FIAT パンダ(312)のご入庫
車検でのお預かりでしたが、問診をしていると”エンジンの掛かりがわるい” ”掛かっても止まってしまう”との指摘がありました。
症状が出るのは決まって冷間時のみで暖まれば症状は出ないとのことでした。
故障コードは検出していないようなので、まずは冷間時に症状が再現するか確認します。
すると一晩放置後の完全冷間時に症状が現れました。
エンジンは少しかかるのですが回転が不安定でエンストしてしまいました。
症状が出ているときアクセルペダルを操作しても反応しないままエンジンは止まってしまいます。
現代車ではこのような掛かりの悪さやエンストはご法度です。
では何が原因で起きているか考察していきます。
①エンジンはわずかですが掛かりますし、症状が出ていないときは正常にかかることからエンジンの基本(圧縮・火花)は大丈夫な感じがします。
②症状が出ているときはアクセルにエンジン回転がリンクせず反応していない。
③燃料は直噴エンジンですが圧力は出ているので正常と判断。
上記のことからエンジンの3要素は正常だがアクセルペダルを操作してもエンジン回転に変化が起きないことが一番気になります。
アクセルペダルに対して動く部分は電制式スロットルバルブになります。
こちらの動画の様子はエンジンを掛けた直後の状態でアクセルペダルを踏み込んでいるにもかかわらず何の反応もせずにエンジンが止まってしまう状態です。
※音量にお気を付けください。
こちらの動画は先ほどの動画と同じなのですが途中から突然アクセルペダルにスロットルバルブが反応するようになった状態です。
診断機で信号をモニターしてもやはりスロットルボディが反応していないことが確認できたためスロットルボディAssyで交換となりました。
交換後は不具合解消しました。
冷間時のみの不具合発生など症状の再現が限定されるような場合は、なかなか原因探求がしずらいものになります。