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故障修理・整備 トヨタ

ランドクルーザー(FJ60)オーバーヒートと加速不良

ランドクルーザー(FJ60)のご入庫

最近オーバーヒートするのと、進まなくなったり止まりそうになったりするとの事。

2F型6気筒ガソリンエンジン搭載車

症状が多岐にわたるためよく問診します。
・最近オーバーヒートする。秋になり涼しくなってから起こるようになり走行中どんどん水温計が上がってくる感じ。
・オーバーヒートするので他店でサーモスタットとラジエターキャップを交換してもらったが症状改善せず。
・エンジン回転が不安定な時がある。
・アクセルを踏み込んでも進まない時がある。

上記のような症状を訴えていらっしゃるのでまず走行テストを行います。

走行テスト中、アクセルを強く踏み込むと息継ぎを起こしたりしますし時折ガス欠を起こしたようにアクセルに反応しない時があるのですがアクセルを弱めに踏みながら走れば何とか走行できる感じです。

イメージとしてはガス欠している時に似ていますが、ガス欠の割にはアイドリングではエンストするような感じでないことが気になります。

次に時折、キャブレーターで大きな”パンッ”というバックファイヤーが起きることがあります。

走行テストを続けていると水温計がじわじわと上がりだしてきました。

ユーザーが訴えていた症状がやはり起きますので冷却水の循環など点検を行うことにします。

一度水温が上がるとなかなか落ちてきませんがラジエーターの入り口と出口ではおおむね問題がない冷却は行えているようですし、冷却水も循環しているようなので少し疑問が残ります。

それ以外にもエンジンの掛かりが非常に悪い症状も出ていることが気になりました。

 

オーバーヒートも問題ですがバックファイヤーや加速不良・始動困難なども起きていますので、こちらから点検を進めていくことにします。

まずガス欠のような症状が起きていたのでキャブレーターのフロートレベルを点検します。

キャブレーターにフロートレベル確認用ののぞき窓がありガソリンのレベルを点検します。

レベルは中間より高い位置で正常範囲とは言えませんが空燃比が濃くはなってもガス欠状態にはなりませんので、供給されているようなので燃料系統はまず保留とします。

 

次に点火の状態を確認するためスパークプラグに電気が来ているか確認します。

エンジン始動困難時にスパークプラグで火花が出ていないことを確認できたので、これが大きな要因になっている可能性大です。

火花がうまく出ない原因を探求します。

ディストリビューターを搭載している車両ですのでクランキングさせてディストリビューター内部のポイントの開閉状態を確認します。

6気筒エンジンのためシャフトは6角形になっており、1回転でヒールが6回押し上げられることでポイントが6回開閉する仕組みなのですが、ヒールがカムにほとんど当たっておらずポイントがほぼ開いていないのが確認できました。

ポイントギャップ不良による点火系統の不具合が原因として特定できました。

ポイントでイグニッションコイルの1次側の電気のオンオフするのですが、ほとんどオンオフが出来ておらずエンジンが回るギリギリのラインで走っていた状態でした。

ポイント分解前に点火時期の確認をしましたが、ヒールが摩耗しているため点火タイミングがマークが見えないほど大きく遅れていました。

エンジン装着状態でもポイントの交換はできますがオイル漏れも起こしているようなのでディストリビューター自体を取り外して交換します。

ポイントを見比べるとヒールがかなりすり減っているのがわかります。

ポイント隙間をシックネスゲージで規定値に調整します。

 

交換後のディストリビューターを取り付けて点火時期調整をしてカムクロージングアングルを点検します。

カムクロージングアングルとはドエルアングルとも呼ばれポイントが閉じている角度を表します。ポイントギャップに影響を受けるものですのでギャップ調整の確認もできます。

次にバックファイヤーを起こしていたのでキャブレータの状態も確認します。

 

プライマリー側はバックファイヤーで焼けて焦げていますので清掃を行ったうえで調整を行います。

点火時期がずれると爆発するタイミングもずれるのでこのようなことが起きます。

点火・燃料系統を調整したうえで始動すると今までの掛かりの悪さが嘘のように解消していますし、走行テストをしても加速不良やバックファイヤーも完全に収まりました。

それにあれだけオーバーヒートしていたのも全く水温が上がらず安定するようになりました。

オーバーヒートは点火時期が読み取れないほど遅れていた為、熱エネルギーが運動エネルギーに変換できず燃焼熱がこもったことが原因だったと思われます。

エンジンを正常に回すための3要素『良い混合気』『良い圧縮』『良い火花』のうち『良い火花』の『良い』が成り立っていなかったことでこれだけの不具合が発生しました。

ポイントが全盛のころは定期的に調整や交換が必要なことは当たり前だったのですが、コンピューター制御でポイント(ディストリビュータ本体)が使用されなくなった現代では整備士も何かしらの症状が出てなければいじることもなくなったためメンテナンスされずここまで悪化したと思われます。

ポイントのメンテナンスのわずらわしさから少しでも解放されたくてセミトラやフルトラを取り付けていたようなことも遠い昔のことになりました。

とはいえメンテナンスさえ怠わらなければ、性能が劣るシステムというわけではありませんので定期的なチェックを行ってもらうことをユーザーにはお伝えしました。

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