栃木県宇都宮市の整備工場
TEL 028-656-2588
月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

ご注意

ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備 ルノー

ルノー ラグナ エンジンが掛からない

ルノー ラグナのご入庫

 

ご用命は、エンジンが掛からなくなったとの事

プッシュボタンでスタートする車両ですがカチッと音がしてもスターターモーターが回らないと言うのでレスキューで出動しました。

バッテリーは正常ですしP・Nレンジでしかカチッ音がしませんのでインヒビタースイッチ(ニュートラルスタートスイッチ)も正常そうです。

スターターモーターがダメになっている可能性がありますので積載車で車両をお預かりすることになりました。

エンジンが掛からないという症状には、大きく2つ分かれます。
①スターターモーターが回る
②スタータモーターが回らない

今回は、②ですのでモーターが回らない理由を探らなければなりません。

次にモーターを回すのに必要な電気が来ているか探ります。
①スイッチ電源
②モーター電源

呼び名は簡単に表しますが、スイッチの信号が入ることでモーターの大きな電気が流れ回る仕組みですので、スイッチ電源がまず来なければなりませんが、初めのカチッ音が実はこのスイッチが入っている音なのです。
※来ていれば良いというわけでもないのですがとりあえず置いておきます。

①は正常と判断できるので②の電源がスターターモーターに来ているか測定してみます。

すると、モーターに電気が来ていないことがわかりました

実はスターターモーターは大きな電気を必要とするためバッテリーから直接太い配線がつながっていますのでここに電気が来ていないということは非常に稀です。

配線をたどって点検していくと配線の途中に見慣れない部品が付いています。

 

ここの電気を測定してみるとここから先に電気が行っていないことがわかりました。

 

分解してみると内部で破断していました。

これはヒュージブルリンクと呼ばれるヒューズの親分のようなものなのですが見事に切れていました。

これではスターターモーターに電源が掛かりませんので回らないのは当然です。

別のヒュージブルリンクでバイパスさせると問題なくスターターモーターは回りエンジンが掛かりました。

原因はわかりましたので修理は簡単です! というわけにはいきません。

 

問題点として
①なぜヒュージブルリンクが切れたのか?
②この車両のヒュージブルリンクはメインハーネスと一体になっていてハーネスごとの交換が必要

①は、ヒュージブルリンクの破断面を見ることである程度の判断が付きます。

破断面が熱で溶けたような状態の場合、加大電流が流れた場合ですのでどこかでショートした可能性があります。

しかし、今回の場合は断面に溶けたような痕がなく刃物で切ったように綺麗な断面でした。

このような場合は、比較的古い車で起きることが多いのですが熱疲労による破断が考えられます。

熱疲労とは名称の通り、繰り返し熱が掛かったことにより金属疲労を起こし最終的に弱い部分が破断してしまう症状です。

元々、ヒューズやヒュージブルリンクは過大な電流が流れた際、過大電流により発熱(ジュール熱)して溶断することで電気を遮断するのですが溶断させたい箇所には若干の抵抗があります。

正常な場合でも、スターターモーターのように大電流を流しているヒュージブルリンクにはそのたびわずかにジュール熱が発生します。

その繰り返しで熱疲労で破断した可能性があるのです。

現に別のヒュージブルリンクでバイパスさせても破断しません、もし回路のどこかでショートしていればすぐに切れてしまいます。

今回の修理はヒュージブルリンクの交換で間違いないと判断します。

 

問題は②のメインハーネスの交換ですがこの部品はすでに製造廃止になって手に入らないことがわかりました。

ハーネスが手に入らないのであれば何か考えなくてはいけません。

実はスターターモーターに行くメインハーネスにヒュージブルリンクを割り込ませているメーカーは少ないのです。

国産車はもちろん海外の自動車メーカーでもごく一部のメーカーでしか付けていません。

かといって安全のためのヒュージブルリンクを外してしまうわけにいきませんのでスタータモーターの定格出力から算出してヒュージブルリンクを取りつけました。
※通常のヒュージブルリンクよりも大電流に対応したものでなければいけません。

 

当店では、低年式でも大事に乗られている方が多いため製造廃止になったパーツなどを何とかできないかと考えて修理を行います。

いろいろ考えたりして対策するため時間も掛かりますが、単に”部品が無いから直せません””無いからこんなもんでいいや”としたくないのです。

お客様の大切な愛車、何とかして直して乗りたいという気持ちを受け止めたいと思います。

 

栃木県宇都宮市の整備工場月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

MASUTAKAブログ最新情報

アルファロメオ 147TS 走行中ゴー音

アルファロメオ 147TS のご入庫 別件のご依頼でお預かりしていましたが走行テストで異音が発生していることに気が付きました。 スピードに比例してゴーと低い音が後方から聞こえてきます。 考えられる事として車輪軸の軸受けであるハブベアリングの不良です。 車両をリフトアップして後ろ車輪を手で回すとゴーと音が出ます、手で回したくらいでこれだけの音が出るのでは走行中はもっと大きな音になるのは当然です。 異音が出ている後輪のハブベアリングアッセンブリーを交換します。 ディスクローターを外すとハブアッセンブリーがあら ...

続きを見る

マツダ デミオ (DJ5)スピードメーター故障

マツダ デミオ(DJ5)のご入庫 スピードメーターが壊れて表示されないとの事 デジタルメーターですがデジタルが目まぐるしく動きスピード表示が出来ません。 https://masutaka.co.jp/images/VID_20240620_143921.mp4 それほど年式が経っていないようですがこの時代のマツダ車は比較的このような故障が多いそうです。 しかしメーターを新品に交換すれば部品代は非常に高額ですし、オドメーターの距離も変わってしまいます。 そこでメーター修理業者に相談して何とかこの表示部分の不 ...

続きを見る

スバル レガシィ ツーリングワゴン(BH5)ステアリングラックボールジョイントのガタ

スバル レガシィツーリングワゴン(BH5) ステアリングラックブーツが劣化により破れていますが、どうもブーツだけでは済みそうにはありません。 このブーツはステアリングラック内部に汚れなど入らないようにするのと、この中にあるボールジョイントの保護が目的になります。 破れたまま使用していると水や汚れが入り込みボールジョイントの潤滑グリスを流してしまったりグリス自体に砂など硬い不純物を取り込んでしまいボールジョイントやラック本体を壊してしまいます。 ブーツを外してボールジョイントを診てみます。 グリスが洗い流さ ...

続きを見る

BMW X5(E70)駐車後 車体が傾く

BMW X5(E70)車検でのご入庫 ご用命で2~3日駐車後に右後ろの車体が下がっていることがあり、エンジンを掛けると元に戻ることが気になるとのことでした。 一般的な金属バネを使用している車両ではこのようなことは起きませんがエアサスペンションを搭載してモデルではこのようなことが起きます。 この車両は前輪は金属バネ・後輪は空気バネを採用しています。 エアサスペンションはベローズと呼ばれる風船をバネとして使用しますが、このベローズはゴムでできているため空気が漏れてつぶれてくることで車体が傾きます。 右後輪が傾 ...

続きを見る

プジョー308(T7) スロットルモーター異常

プジョー308 チェックランプが点灯して加速が緩慢でスピードが出ないとの事 診断機で故障コードを読み出すとスロットルバルブに関係した故障コードを検出しています。 スロットルボディ内部のエラーなのでスロットルボディの交換を行いました。 交換後はエラーの検出もなく正常に走行するようになりました。   エラーを起こしたスロットルボディを分解してみます。 樹脂製のボディで非分解の作りです。 ボディを割ってみると・・・ 内部がオイルでビチョビチョになっています!   このオイルはエンジンオイルですがこれだ ...

続きを見る

メルセデスベンツ320CDI(W211)ブレーキペダルが硬く効かない

メルセデスベンツ320CDI(W211)のご入庫 ブレーキペダルが硬く感じるときがあり強くペダルを踏んでいないとクリープで車両が進んでしまう時があるとの事。 症状は常に起きるのではなく時々起きるそうで、症状が出るときはブレーキペダル前方で”シュー”と音がするそうです。 入庫時は症状が発生しておらずペダルに違和感は感じませんでした。 お話をお聞きしてブレーキブースター関係の不具合のように感じますがブースターの機能点検では異常はないように思われました。 ブレーキブースター(マスターバック)とはブレーキペダルの ...

続きを見る

ダイハツ ハイゼットトラック(S211P)コンプレッサーが頻繁に入り切りする

ダイハツ ハイゼットトラック(S211P) エアコン(冷房)が効かず、何かカチカチ音がするとの事 カチカチ音はすぐにわかりました。 https://masutaka.co.jp/images/VID_20240527_210656.mp4 エアコンコンプレッサーのマグネットクラッチが頻繁に入り切りを繰り返している音でした。 マグネットクラッチがONするとコンプレッサーが回り冷媒を圧縮するのですが、すぐに切れてしまいますのでコンプレッサーは回らずこれでは冷房は効きません。 マグネットクラッチはをONするにも ...

続きを見る

ニッサン デイズルークス(ML21S)エアコン重複故障

ニッサン デイズルークス(ML21S)のご入庫 エアコンが温風しか出ないとの事 エアコンの冷房が効かない云々よりも温風しか出ませんので、エアコンコントロールがヒーター側で固定されているようです。 オートエアコンで自己診断機能がありますので操作パネルを操作して読み出すとパネルに20.3という数字が出ました。 この数字は故障コードのことで20.3はエアミックスアクチュエーターの故障コードを表しています。 エアミックスアクチュエーターとはエアコンユニット内部の温かい所と冷たい所に風を振り分けるフラップをコントロ ...

続きを見る

ルノー メガーヌⅢRS 冷房が効くときと効かない時がある

ルノー メガーヌⅢRSのご入庫 エアコン(冷房)が効くときと効かない時があるとの事。 ご来店時は効いているとの事で確かに冷たい風は出ていました。 しかし冷媒ガスのメンテナンスは行った記憶が無いとの事でしたのでまずはガス量が適正なのかを確認するために冷媒ガスのメンテナンスを行うことにします。 冷媒ガスを車両から専用機に抜き出して測量すると規定値510gに対して320gしか回収できませんでしたので190gほど減っている状態でした。 これは漏れているというよりもゴムホースやジョイント部分からわずかに大気に放出し ...

続きを見る

ホンダ アコード(CF3) エンジンオイル漏れ

ホンダ アコード(CF3)のご入庫 エンジンオイルが地面まで垂れているとの事。 漏れ箇所はエンジン後端部でオイル漏れをたどるとそこにはディストリビュータがありました。 この部品はカムシャフトで駆動するため中に回転するシャフトがありますが、シールが悪くなりエンジンオイルがシャフトを伝わり漏れ出していました。 デスビキャップ内側にもオイルが飛び散って掛かっています。   まだこの部品自体リビルトの供給がありましたのでリビルトアッセンブリーで交換します。 ディストリビューターの役割は複数シリンダーを持 ...

続きを見る

-故障修理・整備, ルノー

© 2024 増高自動車工業有限会社