栃木県宇都宮市の整備工場
TEL 028-656-2588
月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

ご注意

ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備 スズキ

スズキ ワゴンR RR-DI 直噴エンジン不調

スズキ ワゴンR RR-DI(MH21S)のご入庫

ご用命は”何かふけ上がりが悪い気がする”  ”加速が悪い” ”エンストするときがある”との事。

確かにアイドリングが若干 不安定ですが走行できないほどではありません。診断機での故障コード読み出しを行いましたが特に何も検出していません。

こちらのお車、ワゴンRのターボ車ですがほんのわずかな期間しか製造していないRR-DIというグレードで直噴ターボ搭載エンジンです。

dsc_0036

どのメーカーの直噴エンジンも初めのうちはよいのですが、どうしても通常のエンジン(インテーク噴射)に比べ内部にスス状の汚れが多く付着してエンジン不調を引き起こすことがとても多いです。

このお車も以前、WAKO'S RECSを施工していただいてしばらくは調子が良かったそうです。

しかし、施工後あまりにも早く不調が再発しているようなので他にも原因がありそうです。

 

先ほど診断機を繋ぎ故障コードを読みましたが、さらにエンジン各部からのセンサーの数値を見てみます。

すると、ひとつ気になる数値があります!

それは、空燃比補正値が-20%以上を検出しています、補正なのでコンピューターは混合気が濃すぎる(ガソリンが多い)ので一生懸命薄くしようとマイナス側にしている状態です。

(空燃比とは、エンジンでガソリンを燃やすために適正な濃さを作るのですがその濃さの比率を空燃比と呼びます。)

何かが原因で空燃比が濃い状態(ガソリンが多い)になっている可能性があるので点検を進めます。

 

直噴エンジンの場合、タンクからエンジン側に送る1次燃料ポンプと、エンジン内部に高圧で噴射するための2次ポンプ(直噴ポンプ)があります。

直噴ポンプの圧力を点検すると6Mpa(メガパスカル)以上あるので正常な数値でしたが、エンジンを停止するとその圧力は10秒ほどでスーと下がってしまいました。(1次側は正常)

この手の部品はある程度圧力を保持する仕組みなのですが保持が出来ていないようです。

スズキのサービスマニュアルで高圧側の残圧保持時間の基準値を調べたのですが特に規定はないようです。

仕方ありませんので残圧保持不良と仮定して点検を進めることにします。

残圧保持ができない大きな理由としてはガソリンがどこかに漏れだしてしまっているということです。

もちろん外部に漏れていたら大変なことです、しかし外には漏れていませんのでどこかの内部リークを考えるのですが直噴ポンプがカムシャフトで駆動していますのでその付近からの内部漏れが濃厚になってきました。

dsc_0065

dsc_0066

エンジンオイルの臭いをかぐと替えたばかりという割にガソリン臭がきついです!

排気ガス測定に使用するCO/HCテスターでオイルレベルゲージからブローバイガスの濃度を測定します。

HC(ガソリン)濃度が振り切ってしまいました。

直噴ポンプからの内部リークでエンジンオイルにガソリンが混入し、ガソリン濃度の高いブローバイガスがエンジンに吸入されたため空燃比濃い(リッチ)状態になりそれを補正しようと空燃比補正マイナス制御に陥ってしまっていたのです。

お客様にご説明すると、確かにエンジンオイル交換直後は調子が良かったのだが何千kmか走行していくうちに調子がどんどん悪くなっていったそうです。

エンジンオイルへのガソリン希釈が進めば進むほど調子が悪くなっていくこと(空燃比が悪くなり補正を上回ってしまう)はうなずけます。

直噴ポンプの交換で不具合は解消しました。

 

トラブルシュートはエンジンオイルの臭いを嗅げばすぐにわかったのかもしれませんが、テスター等での測定による数値の裏付けで故障原因の確定に結び付けなければなりませんので、交換・修理作業よりも故障探求のほうが時間が掛かるものです。  

 

栃木県宇都宮市の整備工場月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

MASUTAKAブログ最新情報

アルファロメオ 147TS 走行中ゴー音

アルファロメオ 147TS のご入庫 別件のご依頼でお預かりしていましたが走行テストで異音が発生していることに気が付きました。 スピードに比例してゴーと低い音が後方から聞こえてきます。 考えられる事として車輪軸の軸受けであるハブベアリングの不良です。 車両をリフトアップして後ろ車輪を手で回すとゴーと音が出ます、手で回したくらいでこれだけの音が出るのでは走行中はもっと大きな音になるのは当然です。 異音が出ている後輪のハブベアリングアッセンブリーを交換します。 ディスクローターを外すとハブアッセンブリーがあら ...

続きを見る

マツダ デミオ (DJ5)スピードメーター故障

マツダ デミオ(DJ5)のご入庫 スピードメーターが壊れて表示されないとの事 デジタルメーターですがデジタルが目まぐるしく動きスピード表示が出来ません。 https://masutaka.co.jp/images/VID_20240620_143921.mp4 それほど年式が経っていないようですがこの時代のマツダ車は比較的このような故障が多いそうです。 しかしメーターを新品に交換すれば部品代は非常に高額ですし、オドメーターの距離も変わってしまいます。 そこでメーター修理業者に相談して何とかこの表示部分の不 ...

続きを見る

スバル レガシィ ツーリングワゴン(BH5)ステアリングラックボールジョイントのガタ

スバル レガシィツーリングワゴン(BH5) ステアリングラックブーツが劣化により破れていますが、どうもブーツだけでは済みそうにはありません。 このブーツはステアリングラック内部に汚れなど入らないようにするのと、この中にあるボールジョイントの保護が目的になります。 破れたまま使用していると水や汚れが入り込みボールジョイントの潤滑グリスを流してしまったりグリス自体に砂など硬い不純物を取り込んでしまいボールジョイントやラック本体を壊してしまいます。 ブーツを外してボールジョイントを診てみます。 グリスが洗い流さ ...

続きを見る

BMW X5(E70)駐車後 車体が傾く

BMW X5(E70)車検でのご入庫 ご用命で2~3日駐車後に右後ろの車体が下がっていることがあり、エンジンを掛けると元に戻ることが気になるとのことでした。 一般的な金属バネを使用している車両ではこのようなことは起きませんがエアサスペンションを搭載してモデルではこのようなことが起きます。 この車両は前輪は金属バネ・後輪は空気バネを採用しています。 エアサスペンションはベローズと呼ばれる風船をバネとして使用しますが、このベローズはゴムでできているため空気が漏れてつぶれてくることで車体が傾きます。 右後輪が傾 ...

続きを見る

プジョー308(T7) スロットルモーター異常

プジョー308 チェックランプが点灯して加速が緩慢でスピードが出ないとの事 診断機で故障コードを読み出すとスロットルバルブに関係した故障コードを検出しています。 スロットルボディ内部のエラーなのでスロットルボディの交換を行いました。 交換後はエラーの検出もなく正常に走行するようになりました。   エラーを起こしたスロットルボディを分解してみます。 樹脂製のボディで非分解の作りです。 ボディを割ってみると・・・ 内部がオイルでビチョビチョになっています!   このオイルはエンジンオイルですがこれだ ...

続きを見る

メルセデスベンツ320CDI(W211)ブレーキペダルが硬く効かない

メルセデスベンツ320CDI(W211)のご入庫 ブレーキペダルが硬く感じるときがあり強くペダルを踏んでいないとクリープで車両が進んでしまう時があるとの事。 症状は常に起きるのではなく時々起きるそうで、症状が出るときはブレーキペダル前方で”シュー”と音がするそうです。 入庫時は症状が発生しておらずペダルに違和感は感じませんでした。 お話をお聞きしてブレーキブースター関係の不具合のように感じますがブースターの機能点検では異常はないように思われました。 ブレーキブースター(マスターバック)とはブレーキペダルの ...

続きを見る

ダイハツ ハイゼットトラック(S211P)コンプレッサーが頻繁に入り切りする

ダイハツ ハイゼットトラック(S211P) エアコン(冷房)が効かず、何かカチカチ音がするとの事 カチカチ音はすぐにわかりました。 https://masutaka.co.jp/images/VID_20240527_210656.mp4 エアコンコンプレッサーのマグネットクラッチが頻繁に入り切りを繰り返している音でした。 マグネットクラッチがONするとコンプレッサーが回り冷媒を圧縮するのですが、すぐに切れてしまいますのでコンプレッサーは回らずこれでは冷房は効きません。 マグネットクラッチはをONするにも ...

続きを見る

ニッサン デイズルークス(ML21S)エアコン重複故障

ニッサン デイズルークス(ML21S)のご入庫 エアコンが温風しか出ないとの事 エアコンの冷房が効かない云々よりも温風しか出ませんので、エアコンコントロールがヒーター側で固定されているようです。 オートエアコンで自己診断機能がありますので操作パネルを操作して読み出すとパネルに20.3という数字が出ました。 この数字は故障コードのことで20.3はエアミックスアクチュエーターの故障コードを表しています。 エアミックスアクチュエーターとはエアコンユニット内部の温かい所と冷たい所に風を振り分けるフラップをコントロ ...

続きを見る

ルノー メガーヌⅢRS 冷房が効くときと効かない時がある

ルノー メガーヌⅢRSのご入庫 エアコン(冷房)が効くときと効かない時があるとの事。 ご来店時は効いているとの事で確かに冷たい風は出ていました。 しかし冷媒ガスのメンテナンスは行った記憶が無いとの事でしたのでまずはガス量が適正なのかを確認するために冷媒ガスのメンテナンスを行うことにします。 冷媒ガスを車両から専用機に抜き出して測量すると規定値510gに対して320gしか回収できませんでしたので190gほど減っている状態でした。 これは漏れているというよりもゴムホースやジョイント部分からわずかに大気に放出し ...

続きを見る

ホンダ アコード(CF3) エンジンオイル漏れ

ホンダ アコード(CF3)のご入庫 エンジンオイルが地面まで垂れているとの事。 漏れ箇所はエンジン後端部でオイル漏れをたどるとそこにはディストリビュータがありました。 この部品はカムシャフトで駆動するため中に回転するシャフトがありますが、シールが悪くなりエンジンオイルがシャフトを伝わり漏れ出していました。 デスビキャップ内側にもオイルが飛び散って掛かっています。   まだこの部品自体リビルトの供給がありましたのでリビルトアッセンブリーで交換します。 ディストリビューターの役割は複数シリンダーを持 ...

続きを見る

-故障修理・整備, スズキ

© 2024 増高自動車工業有限会社