栃木県宇都宮市の整備工場
TEL 028-656-2588
月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

ご注意

ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備 ダイハツ

ダイハツ ソニカ 修理方法の選択肢

ダイハツ ソニカのご入庫

エンジンに関する修理のことでご相談にいらしたユーザー、当店ご来店前にディーラーでもご相談済みとの事。

ユーザーが気になる点として以下のことだそうです
・エンジンからのオイル漏れ
 エンジンヘッドカバー周辺及びフロントカバー周辺(ヘッドガスケットかも)
・エンジンオイル量の減少(3000㎞走行して1L位減少する)

このことをディーラーにて相談して見積もりを出してもらったそうです。

走行距離は9万㎞台で致命的なダメージは起きていませんので、上記不具合の解消と今後の予防的な要素をユーザーが求めていることはわかりました。

ディーラーでの見積でどのようなメニューを提案したのか拝見して考察してみます。

内容的にはエンジンヘッドガスケットの交換とターボチャージャーの交換の見積もりのようです。

確かにフロントカバーの漏れですとヘッドを外すことでフロントカバーも外すためこの部分のシール交換で解消しそうですし、オイル量の減少に関してはターボチャージャーの交換が対策のようで的外れではなさそうです。

しかし気になる点があります。

それはせっかくヘッドを外したのにヘッドのオーバーホールはどうもやらないようで、単純にヘッドガスケットの交換のみやるようです。

それにオイル消費がターボからだけでなくエンジン本体から起きていたらどうするのか?ということが気になりました。

ユーザーもそこは気になったらしく質問するとブローバイホース内部にオイルの付着があまりないので腰下(エンジンブロック)のピストンからの吹き抜け(ブローバイガス)は無いのでオイル消費はエンジン本体からは起きていないとの返答だったそうです。

単なるヘッドガスケットとターボチャージャーの交換だけにしては少し高額な気がしますが、ディーラーなので価格の面ではある程度高いのはやむを得ない感じですがそれよりも内容がいまいちな気がしました。

ヘッドをオーバーホールすればオイル下がり(少なからず起きていると思います)に関しては解消しますし、ブローバイガスが少ないとしても9万㎞走行してのであればブロック側(ピストン側)も何もないとは言い切れません、少なからず新車時に比べ増加しているのは間違いないかと思います。

そもそもエンジンを分解するくらいの整備なのにオーバーホールまたは分解清掃しないということが納得いきません。

そこそこ高額の修理ですので、このメニューで行って”もし症状が改善されなかったらどうする?"ということが頭によぎってしまいます。

 

そこで私は以下のメニューを提案しました。

・リビルトエンジンへの交換
・リビルトターボチャージャーへの交換

これを基本としたもので当店ではお見積もりさせていただきました。

ディーラーで出した見積もりよりも高い金額になりましたがこのほうが確実にお客様が訴えている不具合症状は解消できるからです。

何でもかんでもリビルト品に交換することを提案するわけではないのですが、今回の車両が軽自動車で比較的メジャーなエンジンのためリビルト品として価格がかなり抑えられることがメリットだからです。

当店でも先ほどの症状をすべて解消するためにエンジンをオーバーホールしたいのですが時間も金額も大きくなりすぎるのでお勧めできませんでした。

 

リビルト品は新品と同等の扱いをしてもよいものですのでこの提案をさせていただき、ユーザーも納得して作業に取り掛かりました。

 

気になっていたオイル漏れ箇所
 

 

ヘッドとの継ぎ目、フロントカバーの接合部はやはり漏れています。

リビルトエンジン

これ以外にもターボチャージャー自体もリビルト品で交換しました。

オイル消費に関しては走行を続けて結果が出てきますが、当然漏れはありませんしエンジンの力もよみがえり満足していただきました。

 

今回の件で整備に対するメニューの組み立て方が複数ありユーザーによってどのようなものを選択するのかというのも複数あることがお分かりいただけると思います。

整備士の観点でいえばオーバーホールして直すということが本筋かもしれませんが、修理金額が高くなってしまったり価格を抑えようとすると一度で満足のいく品質を確保できなく中途半端な整備になってしまう可能性があります、そのようなことになればユーザーに負担をかけ単なる整備士の独りよがりになってしまいます。

ユーザーによって車両に対する考え方など価値観は十人十色です、そこをよく聞きだして提案することが重要でこの作業に取り掛かるまでもかなりの時間を掛けてお話しさせていただきました。

話を進めていく中でこちらのユーザーが単に高い安いで相談しに来たわけではなく、どれだけ良い状態に戻したいかを求めているかが話し合っていくうえでわかったので、ディーラーでのお見積もりよりも高額な金額になってしまいますが、確実に要望に応えられかつオーバーホールするよりも価格・時間が抑えることが出来る内容を提案するに至ったのです。

とはいえこの方法が正しいというわけではなくあくまでも一人ひとり要望をよく聞きだしたうえで提案をしなければいけないということです。

人の話(気持ち)を聞き出しそれぞれ要望に合わせた提案するということは整備士の修理技能同様に非常に大切なスキルとも言えますし、ユーザーもご自身の意向などしっかりお話しすることが重要なことだとご理解ください。

 

栃木県宇都宮市の整備工場月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

MASUTAKAブログ最新情報

アルファロメオ ジュリエッタ オーバーヒートランプ点灯

アルファロメオ ジュリエッタ1.4のご入庫 オーバーヒートランプが点灯したとの事 この警告ランプは危険ですのでロードサービスで搬送してもらいました。 症状が発生した時の様子をお聞きするとエアコン(冷房)の効きが急に悪くなったためガソリンスタンドで診てもらおうと立ち寄ったところ今度はオーバーヒート警告灯が点灯したとの事。 ガソリンスタンドでは電動冷却ファンが回っていないのではないかと言われたようです。   点検を始めます。 エアコンを掛けると回るはずの電動ファンはやはり回っていません。そこで電動フ ...

続きを見る

ニッサン ノート(E12)突然の異音とエンスト

ニッサン ノート(E12) 走行中突然変な音がエンジンからして、吹けなくなりエンストもするようになったとの事。 エンジンからもヒュンヒュン変な音がするそうです。 ロードサービスで積載搬送して入庫となりました。 エンジンは掛かりますがDやRレンジにシフトするとストンとエンジンが止まってしまう時があります。 それに空ぶかしをするとヒュンヒュンとかなり大きな音が響き渡ります。 音の出どころを探ると一目でわかる故障個所がありました。 これはスーパーチャージャーの出口で加給圧の掛かった空気が通るダクトです。 樹脂製 ...

続きを見る

ニッサン ADバン(Y12)エンスト

ニッサン ADバン(Y12) エンジンがブルブルしてエンストするときがあるとの事。 入庫時はやはりラフアイドルの状態で今にもエンジンが止まりそうです。 診断機を使用して故障コードを読み出すと複数シリンダーのミスファイヤーとO2センサーに関するものを検出しています。 複数シリンダーでのミスファイヤーですと独立点火なため電気的な点火系統は考えづらいですし、O2センサーがリーン側でエラーを検出していますので空燃比に起因する故障と思われます。 症状をよく観察するとエンジンはかなり不安定ですが周期的に回転が上がり落 ...

続きを見る

アウディA5(F5) ウォーターポンプ冷却水漏れ

アウディA5(F5) 冷却水レベル警告が出て継ぎ足したがしばらくするとまた減っているとの事。 冷却水が漏れていることで減ると思われますがぱっと見た感じでは大きく漏れてはいないように見えます。 しかしこのエンジンではオーソドックスに漏れるところがあります。 インテークマニホールド側から見た姿ですがこの奥にあるウォーターポンプから漏れることが非常に多いです。 実際わずかなすき間からのぞくと冷却水が漏れているのがわかりました。 少しずつ漏れるのですぐに乾いてしまい下まで垂れてくるのが遅いので気が付きづらいのです ...

続きを見る

VW シャラン エンジン不調後 掛からなくなった

VW シャラン ガクガクするエンジン不調が始まったが何とか自宅にたどり着いた、しかし翌日はエンジンは完全に掛からなくなったということで積載搬送されました。 入庫時クランキングは出来ますが初爆がなくエンジンは掛かりません。 診断機を繋いで故障コードを読み出します。 バルブタイミングと空燃比に関する故障コードを検出していました。 バルブタイミングに関するエラーを検出していますので嫌な予感がしますが、基本的な点検は必要なのでガソリンエンジンの3要素”良い火花・良い燃料・良い圧縮”を点検していきます。 燃料ポンプ ...

続きを見る

マツダ RX-8 クラッチレリーズベアリング破損

マツダ RX-8 走行中、クラッチが切れなくなったとの事で積載搬送されました。 クラッチペダルを踏み込んでも何か変な抵抗があり、クラッチを完全に切ることが出来ずギアもうまく入りません。 以前からクラッチペダルの操作力が大きくなっているのでオーバーホールの時期であることをお知らせしていましたので、クラッチシステムに何か異常が起きていることは間違いないのでクラッチオーバーホールを行うことになりました。 トランスミッションを降ろしてクラッチシステムを見てみると・・・ レリーズベアリングが粉々に飛び散っていました ...

続きを見る

8月 夏期休業日のお知らせ

8月は、11日から18日 4日、25日は休業させて頂きます。

続きを見る

ルノー カングーⅡ エンジン掛からない

ルノー カングーⅡのご入庫 エンジンが掛からないとのことでご入庫 クランキングは正常にできますが初爆は無くかかる気配はありません、診断機で故障コードの読み出しを行いましたが特に何も検出しません。 このような症状で一番に疑うのは燃料ポンプです。 エンジンとしては単なるガス欠ですので故障コードの検出も無いためです。(一部の車種は燃料圧力に関してもモニターして故障検出するものもあります。) 実際にエンジン側でガソリンが来ていないのも確認できたので燃料ポンプ自体の点検を行います。 しかしこの車両、車体床に燃焼ポン ...

続きを見る

アルファロメオ 147TS 走行中ゴー音

アルファロメオ 147TS のご入庫 別件のご依頼でお預かりしていましたが走行テストで異音が発生していることに気が付きました。 スピードに比例してゴーと低い音が後方から聞こえてきます。 考えられる事として車輪軸の軸受けであるハブベアリングの不良です。 車両をリフトアップして後ろ車輪を手で回すとゴーと音が出ます、手で回したくらいでこれだけの音が出るのでは走行中はもっと大きな音になるのは当然です。 異音が出ている後輪のハブベアリングアッセンブリーを交換します。 ディスクローターを外すとハブアッセンブリーがあら ...

続きを見る

マツダ デミオ (DJ5)スピードメーター故障

マツダ デミオ(DJ5)のご入庫 スピードメーターが壊れて表示されないとの事 デジタルメーターですがデジタルが目まぐるしく動きスピード表示が出来ません。 https://masutaka.co.jp/images/VID_20240620_143921.mp4 それほど年式が経っていないようですがこの時代のマツダ車は比較的このような故障が多いそうです。 しかしメーターを新品に交換すれば部品代は非常に高額ですし、オドメーターの距離も変わってしまいます。 そこでメーター修理業者に相談して何とかこの表示部分の不 ...

続きを見る

-故障修理・整備, ダイハツ

© 2024 増高自動車工業有限会社