BMW X5(E70)車検でのご入庫
ご用命で2~3日駐車後に右後ろの車体が下がっていることがあり、エンジンを掛けると元に戻ることが気になるとのことでした。
一般的な金属バネを使用している車両ではこのようなことは起きませんがエアサスペンションを搭載してモデルではこのようなことが起きます。
この車両は前輪は金属バネ・後輪は空気バネを採用しています。
エアサスペンションはベローズと呼ばれる風船をバネとして使用しますが、このベローズはゴムでできているため空気が漏れてつぶれてくることで車体が傾きます。
右後輪が傾くとの事ですので車両下からベローズを重点的に点検します。
石鹸水を掛けると泡が出ることが多いのですがこの車両ではこの状態での漏れの確認はできませんでした。
しかし2日ほど駐車しているとやはり車体が傾きますのでベローズを外して点検してみることにします。
右が縮んだ状態・左は伸ばした状態、パッと見た感じでは大きな亀裂は見当たりません。
ベローズが伸びた状態で空気を入れて石鹸水を掛けます。
複数個所から石鹸水に泡が出ることを確認できました。
やはりわずかに漏れが発生していたのですがこの部分は車体に取り付けた状態だと織り込まれた奥のためを取付状態では確認することが出来なかったのです。
新しいベローズに交換して数日経っても姿勢に変化が起きないことを確認して作業終了となりました。
ベローズはゴムでできていることと常に伸縮を繰り返すことで擦れる部分が出来るためいつかは必ず漏れる部品です。
漏れ始めた場合、早めに対処しないと漏れた空気を補填するためエアポンプが過剰に働かされてしまうためポンプも壊れるという2次被害が起きることもあります。
エアサスペンション車両では車両姿勢も注意しなければならないポイントとなります。