スズキ エスクード(TD54W)エアコンシステムの異常でご入庫
ご用命は
- 空調パネルのランプが点滅している
- 温風と冷風が交互に繰り返し出てくる。
- 上記症状が発生した数日後 風が全くでなくなった
上記内容でご依頼を受けたのですが、実はこちらのお車 昨年末にエアコンシステムの修理を行っています。
しまった!!再修理です!整備士として恥ずかしいことなのですが、もう一度お預かりして点検させていただくことになりました。
前回と同様、内気ランプが点滅していますのでエアコンの自己診断で何か不具合を拾っていることは確かです。
診断機を使い故障コードを読み出します。
B1512-エアミックスアクチュエーター不良
?????
あれ?前回はモードフラップの渋りでモードアクチュエータの故障コード-B1514を検出していたはずなんだけど??
それになんで風も出ないの?
前回の故障修理個所と今回の症状が一致しません。
もしかしたら前回の不具合とは違う原因かもしれません。気を取り直して初めから点検を進めいていきます。
まず、風が出ないほうから点検を進めます。
ブロアモータに電圧は掛かっていますが、その下流のモータアンプに電圧が来ていません。
ブロアモータに直接12V電源を加えても回らないことからブロアモーターが壊れている事が確定です。
モーターを新品に交換してエアコンの風はあっけなく出るようになりました。
しかし、なぜか温風と冷風が交互に出てきます。そうです!自己診断で検出していたエアミックスアクチュエーターの不良です。
※エアミックスとは温度調整システムで内部の羽の位置を変えて暖かい空気と冷たい空気を混ぜる比率を変えることで温度調整しています。
アクチュエータ内部には自分がどの位置にいるのか検出するセンサーが内蔵されているのですがそのセンサーの故障のため自身の位置がわからず温風冷風位置を探してさまよっていました。
動画で動いているのがエアミックスアクチュエータなのですが、これは動かしているのではなく勝手に動いてしまっている状態です。
ここが動くたびに暖かい風と冷たい風が交互に出ていた訳です。
単体で取り外してアクチュエータを小突くと勝手に動き出すことからアクチュエーター不良で間違いありません。
こちらもアクチュエーターを交換して正常に作動するようになりました。
アクチュエーターを分解してみると位置センサーのスライド端子が折れて無くなっていました、これではエアミックスのフラップがどの位置にいるのかわからないはずです。
お客様にも故障原因が前回の故障個所ではなく新たな発生した不具合であったことをご説明して納得していただきました。
再修理ではなかったことの安堵感となぜこんなに同じタイミングで次々と壊れるのか?不思議な気持ちになりました。