”エンジンが掛からず充電していないようだ”との事で、搬送入庫されました。
確かにバッテリーの電気は無くエンジンは掛かりませんでしたのでジャンプしてとりあえずエンジンを掛けてみます。
するとメーターに警告灯が・・・
このバッテリーマークの警告灯は充電されていないことを警告するランプです。
充電していないということで充電機であるオルタネーターを見てみると・・・
ない!
オルタネーターを回すベルトがありません。
これではオルタネーターは回らず発電することが出来ないのは当然です。
プーリー類に焼き付きなど無いことからベルトの劣化で切れて脱落してしまったと思われます。
手前にあるエアコンベルトも劣化による亀裂が出てきていますので同時に交換します。
ベルトを新品に交換してエンジンを掛けると先ほどのチャージランプは消灯しました。
しかし、警告灯が消えたからと言ってしっかり充電できているかはわかりませんのでテスターで再度点検して問題ない発電量であることを確認することが出来ました。
さて、今回の事例で問題点があります、こちらです。
バッテリーを交換した日付が記載していますが、8月30日に交換しているようですが入庫した日付は9月1日でわずか2日前です!
間違いなく2日前にはベルトも無くなっていたでしょう。
バッテリーが上がったというお客様からの訴えでバッテリーを交換した後に、充電がしっかりされているか点検をしなかったということです。
当店でもバッテリー上がりで交換を依頼されることは多いのですが、そのバッテリーがなぜ上がったのかを重要視します。
寿命?ランプ類のつけっぱなしでの人為的ミス?車両故障で充電がされていなかった?など様々なことを考えたり問診したうえで交換を行います。
交換後には充電量の測定も欠かせません。
今回もバッテリーを交換した後で充電がされているか点検をしていれば、搬送騒ぎにはならなかった事例です。
バッテリーは3年経った頃から性能が低下してきますのでチェックが必要なのですが、車両の使用方法やアイドリングストップ使用によってはもっと手前で寿命が訪れることもあります。
やはり、定期的なチェックは必要ですしチェックする者のスキルも重要となります。