面をみるとかなり汚れが付着しているので、吹き抜けてここから空気を吸ってしまっていたのは間違いありません。

 

ここからはついでというには大きな作業ですが、エンジンオイル消費の改善とここまで異常が起きた状態でしたので点検も兼ねてエンジンヘッドをオーバーホールします。

燃焼室の状態ですが湿っぽいシリンダーとそうでないシリンダーに差がありますし、空燃比が薄かったためスパークプラグが焼けすぎてしまっています。

湿っぽいのはエンジンオイルですので燃焼室に侵入していたのは間違いありません。

ヘッド側でオイルを消費するのはバルブステムシールからのオイルの侵入で”オイル下がり”と言う症状になります。

バルブステムガイドにはオイルシールがありますので交換します。

出来れば腰下のブロックも分解したいところですがあくまでもエンジン不調の延長線の整備になりますのでピストントップの洗浄のみで、今回はヘッドのオーバーホールにとどめます。

洗浄後

ヘッドも洗浄して組み付けていきます。

ここが今回のメインの不具合箇所ですがインマニ自体はヘッドには4本のボルトで取り付けられるのですがその内2本は脱落してしまっていました。

組み付けて作業は完了と言いたいところですが、キャブレーターを調整しても初めの時よりは調子が良いのですがどうもしっくりいきません。

30年以上経ったお車、一筋縄ではいきません。こちらの故障探求は番外編にて つづく

新たな不具合箇所を交換後は、エンジンの回転も安定しましたしもちろん排気ガスも規定値を楽々クリアしています。

 

結果として少し大きな整備になりましたが、おおもとはインマニからのエアの吸い込みが原因でしたので決して珍しくも難しい故障ではありませんでした。

しかしそんなレベルの故障ですらディーラーでサジを投げられてしまったことにお客様は落胆していました、それは新車からずっとそこのディーラーで毎年車検*を受けていたからでした。
*貨物車両のため1年毎の車検

昭和61年(1986年)の車両ですのでかれこれ30年以上のお付き合いです。

ディーラーはあくまでも新車販売が主な仕事ですので古くなったお車はなかなか手に負えないのが実情ですし、コンピューター車になれた若い整備士はキャブレータと言うだけで拒絶反応を抱く者もいるようです。

残念ながら一定年数経った車両では、愛車を診てもらえる主治医を変更する選択をしなければなりません。

それは私もディーラーに勤めていたことがあり、ディーラーでの整備に限界があることが分かっているからこそ言えることなのです。

ディーラーでの整備に限界があることは、この車両にはエンジン以外にもまだ故障が潜んでいたことで手に負えなかったことがお分かりになるかと思います。

つづく

 

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