メルセデスベンツ 300SEL(W109)ご入庫
現在のSクラスの祖先にあたり、社名にLが付きますのでロングとなります。
日本での初度登録昭和46年のモデル、知り合いの方から譲り受けたばかりで各部分をチェックしてもらいたいとの事でご来店です。
ご用命としては、油脂類の交換・下廻りからカタカタ音がするとの事です。
約半世紀前のお車ですので、よくチェックしなけれなりません。
ボールアンドナット方式のステアリングを採用していますが、ボールジョイントが多くガタが発生しやすい部位でもあります。
やはり、センターロッドの左側のボールジョイントがガタガタです。これでは、ステアリング自体がシャープに決まらないばかりかジョイントが壊れれば危険な状態です。
さすがはMBです、この年式でも何も問題なく部品を取り寄せることが出来ました。
交換してサイドスリップやハンドルセンターを調整して正常な状態に戻りました。
次に、右前の車輪が手で回しても回りません、4輪ディスクブレーキを採用しているのですがキャリパーの戻りが悪く引きずってしまっているようです。
キャリパーのオーバーホールを行いました。
キャリパーを分解するとやはりかなりの錆が発生していました。
これではスムーズな摺動が行われず引きずってしまうのは当然でした。
綺麗に錆びを落として、新しいシールを組みなおして完成です。
この当時の最先端の車両です、半世紀たっても基本的な整備をしっかり行えば何の問題もなく現代の交通事情に合わせて走行することが出来ます。
古い車だからよく壊れると思われますが、構造がシンプルでコンピュータのような電子化されていないので比較的直しやすいのです。