栃木県宇都宮市の整備工場
TEL 028-656-2588
月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

ご注意

ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備 ニッサン

ニッサン ダットサントラック(D21) オーバーヒートの末

ニッサン ダットサントラック(D21)のご入庫

出先でエンジンが止まったので助けてほしいとの事

お話を伺うと止まる前にエンジンルームから煙のようなものが出たとの事でした。

煙のようなものが出たということはよくあるのですが、ものが燃えたときの煙と水蒸気のような煙があるのですが水蒸気のように見えたとの事

考えられるのはオーバーヒートです!

到着してラジエーターの中を確認すると案の定、冷却水が入っていません、オーバーヒートを起こしてエンジンが止まってしまったのは間違いなさそうです。

お預かりしてオーバーヒートの原因とどれだけダメージを負ったかを点検します。

 

まず、原因は簡単にわかりました。

ラジエーターのアッパータンクから冷却水が漏れてきていますので経年劣化により割れてしまったのが原因です。

 

次にどれだけエンジンがダメージを負ったかを点検するため仮に冷却水を補充してエンジンを掛けます。

するとラジエーターから冷却水が噴き出してきます、そして噴き出したところから排気ガスの臭いがします!

本来冷却水が入っているところから排気ガス臭はするわけがありませんこれはエンジンのヘッドガスケットが抜けたという症状でかなり重症です。

お客様と相談の上、とりあえずエンジンヘッドを外して修理可能か判断をしてもらいたいとご依頼を受けましたのでエンジンヘッドを取り外します。

エンジンは腰下と呼ばれるエンジンブロックとその上に乗っかるエンジンヘッドに分かれます。

そのつなぎ目の面にはヘッドガスケットが挟まれていて、オイル・冷却水の通路やシリンダーのそれぞれの気密を保つ役目をしています。

”ヘッドガスケットが抜ける”という症状は、この通路の気密が保てなくなり冷却水の通路にエンジンの圧力が抜けたり、油路とつながってしまったりする症状です。

今回は冷却水の水路にシリンダーがつながったためラジエーターから排気ガスの臭いがしたというわけです。

 

では、なぜオーバーヒートするとガスケットが抜けるのでしょう?

金属は、熱で膨張収縮をします温度コントロール出来ている状態であれば膨張収縮は規定範囲内で壊れないように設計されています、しかしオーバーヒートのような想定以上の熱が加わった場合金属の膨張はゆがみとして現れてしまうのです。

ゆがみは冷めたとしても元には戻りません。

今回もエンジンヘッド自体に大きなゆがみが発生しました。

この写真は、エンジンヘッドのブロックとの取りつけ面をストレートエッジと呼ばれる測定工具で面の平面度を測定しているものです。

真っすぐなストレートエッジに対して、すき間があるということはそれだけヘッドの面がゆがんでしまっているという事です。

このエンジンのゆがみの限界値は0.1mmですが測定してみると0.2mmゆがんでいることがわかりました。

 

過大な熱を受けたことでアルミニウム素材で出来ているエンジンヘッドはこれだけゆがんだのです、ゆがんだことでヘッドとブロックの間に挟まっているガスケットにもすき間が生じたためガスケット抜けは起きました。

ブロックのゆがみを測定しましたが鉄製のブロックには大きなダメージはありませんでした。

ゆがんだまま組み付けたとしてもガスケットは均一に押さえつけられないため通路が確保できずに同じ症状を起こしてしまいます、そこでゆがみを取り去る作業が必要になります。

ゆがみを取り去るにはヘッドの面を新たに平面に削り直す必要があります、これは面研と呼ばれ内燃機屋さんと呼ばれる機械加工屋さんに依頼します。

面研が終わったヘッドの面がこちら

綺麗にかつ平らに削られて戻ってきました。

新しいガスケットに交換して、エンジンを組み直しラジエータも交換して修理完了です。

オーバーヒートという症状はエンジンにかなりのダメージを与えます、今回のエンジンは面研する余裕があるエンジンでしたので修理が可能でしたが、最近の新しいエンジンは研磨する余裕が無かったりブロックがアルミニウムの為ブロック自体も大きくゆがんでしまい修理不可能なこともあります。

もし走行中、オーバーヒートを起こした場合安全な場所に退避してそれ以上エンジンを掛けないようにしてください。

初期のオーバーヒートでしたらエンジンにダメージを与えず漏れ箇所だけの修理で済みます。

対処次第で明暗を分けますのでご注意を・・・

過去の故障事例 リンク

 

最後にどれだけ激しくオーバーヒートさせたかわかるものでサーモスタットを紹介します。

あまりに激しい温度のため開ける際突っ張るシャフトが飛び出して外れています。

それだけ大きな熱が加わったということです。

 

栃木県宇都宮市の整備工場月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

MASUTAKAブログ最新情報

ルノー カングーⅠ エンジンコンピューター故障

ルノーカングーⅠ エンジンの調子が悪いとの事で積載搬送されました。 エンジンはエンストするほど回転が不安定な状況。 診断機を使用して故障コードを読み出します。 故障コードでは2番と3番シリンダーの回路故障と失火を検出しています。 実際にパワーバランスを診ても2・3番シリンダー両方とも反応がなく失火しており1・4番シリンダーの2気筒でギリギリ掛かっているようです。 ガソリンエンジンの3要素の火花を診ても2・3番シリンダーは火花が出ていないようなので火花が出なくなる要素を探求していきます。 まずは点火系統の末 ...

続きを見る

ホンダ N-VAN VSA警告灯点灯

ホンダ N-VAN 時々チェックランプが点灯するときがあるとの事。 何のチェックランプが点くのかお話を聞くこのマークが点灯するとの事でした。 これは横滑り防止装置の警告灯になり、ホンダではVSAと呼ばれるシステムの警告になります。 診断機をつないで故障コードを読み出してみると、マニュアルミッション車でクラッチスイッチB/Dのエラーを検出していました。   クラッチが横滑り防止装置に関連があるの?と思われるかもしれませんが横滑り防止装置は様々なセンサーなどからの情報で車両の状態を瞬時に読み出して制 ...

続きを見る

クライスラー イプシロン(312)クラッチ異音/走行不能

クライスラー イプシロン(312)のご入庫 エンジンの方から大きな音がしてギアもニュートラルで走行不能になったとの事でレスキューにてお預かりしました。 エンジンを掛けるとクラッチ付近からギャーという大きな異音が発生してギアもつながらない状態です。 こちらの車両は、FIAT500でおなじみのデュアロジック(AMT)を搭載しています。クライスラーなのでデュアロジックとは呼ばずデュアルファンクションという名称になります。 同じものですがややこしいのでデュアロジックという名称でご紹介します。 異音の出どころとして ...

続きを見る

VW ゴルフ6 ヘッドライトの曇りを放置した結果

VW ゴルフ6のご入庫 ヘッドライトが点かないとの事。 確かにヘッドライトは点灯しませんが原因は想像できます・・・ 大量の水がヘッドライトに浸入しています。   診断機も掛けますが当然エラー検出。   ヘッドライトのシーリングが悪くなり雨水が浸入しているのですが、水が入ってよい訳がありません。 どのようになるかと言いますとこのようになります。 ヘッドライトユニットは単に電球が入っているわけではなくHIDのバラストユニットやアクティブヘッドライトのコントロールユニットなども一体になっています。 こ ...

続きを見る

ブレーキランプの不思議な点灯

ブレーキランプが切れているとの事でご入庫。 しかし点灯確認すると何かおかしいです。 ヘッドライトを点灯させます。 するとブレーキを踏んでいないにもかかわらずハイマウントストップランプが点いてしまいます。 ブレーキは踏んでいませんのでハイマウントストップランプは消灯していなければなりませんし、ナンバー灯が点灯しているので本来なら左右スモールランプは点灯しなければなりませんがこちらは左右とも点いていません。   今度はブレーキを踏むとブレーキランプ部分はかなり弱弱しく点灯していますが暗くてブレーキを ...

続きを見る

ルノー カングーⅡ後期 突然の加速不良

ルノー カングーⅡ こちらはカングーⅡの後期モデルで1200㏄ガソリンエンジン ターボチャージャー付になります。 エンジンチェックランプが点灯してアクセルを踏み込んでも進まなくなったとのことで積載搬送されました。 エンジンは掛かりますが空気を吸う吸気音が大きいです。 音の出所をたどるとターボチャージャーから出てくる樹脂製の加給パイプがパックリ開いてしまっていました。 この部分は樹脂を溶着させて組まれているのですがそこが剝がれてしまっていました。 従来は金属で作られていたこのような部品も樹脂を使用するように ...

続きを見る

VW ゴルフ5GTI ハブベアリングの故障あれこれ

VW ゴルフ5 GTI 年数・距離共に大分伸びてきたこの時代の車両、ハブのベアリングもそろそろ限界を迎えることが多くよく見かけるます。 同型モデルで違う車両ですが、それぞれのハブベアリングの不具合症状例を紹介します。 走行中ゴーゴー音が聞こえるためタイヤを変えたが音がやまなかったとの事でご来店。 走行テストを行うと低い音でゴーという音が60㎞/h位から車内に響きます。 感覚的には車両後方から聞こえる気がします。 リフトで車両を持ち上げてタイヤを手で回すと右後輪の車輪からゴー音が出ていることが確認できました ...

続きを見る

VW ティグアン(AD1)パークセンサー エラー

VW ティグアン(AD1) メーターにパークセンサーエラーの表示がされるとの事。 パークセンサーとは障害物に近づくとピーピーと警報音やモニターなどに表示されるシステムのセンサーで、超音波で障害物との距離を測っています。 診断機でどこのパークセンサーのエラーが検出されているか点検すると左後方のセンサーのエラーを検出しました。 エラーを消去しても消えませんので現在故障として検出しています。 センサーにつながるコネクターの接触も悪くないのでセンター自体の故障判断して交換します。   交換後は正常に作動してエラー ...

続きを見る

アルファロメオ ジュリエッタ オーバーヒートランプ点灯

アルファロメオ ジュリエッタ1.4のご入庫 オーバーヒートランプが点灯したとの事 この警告ランプは危険ですのでロードサービスで搬送してもらいました。 症状が発生した時の様子をお聞きするとエアコン(冷房)の効きが急に悪くなったためガソリンスタンドで診てもらおうと立ち寄ったところ今度はオーバーヒート警告灯が点灯したとの事。 ガソリンスタンドでは電動冷却ファンが回っていないのではないかと言われたようです。   点検を始めます。 エアコンを掛けると回るはずの電動ファンはやはり回っていません。そこで電動フ ...

続きを見る

ニッサン ノート(E12)突然の異音とエンスト

ニッサン ノート(E12) 走行中突然変な音がエンジンからして、吹けなくなりエンストもするようになったとの事。 エンジンからもヒュンヒュン変な音がするそうです。 ロードサービスで積載搬送して入庫となりました。 エンジンは掛かりますがDやRレンジにシフトするとストンとエンジンが止まってしまう時があります。 それに空ぶかしをするとヒュンヒュンとかなり大きな音が響き渡ります。 音の出どころを探ると一目でわかる故障個所がありました。 これはスーパーチャージャーの出口で加給圧の掛かった空気が通るダクトです。 樹脂製 ...

続きを見る

-故障修理・整備, ニッサン

© 2024 増高自動車工業有限会社