前回、後席エアコンの冷房が効かず修理をしたVW シャランの続きです。リンク
冷房が効くようになりホッとしたのもつかの間、今度は暖房が出ない事に気が付きました。
冷房と暖房とでは効かせる仕組みは全く違うものになります。
冷房は前回仕組みをご説明しましたが冷媒ガスを圧縮・膨張をさせることでの気化熱を利用するのですが、暖房はエンジンの冷却水の熱を利用します。
エンジンの冷却水は100℃前後でコントロールしますのでこの冷却水の熱を使い室内を暖めるのです。
冷たい冷媒回路と暖かい冷却水回路が一つのユニットに入っていてそこで空気を混ぜて温度を調整するのがエアコンユニットとなります。
エアコンユニットの説明リンク
後席だけ暖房が出ないのですから冷却水がつながるパイプやホースを触っていきますと今回もどこも暖かくありません。
これは冷却水が後席に回っていないことになります。
配管を追っていき暖かいところと常温のところの境目を探していくとエンジンルームに何やらボックスがありそこで温度の差があるのがわかりました。
どうやらこのボックスで後席用の冷却水(温水)の行き来をコントロールしているようです。
蓋があきそうなので開けてみると何やら転がり落ちてきました。
歯車が落ちてきたのですが樹脂製で軸が折れています。
この歯車につながるシャフトが折れたことによりバルブの開閉が出来なくなったのです。
たまたま閉の位置で壊れたので後席に冷却水が回らなくなったのですが、開の位置で壊れた場合冷房にしても冷却水が回ってくるため温風が出てくる不具合が起きていたでしょう。
お客様には冬場後席の暖房が効かなかったのでは?と尋ねましたがあまり使っていなかったのでわからなかったそうです。
ちなみのこの部品、現在対策品になっているそうですが非常に高額であるため、お客様は交換せずに使用するとの事でした。
ミニバンタイプの車両は室内空間が広いのでエアコンは重要なものなのですが、こうも次々に壊れるのは海外メーカーの品質なのでしょう。
まさか後席用の暖房・冷房とも壊れているとは思いませんでした。