AUDI TTクーペ(8N)のご入庫
別のご依頼で御入庫の際、エンジンルームから焦げ臭ささを感じ調べたところエンジンオイルがかなり漏れ出していることを確認しました。
焦げ臭いということは排気管等に漏れたオイルが掛かり燃え始めていることを意味します。
エンジン回転が上がり排気温度が上がった場合には炎上する恐れがある危険な故障となります。
お客様にご説明してオイル漏れの修理をお勧めしました。
漏れている箇所はエンジンのヘッドカバーと呼ばれる一番上の部分で比較的オーソドックスな個所になります。
つなぎ目からオイルが漏れだしています。
ヘッドカバーを外す際イグニッションコイルを外すのですがここにもオイル漏れが!
すでにスパークプラグは油没しておりスパーク電圧がリークして不調を起こしていなかったのが不思議なくらいでした。
ヘッドカバーはこのようなゴムのパッキンを挟むことでオイルが漏れださないようにしています。
四角いパッキンは外部への漏れ防止、丸いパッキンはプラグが入るプラグホールへのオイル侵入を防ぐ役割です。
ゴムゆえに経年劣化で今回のようなオイル漏れが起きることは防ぐことはできませんので漏れを発見した時点で交換する必要があります。
また、交換作業中にホースが破けているのも発見しました。
ブローバイホースと言ってエンジン内部の吹き抜けガスをインテークにまわす役割なのですがこちらはオイルのミストも通るため経年とオイルによる浸食で破れてしまっていました。
余分な空気を吸い込みエンジン制御に悪影響を与えるためこちらのホースも交換です。
私たち整備士は五感で車の状態を観察しています、今回の様に臭いもその一つで焦げ臭かったりガソリン臭などはすぐさま危険に直結するためかなり敏感に観察しています。
お客様からの依頼事項だけを行っているのはプロとは言えません、安全・安心を提供できるようにアドバイスすることが本当の整備士の仕事となります。