トヨタ ランドクルーザー(60系)のご入庫

”エンジンが掛からないので診てもらいたい”との事

前回、キャブレーターをオーバーホールして納車してからそんなに時間が経っていません。

お客様自身で、プラグに火花が飛んでいないように見えるとの事でした。

早速点検を行います。すると火花は飛んでいないのではなくとても弱い状態ではありますが飛んでいるようです。

しかし、このくらい弱い火花ではエンジンの状態によっては火花が負けて掛からない可能性があります。

スパークプラグを点検するとやはりガソリンで濡れてしまっていました。これではエンジンは掛かりません。(かぶったと呼ばれる症状です)

スパークプラグに付着したガソリンをきれいに清掃して(シリンダー内部も)、再び掛けなおしてみると何事もなかったようにエンジンは掛かりました。

エンジンが掛かっている状態では、火花は先ほどよりも強く飛んでいます。

この時代のエンジンは、火花を飛ばす構造はアナログで定期的なメンテナンスを行わないとエンジンが回るのに不利な状態(始動・加速時等)で今回のような不具合を引き起こします。

お客様とご相談して、30年経っている点火系統のリフレッシュを行うことにしました。

点火系統を構成する部品
・イグニッションコイル(火花を作り出す)
・ディストリビューター(火花をそれぞれのシリンダーに分配する)
・プラグコード    (火花をプラグに届ける)
・スパークプラグ   (火花を飛ばす)

イグニッションコイルは純正品は廃盤になっていますが社外強化品に交換。

ディストリビュータキャップ・ローター・プラグコードも交換

 

最後にディストリビューター内のコンタクトポイントを交換します。
新品と比べるとポイントが焼けてしまっています。旧品

新品

ポイントはイグニッションコイルの1次コイルのON/OFFを行いプラグに火花を飛ばす重要な役割をしています。

単に交換するだけでなく調整をしっかり行わないと火花がしっかり飛ばなくなってしまいます。

最後に点火時期を調整します。

昔の点火システムは部品点数も多く定期的な調整も必要でした。

しっかり調整を行いエンジンを掛けると現代のコンピューター車と変わらないスムーズな始動が可能になりました。

最近は、旧車と呼ばれるキャブレーターを使用しているお車が人気があるのですが、キャブレーター車のエンジンを掛けるには儀式が必要などと言われていますが、半世紀前にはごく当たり前にみんなが使っていたものです。

アクセルを煽りすぎればプラグがかぶりますしチョークの引き具合などその車や気温などに合わせた調整が必要なだけなのです。

誰でも簡単に掛けることが出来るコンピュータ制御車と違い、人間が機械の調子を伺いながら付き合えることが、アナログな時代の車の魅力なのではないでしょうか。