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故障修理・整備 ルノー

ルノー ラグナ エンジンが掛からない

ルノー ラグナのご入庫

 

ご用命は、エンジンが掛からなくなったとの事

プッシュボタンでスタートする車両ですがカチッと音がしてもスターターモーターが回らないと言うのでレスキューで出動しました。

バッテリーは正常ですしP・Nレンジでしかカチッ音がしませんのでインヒビタースイッチ(ニュートラルスタートスイッチ)も正常そうです。

スターターモーターがダメになっている可能性がありますので積載車で車両をお預かりすることになりました。

エンジンが掛からないという症状には、大きく2つ分かれます。
①スターターモーターが回る
②スタータモーターが回らない

今回は、②ですのでモーターが回らない理由を探らなければなりません。

次にモーターを回すのに必要な電気が来ているか探ります。
①スイッチ電源
②モーター電源

呼び名は簡単に表しますが、スイッチの信号が入ることでモーターの大きな電気が流れ回る仕組みですので、スイッチ電源がまず来なければなりませんが、初めのカチッ音が実はこのスイッチが入っている音なのです。
※来ていれば良いというわけでもないのですがとりあえず置いておきます。

①は正常と判断できるので②の電源がスターターモーターに来ているか測定してみます。

すると、モーターに電気が来ていないことがわかりました

実はスターターモーターは大きな電気を必要とするためバッテリーから直接太い配線がつながっていますのでここに電気が来ていないということは非常に稀です。

配線をたどって点検していくと配線の途中に見慣れない部品が付いています。

 

ここの電気を測定してみるとここから先に電気が行っていないことがわかりました。

 

分解してみると内部で破断していました。

これはヒュージブルリンクと呼ばれるヒューズの親分のようなものなのですが見事に切れていました。

これではスターターモーターに電源が掛かりませんので回らないのは当然です。

別のヒュージブルリンクでバイパスさせると問題なくスターターモーターは回りエンジンが掛かりました。

原因はわかりましたので修理は簡単です! というわけにはいきません。

 

問題点として
①なぜヒュージブルリンクが切れたのか?
②この車両のヒュージブルリンクはメインハーネスと一体になっていてハーネスごとの交換が必要

①は、ヒュージブルリンクの破断面を見ることである程度の判断が付きます。

破断面が熱で溶けたような状態の場合、加大電流が流れた場合ですのでどこかでショートした可能性があります。

しかし、今回の場合は断面に溶けたような痕がなく刃物で切ったように綺麗な断面でした。

このような場合は、比較的古い車で起きることが多いのですが熱疲労による破断が考えられます。

熱疲労とは名称の通り、繰り返し熱が掛かったことにより金属疲労を起こし最終的に弱い部分が破断してしまう症状です。

元々、ヒューズやヒュージブルリンクは過大な電流が流れた際、過大電流により発熱(ジュール熱)して溶断することで電気を遮断するのですが溶断させたい箇所には若干の抵抗があります。

正常な場合でも、スターターモーターのように大電流を流しているヒュージブルリンクにはそのたびわずかにジュール熱が発生します。

その繰り返しで熱疲労で破断した可能性があるのです。

現に別のヒュージブルリンクでバイパスさせても破断しません、もし回路のどこかでショートしていればすぐに切れてしまいます。

今回の修理はヒュージブルリンクの交換で間違いないと判断します。

 

問題は②のメインハーネスの交換ですがこの部品はすでに製造廃止になって手に入らないことがわかりました。

ハーネスが手に入らないのであれば何か考えなくてはいけません。

実はスターターモーターに行くメインハーネスにヒュージブルリンクを割り込ませているメーカーは少ないのです。

国産車はもちろん海外の自動車メーカーでもごく一部のメーカーでしか付けていません。

かといって安全のためのヒュージブルリンクを外してしまうわけにいきませんのでスタータモーターの定格出力から算出してヒュージブルリンクを取りつけました。
※通常のヒュージブルリンクよりも大電流に対応したものでなければいけません。

 

当店では、低年式でも大事に乗られている方が多いため製造廃止になったパーツなどを何とかできないかと考えて修理を行います。

いろいろ考えたりして対策するため時間も掛かりますが、単に”部品が無いから直せません””無いからこんなもんでいいや”としたくないのです。

お客様の大切な愛車、何とかして直して乗りたいという気持ちを受け止めたいと思います。

 

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