走行中、突然エンジンルームから煙が立ち上ったとの事でご入庫

煙が出た後からエアコンが効かなくなってしまったそうです。

 

原因はこちら

この細いパイプは、エアコンの冷媒ガスが流れるものですがエンジンと干渉して、振動により擦れて摩耗した結果穴があいてエアコン高圧ガスが噴き出て煙のようになったのです。

通常このパイプがエンジンと干渉することはありません、お客様にお話を聞くと数か月前に大きな鈑金修理を行ったとの事。


そうです、これは事故を起こした際に曲がって干渉した部分をしっかり直していなかった結果です。

 

エアコン配管を新しいものに交換しました。

そして、エアコンガスが完全に抜けてしまった場合に交換をしなければいけない部分があるため そちらも交換します。

これはコンデンサーという部品でエアコンガスの熱を捨てる役目をしていますがそのわきに筒状のものが見えます。

これはレシーバードライヤーと言われる部分で、液化したガスを安定させたりエアコンガス内に入っている湿気や不純物をキャッチする役目をしています。

フタは細かいメッシュフィルターになっています。

フタを外してこの袋状のものを交換します。

黒ずんでいるのは冷媒とともに回っている不純物で、コンプレッサーから出た摩耗粉などです。

袋の中には乾燥剤が入っています。

エアコンガスが完全に抜けてしまった場合、冷媒回路内には大気が入り込みます。

その大気には湿気が含まれますのでドライヤーの乾燥剤に湿気が吸着して、飽和状態になり本来の役目を果たさないばかりか湿気のタンクのような役目になってしまいます。

回路内に湿気があると、凍結して詰まらせたりして不具合を引き起こします。

そのため、エアコンガスが完全に抜けて大気にさらされた場合は、同時交換が必要となります。

パイプを交換して干渉部分が無いことを確認してエアコンの回路は正常に直すことが出来ました。

 

しかし、どれだけの事故を起こしたかはわかりませんが、エアコンパイプが干渉していたのは問題ですし、実はコンデンサーやラジエーターも曲がったままでしたので、いつガスや冷却水が漏れても不思議のない状態です。

 

通常このようにカバーで隠れていて見えませんが・・・

カバーを外してみると!

 

鈑金修理は、自費で行うか保険を使用するかなどで修理費に差や制限が出ますので、一概にすべてをちゃんと直せるともいえないのですが、走行に支障をきたす部分を残した修理ではダメです。

もしかしたら、”走れるようになればいいから最低限の費用で直してほしい”と言った依頼だったのかもしれませんが、数か月しか保てなかったり今後も不安を残して走るような状況(お客様は知らない)ではいけません。

 

当店は整備・修理業ですので鈑金塗装修理に関しては提携している工場に依頼します。

鈑金修理作業に関しては依頼しますが、どのように修理を進めるかなどを決めるのは依頼主である当店(お客様から依頼を直接受けている)になります。

途中の工程ももちろんチェックしますし、修理代に制限があったとしても走行に支障が出ないように優先順位を決めて修理を進めたり、お客さんの意向をくんだ指示を行います。

今回の事例のようなことが起きないようにするためには、鈑金屋さんとの連携は非常に重要なものとなります。