栃木県宇都宮市の整備工場
TEL 028-656-2588
月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

ご注意

ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備 セレスピード・デュアロジック フィアット ランチア

イプシロン 警告灯 同時多発点灯の意外な原因

クライスラー イプシロン(312)のご入庫

ランチアブランドでも発売されているこちらのお車、ツインエアエンジン搭載で基本的にはFIAT500と同じ車両になります。

ご依頼事項は、ESC等の警告灯が多発点灯するとの事でした。

始めディーラーにご入庫していましたがなかなか故障診断を進めてもらえなかったため、当店にご入庫しました。

ディーラーでの診断テスターでの診断結果を頂いたそうなのでまずは確認してみます。

あらゆるコンピューターユニットで故障コードを検出しているようです。

 

メーターにはこのようにESCやヒルスタートアシストなどの警告灯が次々に点灯している状態です。

 

それにエアコンの操作パネルが全くつかない状態でした。

 

では、故障探求を始めていきます。

当社のテスターで再度故障コードを読み出します、当たり前なのですがディーラーと同じ故障コードを検出しています。
※自己診断機能は車両自身が行うもので、診断機はあくまでもその故障コードを読み出すものです。
 ですので、ディーラーでも当店でも同じものを読み出します。

故障の状態がACTIVE(アクティブ)ですので、現在も故障している状態ということです。

現在も故障している状態なので、故障コードを消去しようとしても消すことが出来ませんでした。

 

このように多数のコンピューターユニットに同時に故障コードを検出する場合、コンピューターユニットの電源(プラス)もしくはアース(マイナス)に不良があることが多いためまずは、バッテリー付近のアースの状態を点検していきました。

各部分のアース線の接続状態も特に問題はありませんでした。

 

次に電源側を点検しますが、電源側には多数のヒューズが入りますのでひとつずつヒューズが切れていないか点検していきます。

すると、グローブボックス裏のヒューズボックスのヒューズが切れているのを発見しました。

ここは単にヒューズボックスというわけではなくボディーコントロールモジュール(BCM)というボディ電装をつかさどるコンピューターになります。

 

この5Aヒューズ様々な回路に分配しているのが取扱説明書を見てもわかります。

新しいヒューズを取り付けるとエアコン操作パネルが点灯して、先ほど消去できなかった故障コードを消去することが出来ました。

当然警告灯も消灯しましたので、この5Aヒューズが切れていたことで警告灯を点灯させていたのは間違いありません。

 

次に、なぜこのヒューズが切れてしまったかを探らなければなりません

しかし、このF51ヒューズは様々な回路の電源を担っているためどこが原因で切れたか一つ一つ見ていかなければなりません。

とりあえず、走行テストを行ってみようと思い車両を動かしたところ問題なく走行できました。

しかし、駐車場に止めようとしたとき突然エアコンの操作パネルがブラックアウトしました!と同時にあの警告灯がまたつき始めました。

先ほどのヒューズを見るとやはり切れています。

突然のことで、どの操作が引き金でヒューズが飛んだのかわかりませんでしたのでまた新しいヒューズを入れ直し操作をひとつづつ行っていきます。

するとバックギアに入れたときにまた、ヒューズ切れの症状が現れました。

バックギアに入れることに関連する電気回路としてバックランプが考えられますので、電球を調べようと取り外してみると付いていた電球は社外品のLEDに変更されていました。

これが悪さをしているようなので元の21wハロゲン電球に戻して、再度先ほどの操作を行ってみるとやはりヒューズは飛びません。

このLED電球が悪さをしていたのは間違いありませんので抵抗値を測定してみます。

なんと!1.36KΩ(1360Ω)もあります!21Wハロゲン球の冷間時抵抗は0.5Ωほどですので2000倍以上大きな抵抗です。

この特大抵抗に電気を流そうと過電流が流れて5Aヒューズは飛んでしまってたのです。

今回の警告灯の多発点灯やエアコン操作パネルの不点灯など様々な不具合の原因はバックランプに取り付けたLED電球が全て引き起こしたことでした。

今回のようなLED電球には球切れ警告をキャンセルするための抵抗が組み込まれているものも多数ありますが内部に抵抗を搭載するため発熱で抵抗値が初期値から変化してしまうものもあります。

 

このような故障探求は原因がわかってしまえばあっけないものですが、多数の不具合現象から様々なところを点検していく過程は困難なものです。

今回は、ヒューズが飛ぶことで回路を保護することが出来ましたが場合によってはコンピューターユニットを破壊してしまうこともありますので社外品の取り付けはくれぐれも注意して下さい。

BCM故障事例 リンク

 

 

栃木県宇都宮市の整備工場月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

MASUTAKAブログ最新情報

メルセデスベンツ A180(W169) CVTエレクトロユニット故障

メルセデスベンツ A180(W169)のご入庫 トランスミッションエラーが出て変速しなくなってしまうとの事。 診断機にて故障コードを読み出すと。 ・0793 セカンダリスピードセンサー  スピードシグナル使用できず ・0722 アウトップトスピードセンサー スピードシグナル使用できず ・0896 CVTの許容されていない低速への変速 を検出しました。 このモデルもかなり年数が経ってしまいましたが定番の基盤故障での故障コードと一致します。 エレクトロユニットを取り外して基板修理をできる業者様に送り修理依頼を ...

続きを見る

VW TTクーペ(8J)ヘッドライト光量が出ない

VW TTクーペ(8J)車検でのご入庫 灯火類の点検 一件何の問題なさそうですがBVGFTRBBBBBBBBBBBGFTR76大きな問題が潜んでいます。 それはヘッドライトの光量です。 左のヘッドライトの光軸調整の上、光量測定を行いますがこちらは全く問題なし。   しかし右側は測定が出来ないほど光量が低いです。 肉眼で見比べると何となく右側が暗い感じがしますが実際に測定すると左の1/3ほどしか光量が出ていませんのでこのままでは保安基準不適合です。 このヘッドライトはキセノン(HID)タイプのプロ ...

続きを見る

ミツビシ パジェロミニ(H56A)ブレーキペダルが重い

ミツビシ  パジェロミニ(H56A)のご入庫 ブレーキペダルが重くてかなり強く踏まないと止まらないのと、ブレーキを踏むとエンジン回転が上昇するとの事。 ブレーキペダルにはマスターバックと呼ばれる倍力装置が装着されており軽い踏力で強くブレーキが効くようになっています。 このマスターバックが壊れると倍力装置が働いていないわけですからかなり強く踏み込まない限りブレーキは効かず車両を止めるのは難しくなります。 次にブレーキを踏むとエンジン回転が上昇するという不具合ですが、これもマスターバックの故障に起因します。 ...

続きを見る

スマート フォートゥー ワイパーリンク脱臼

スマート フォートゥーのご入庫 ワイパーが動かない、何か前のほうから動いている音だけがするとの事 入庫時ワイパーアームは動きませんがワイパーモーターの作動音は聞こえるのでこの音のことをお客様はおっしゃっていたようです。 このような場合ワイパーモーターから先のリンクに異常があることがほとんどです。 分解していきます。 ワイパーリンクは隙間から見えていますが外すことはできません。   いろいろ外してようやくワイパーリンクを取り外しました。 リンクのジョイント部分がさびて外れてしまっています。 樹脂のブッシュが ...

続きを見る

トヨタ プリウスα(ZVW40) エンジンがガタガタする

トヨタプリウスα(ZVW40)のご入庫 エンジンチェックランプが点灯してエンジンがガタガタするとの事。 チェックランプが点灯しているので故障コードを読み出します。 ・P0401 EGR流量不足 を検出しています。 EGR(Exhaust Gas Recirculation)とは排気ガスの一部を吸気側に戻して最高燃焼温度を下げるなど行うシステムになります。 EGRガス流量にエラーがあると検出しました。 まずは排気ガス流量をコントロールするEGRバルブを取り外して点検します。 バルブが見事に開きっぱなしで固着 ...

続きを見る

ゴールデンウィーク期間の休業日のお知らせ

ゴールデンウィークは4月27日(日曜日)から5月6日(火曜日)の間お休みとさせていただきます。

続きを見る

VW シャラン ガソリン混入による空燃比エラー

VW シャランのご入庫 エンジンチェックランプが点灯して回転も不安定でエンストを起こしたそうです。 故障コードを確認すると空燃比リッチエラーを検出 空燃比とはガソリンと空気の割合のことでここを適正に制御することでエンジンをスムーズに回すカナメのものになります。 今回、リッチによるエラーということは、ガソリンが空気よりも多く濃い状態になったことを表しています。   ガソリンが濃くなってしまう症状を考えていかなくてはなりません。 燃料噴射装置であるインジェクターの不良や燃料圧力の適正値エラーなどが考 ...

続きを見る

営業時間、営業日変更のお知らせ

2025年4月より第2土曜日を休業日とさせていただきます。 4月以降の休業日は、日曜、祝日及び第2土曜日となります。 ご不便をお掛け致しますがよろしくお願いいたします。 なお営業時間は、平日は9時から18時 土曜日は10時から18時となります。 お預かりおよびご返却に関しては上記以外のタイミングも可能ですので要ご相談とさせていただきます。 よろしくお願いいたします。

続きを見る

BMW X5(F15)エアサスペンション パンク

BMW X5(F15)のご入庫 走行中、何か後輪がゴツゴツする感じがするとのこと。 原因は一目瞭然このような姿勢になっていればゴツゴツするのも当然です。 車体後部が大きく下がってしまっています。 これはエアサスペンションがパンクしてしまっているため空気バネであるベローズ(エアスプリング)がつぶれてこのような姿勢になっているのです。 この状態は後輪にバネが無い状態と同じですので路面からの衝撃がダイレクトに伝わりゴツゴツしてしまいます。 ベローズはこのような形をしていて一見するとなにもおかしな感じはしません。 ...

続きを見る

BMW750(E65) パーキングブレーキユニット破損

BMW750(E65) 電動パーキングの警告灯が点灯してパーキングブレーキが掛からないとのこと。 現在、電動パーキングブレーキは軽自動車なども含めて多くのモデルで採用されていますが、この車種の時代では一部の上位モデルで採用され始めた時代のものになります。 電動モーターユニットがトランク内にありモーターが回りギアを回してワイヤーを引いて後輪のキャリパーを聞かせてブレーキするシステムになっています。 しかしユニット内部の歯車が破損してしまうことで作動できなくなるというトラブルが起きます。 実際ユニットを外して ...

続きを見る

-故障修理・整備, セレスピード・デュアロジック, フィアット, ランチア

© 2025 増高自動車工業有限会社