マツダ RX-8のご入庫
現状、最後のロータリーエンジンを積んだモデルです。
※復活するとかしないとか情報がありますね。
エンジンの掛かりが悪い時があったり、アイドリングでプスプス不安定な時があるとの事
以前から点火系統のリフレッシュをお勧めしていましたこちらのお車、走行距離10万kmに達しましたのでいよいよメンテナンスが必要なようです。
ロータリーエンジンは、ガソリンを燃やす内燃機関ですが一般的なガソリンエンジンであるレシプロエンジンとは全く構造が違います。
ガソリンを爆発燃焼させるきっかけになる点火装置自体の構成はレシプロと同じでも、点火回数や負荷はレシプロエンジンよりもはるかに大きいのです。
このロータリーエンジンは、2ローターの13Bと呼ばれるモデルです。
1ローターに対してリーディングプラグ/トレーディングプラグの2本を使用します。
では交換前に、イグニッションテスターで各々に掛かる2次電圧の平均値を測定してみます。
左側の2本が前側のローター、右の2本が後ローターのスパークプラグ電圧の平均値です。グリーンの線で比較します。
リーディングとトレーディングではスパークの状態が違いますので差があるのは正常なのですが、前後のリーディングプラグ/トレーディングプラグ同士を比較してみると差があるのがわかります。
ばらつきはあまり良い状態でないことを表します。
スパークプラグを外してみるとこのように酷い状態でした。
前回交換してから4万kmほど経ちますがゴミのようなものがたくさん付着していることがわかると思います。
ロータリーエンジンは構造上、スパークプラグの位置が窪んだ位置にしか装着することが出来ないためどうしてもそこにはエンジンオイルが溜まるためその燃えカスがこのように残るのです。
新品プラグに交換します。
今回は、10万kmに達していますのでイグニッションコイルとプラグケーブルも同時に交換します。
プラグコードはNGK製のものに交換
イグニッションコイルは、スパークプラグ1本に対して一つですので4機交換します。
コイルは大変熱を持ちます、コイルの部分が焦げています。
この部品もよく壊れる部分で、10万kmはよく持った方です。
点火系統の部品を交換後に再度イグニッションテスターで測定してみます。
平均値のばらつきが収まったのがお分かりかと思います。
もちろんアイドリング時のプスプスした失火も綺麗に収まりました。
今後は、スパークプラグの定期的な清掃を行うことと、適切な交換サイクルを守ることが良い状態を保つことが出来ることをご説明しました。
※先ほど述べたオイルが溜まって出来た汚れを落とします。繊細なプラグの先端ですのでごしごし洗うわけではありません。
ロータリーエンジンはマツダのみ製造していた特殊なエンジンですが、レシプロエンジンとは違った独特のフィーリングを生み出すのが魅力です。
構造上、メンテナンスも行わなければならないことも多いのですが、その手間暇を惜しまないことがこのエンジンの性能を維持できる大切なことです。