栃木県宇都宮市の整備工場
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ご注意

ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備 ニッサン

ニッサン ティーダ(C11) エアコンマグネットクラッチ ショート

ニッサン ティーダ(C11)のご入庫

エアコンが効かないとのことでご入庫。

当店にいらっしゃる前に、多店にて診断を受け”エアコンガスが多く入りすぎているのであろう”と何かしらの処置を受けたが、エアコンは効かないままで困り果て当店にご来店いただきました。

 

診断を開始します。

まず、エアコンが効かない(風が冷たくない)場合はエアコンのコンプレッサーが作動しているか否かを確認する必要があります。

今回、こちらのお車は固定容量タイプのコンプレッサーでマグネットクラッチをプーリーに内蔵してON/OFFさせる仕組みなのですが、エアコンスイッチをONさせてもマグネットクラッチは作動しませんでした。

 

次にマグネットクラッチが、なぜ作動しないかを探っていきます。

エアコンガス(冷媒)は規定量入っていることが必要で、ガス量が極端に少ない場合はコンプレッサーの保護のためマグネットクラッチをONさせないようになっています。

前出のお店でガス量を何かしら処置してもらってるとの事でしたが、お客様は何をしてもらったかよくわからないとの事でしたので当店でももう一度ガスの封入量を測定します。

エアコンガス回収機で現在の量を測定したところ100gでしたが、こちらのお車規定量は450gですのでかなり少ない量でした。
ガス量の判断で多すぎると言われたそうですがなぜか少なすぎです。

これでは正確な判断が出来ませんのでガスを規定量注入し直して診断を進めます。

 

ガスが規定量入ったうえで、マグネットクラッチを作動させる電源がマグネットクラッチに来ているか見てみると、電源が掛かっていないことを確認できました。

ガスの封入量の問題ではなく何らかの電気的な不具合が起きているものと判断できました。

 

配線図はこのようになっています。

 

上流にあるヒューズを点検すると切れていました。

このヒューズが切れて電気がマグネットクラッチにかからなくなっていたことがコンプレッサーの回らない理由でした。

 

では、ヒューズが切れた原因を探ります。 ※これが本当の主原因の探求です。

ヒューズの切れる原因にはいろいろあるのですが、今回のヒューズを見るとかなり溶けているため過電流による溶断と考えられます。

マグネットクラッチにつながるコネクタを外しているとヒューズは切れませんがコネクターをつなぐとマグネットクラッチはONしますがしばらくするとヒューズが切れてしまいます。

マグネットクラッチの中には電磁コイルが巻かれているのですがこの巻線でのショート(レアショート)が濃厚です。

 

そこでマグネットクラッチで間違いないか、ヒューズを割り込ました別配線でマグネットクラッチに直接電源供給してヒューズが切れるか確認したところヒューズが切れたため、マグネットクラッチのショート(短絡)故障であることは断定できました。
(途中の配線に問題がないと判断が出来た)
※常にヒューズ切れを起こしているわけではないので、抵抗などを測っても判断が難しいため、このようにして部分点検で確認します。この点検の際は必ずヒューズを入れます、直接電源を供給するためショートしていれば配線が燃えてしまいます。

9万km以上走行しているこちらのお車、マグネットクラッチのみの交換ではいずれコンプレッサー本体の故障も考えられますし、リビルト品を使用することでほとんど価格に差が無いことからリビルト品ASSYで交換を行うことにしました。

 

 

以前にも同様の不具合を紹介しました【リンク】が、前回はマグネットクラッチの内部断線でしたが今回は短絡(ショート)と全く逆の壊れ方をしました。

結果的にはマグネットクラッチが作動しないことでエアコンが効かないという意味では同じなのですが、ショートの場合 過電流が回路を流れて焼損することを防ぐため保護的にヒューズが切れるという意味では違います。

 

今回の様に電気的な不具合でエアコンが効かないという事例は非常に多いのですが、いまだに”ガスをとりあえず足したり抜いたりしてみよう”といった修理方法をしているところが多いのが残念です。

それでも直せていればよいのですが直せないまま放り出すケースがあるのが問題です。

 

現在のエアコンはガスの量を質量(重さ)で正確に管理しているためまずは、ガスが規定量が入っているということが大前提となります。

逆に言えば、規定量入ったうえでトラブルシュートを行うことでかなり精度よく探求が行えるにもかかわらず、ガス量をあいまいな状態で探求を難しくしてしまっている業者が多いのは、エアコンガスを回収する機材が高額であり設置することが困難なことが要因かもしれません。

しかし、機材購入が難しくても創意工夫でガス量の測定は可能なのですが・・・。そこまでするところもなかなか少ないのでしょう。

 

お客様をやみくもに惑わすような故障探求もどきはプロではありません。

 

 

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