BMW 323(E90)のご入庫
バッテリーマークが点灯してパワーステアリングも効かなくなったが何とか走ってきたとの事。
確かにバッテリーマークが点灯していますし、一度エンジンを止めると次はクランキングできずエンジンが掛かりませんのでバッテリーも空のようです。
走行距離もかなり伸びているこちらのお車、オルタネーターでも壊れたのかと思いエンジンルームを開けるとファンベルトが外れていました。
ベルトが外れたことでオルタネーターは発電できませんし油圧パワーステアリングも作動していなかったのです。
ベルトの外れた原因はオートテンショナー本体がグラグラで傾いていたためです。
オートテンショナーをよく見ると中心の取り付けボルトの頭が見えません。
オートテンショナーの取り付けはボルト1本で留まっているのですがボルトが破断してうまく押さえることが出来なくなっています。
グラグラになっているとはいってもかろうじてボルトの傘が残っていたため脱落せずに済みました。
しかし、交換するために外そうにもボルトが緩められませんので残った傘をリューターで削り何とかテンショナーを取り外すことが出来ました。
この折れたボルトはアルミ製です。
ネジ部が破断したわけではなく頭の部分が割れていました。
同時にベアリングがゴロゴロしていたアイドラプーリーも交換。
テンショナー・アイドラプーリー・ベルトを交換して作業完了です。
この原因となった部品の交換履歴はありませんでしたが、かなり以前に交換したものと思われます。
長年使えてきたわけで取付に不備があった訳でもなさそうなので、金属疲労によってボルトが割れてしまったとしか言えないのですが一つ間違えれば周辺の部品も破壊する大惨事にいたるところでした。
このメーカーはボルトにアルミを多用することが多いのですが、このような部分にはもう少し耐久性のあるものを使用してもらいたいものです。