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故障修理・整備

修理方法の選択肢とは

エンジン・オルタネーター・エアコンコンプレッサー・ステアリングラック等細かな部品の集合体であるこのようなアッセンブリーパーツが故障した場合の修理方法には様々な選択肢があります。

①中古品で交換
②純正新品アッセンブリーで交換
③社外新品アッセンブリーで交換
④リビルト品で交換
⑤オーバーホールを行い不具合部分を交換する。

大まかには上記のような方法が選択肢に上がります。

それぞれにメリット・デメリットがあるため状況によって使い分けます。

 

今回はオルタネーターの発電不良を起こしたお車です。

症状はオルタネーター(発電機)が発電しなくなりチャージランプが点灯してエンストしてしまったという事例です。

症状が起きた原因はオルタネーターの発電不良というのはすぐにわかります、ではこの後どのような選択をして修理を行うかです。

それぞれ選択肢にはメリットとデメリットがあります。

①中古品で交換
 この方法のメリットは価格です。安く済ませるにはこの方法が良いのですが中古品ですのでどのように使われてきたかも不明ですし元々その部品が壊れやすいものでしたら当然また同じような故障が起きる可能性があります。

②純正新品で交換
 とにかく確実に直したいのであればこの方法が一番ですが部品の種類によってはとんでもなく高額なものになるのがデメリット。

③社外新品で交換
 新品なのに価格が安いのがメリットですがどこで製造されているかの見極めが重要になります。極端に安いものはメーカーによっては粗悪品だったりノーブランド品は保証すらついていないものもあり品選びが重要です。

④リビルト品で交換
 リビルトという言葉に聞きなじみがない方もいらっしゃると思いますが、リビルトとは中古品を再生したものです。
 傷まない部分(ケース等)は再使用して消耗する部分は新品に交換して組みなおしたうえでテスト(検査)を行い商品としたもので新品と同格の扱いになります。

⑤オーバーホールを行い不具合部分を交換する
 本来の修理という意味ではこれは一番正しいものになるのですが、コストなどの兼ね合いで現在は主流ではなくなってきています。

上記のようなメリット・デメリットが主なものになりますが、実際にオルタネーターを分解して故障原因を探求してみます。

 

オルタネーターはこのような形をしていてエンジンの回転をベルトで伝えて回転することで発電を行います。

 

内部にはコイルが入っていて磁界の変化による電磁誘導で発生した交流波を整流して直流にして発電します。

このオルタネーターは、ローターコイルと呼ばれる部分に電気を供給するためのブラシとそのあたり面であるスリップリングの接触不良が原因でした。

ここが荒れたことで通電不良を起こしたので、ブラシを交換してスリップリングを綺麗に均せば通電するようになり修理が出来ます。

これが⑤の方法で本来の修理という意味では正しい方法で昔は当たり前のように行われていました。

しかし、現代の修理方法ではあまり好まれない手法になります。

それは、この方法は非常に時間と費用が掛かるのと再発のリスクがあるからなのです。

オルタネーターの中は様々な部品で構成されているため不具合が起きた部分だけを交換しても今度は違う部分が壊れてしまう可能性が残されてしまう為再発の恐れがあります。
(再発とはオルタネーター全体での不具合発生のことで修理したブラシ部のことではありません)

そこで他の消耗する部品も一緒に交換してしまえばよいのですがそれぞれの部品単体価格は高いのでトータルすると高額な修理になります。

分解してみるまでは内部のどこが悪いのかわかりませんので部品調達にも時間が掛かってしまいます。

いくら不良個所を直してもすぐに別の原因でオルタネーターが壊れれば原因は違っていても、お客様から見れば ”またオルタネータが壊れた”  ”この前直したばかりなのに”となります。

整備をした側からすると原因がどうであれオルタネーター自体に不具合が起きることはお客様との信頼関係上も好ましくありません。

 

そこでリビルト品というものにメリットが出てくるのです。

リビルト品は中古品を元に再生するので中古品と混同されてしまうことがありますがまったく別の扱いとなります。

リビルトは専門の工場で中古品(コア)を集めて分解・清掃を行い、個々の部品で使えるか否かを精査して新たに組み立て直します。当然消耗部品である先ほどのブラシなどは新しいもので組み上げます。

組み上げた後テストを行い合格した物を保証をつけて製品として出荷するのです。
工場で大量にリビルト品を製造することでコストを下げることが出来るため新品よりもはるかに安く入手できますし、消耗する部品に関しては新品を使用するため品質も良く故障のリスクも回避できます。

新品よりもリーズナブルで中古品よりは品質が上、もしくは新品同様という位置づけのものになりますし、修理工場側では完成したリビルト品を交換するだけですので作業時間も掛かりません。

当店でもリビルト品の使用率は高いのは、上記のようなメリットがあるためです。

 

整備士の本来の修理という意味ではオーバーホールが基本なのですが、リビルト品などの普及で価格が低くなったためオーバーホールのメリットが少なくなってしまったのです。
ただしリビルトの設定が無いような車種では従来の修理方法を選択することはもちろんあります。

リビルト品使用での注意点として故障して交換した部品はコアとなりますので購入先に返却することが原則になります。返せなかったり事故などで破損していてコアにならないものは別途費用が掛かってしまいます。
コア
(次の製品の材料)を返却できることも価格を抑えるために重要なのです。

 

とはいえリビルト品で簡単に交換が出来るようになったとしても、整備をする上では中のこが悪いのかを探求する必要性は失われてはいけません。

オルタネーターでも発電が出来なくなるという症状に至るのには、ブラシ以外にも引き金になる部品は多々あります。

現代車では一体化されてしまったボルテージレギュレーター故障事例 リンク

レクティファイヤ焼損 故障事例リンク

 

発電不良以外にもこのような不具合が発生することもあります。

ベアリング故障事例 リンク

プーリーのクラッチ故障事例 リンク

 

このようにオルタネーターに関するトラブルだけでも多岐にわたります。

様々な修理方法の選択肢の中でバランスの取れているものがリビルト品の使用ということになるのですが、あくまでも選択肢の一つですのでニーズに合わせて使い分ける必要があります。

 

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