ニッサン サファリ(Y60)のご入庫
以前紹介したエンストをしてしまうこちらのお車(整備内容ブログはこちら)、インジェクションポンプ修理と同時にエンジンマウントの交換のご依頼を受けました。
ディーラーでマウントが1ヵ所ダメになっているとのご指摘を受けたとの事でしたが、部分的にマウントを交換するよりは全部交換してしまったほうが良いことをお客様に伝えて全数交換することになりました。
※全体で支えているものは部分的に交換すると残ったところにさらに負担が掛かるため
縦置きエンジンのこのお車エンジン左右とトランスミッション左右の計4カ所のマウントで支えています。
まずはトランスミッションのマウントです。
後方から見るとこのように左右で斜めにして支えているのがわかります。
乗っかっていたマウントメンバーを外すとこのようになっています。
新品と比べると明らかにマウントゴムが潰れているのがわかります。
次にエンジンマウントで、こちらも 左右でミッション同様に支えています。
運転席側はインジェクションポンプの下側にありポンプからの軽油が掛かり少しふやけてしまっていました。
この軽油によるダメージをディーラーで指摘されたようです。
こちらも新品と比べるとかなり潰れているのがわかります。
助手席側です。
助手席側はかなり酷く潰れているのが新品と比べるわかります。
交換前はエンジン振動がかなり入ってきてブルブルと車体全体が振動していたのが交換後はすっかり解消され不快度はかなり解消されました。
エンジンとトランスミッションは何百kgにもなりますので長年支えてきたマウントが劣化して機能不足になるのは当然のことです。
またエンジンは回転反力によりかなりの力で左右に動きますので、左右で潰れ具合に差が出るのもお分かりになったと思います。
車両を引き渡しの際、エンジンを掛けてすぐに車体の振動が軽減したことに、お客さんは驚かれていらっしゃいました。
ちぎれたりしない限り車検などの検査対象にもなりませんので、劣化がかなり進んでいても使われたりすることが多いマウントですが、どの車両でも起こる劣化ですので永く乗り続けるのでしたらぜひ行っておきたいメンテナンスのひとつになります。