ニッサンNV150 車検でのご入庫
初回車検(新車から2年)の整備を行うのですがこちらの車両すでに走行距離は8万kmを超えていますので年間4万km以上走る計算になります。
このような過走行の車両は一般的に注意する部分以外にも目を配らなければいけません。
まずは新車時から初めて開けたであろうドラムブレーキです。
ドラムブレーキはドラムで覆われているためブレーキダストは中に溜まった状態になります。
ブレーキのホイールシリンダーもオーバーホールします。
サビの発生こそなかったものの汚れは酷いです。
ブレーキを踏むたびに摺動する部品ですのでカップも摩耗しますので交換は必須です。
エンジンのファンベルトです。
僅か2年で亀裂が発生していますが、経年的に劣化したというよりも回転を繰り返したことでダメになりました。
ベルトメーカーの推奨では3.5万km毎の交換を進めているのでこちらのお車では毎年の車検毎が推奨になります。
ミッションはCVTを採用しているのでフルードを交換します。
透明なフルードが真っ黒で、次回は内部のフィルターの交換も必要です。
CVTは金属のベルトをプーリーで挟み込む摩擦力がカナメとなるのですが、大きな役割を担うのはフルードですので管理は大切なことです。
もう一つ交換で重要なことは既定の温度管理の下でしっかり油量を調整することです。
こちらのお車では35~45℃の範囲の中での調整を求められています。
お待ちいただいている間での交換は不可能ですし、夏場では常温にほぼ近いので調整は困難を極めます。
この他にも来年の車検までに(貨物車は1年毎に車検になります)さらに4万km走行距離が延びることを想定した整備を行います。
車検整備と一言で言っても車両状態で整備メニューは大きく変わります。
仕事で使用される走行過多の車両は一般的に使用される条件とは大きくかけ離れますが、個人で使用する車両でも距離が伸びた際の参考になるかと思います。