三菱 ekワゴン(H81W)のご入庫
タイミングベルト交換をご依頼されました。
このエンジンはタイミングベルトを使用していますので定期的な交換が必要です。
タイミングベルトを外さないと交換できないウォーターポンプも同時に交換します。
交換サイクルは10万km毎を指定されていますが、ベルトですので劣化も考慮して年数が経った場合でも距離に関係なく交換する必要がある部品です。
ではタイミングベルトとはいったい何なのでしょう?
よくベルトという呼び名で混同されてしまうもので、ドライブベルトと呼ばれるベルトがあります。
ドライブベルトと呼ぶのは総称で、例えばエアコンのコンプレッサーを回すのであればエアコンベルト パワステポンプを回すのであればパワステポンプというようにその回される補器類をドライブ(動かす)ベルトのことをそのように呼びます。
ほとんどのエンジンでは、そのベルトはエンジンの外側にありエンジンルームを覗くと簡単に見ることができます。
タイミングベルトはクランクシャフトの回転をカムシャフトに伝え回すのですがその際、クランクとカムシャフトの同期(タイミング)とりながら回し吸排気をつかさどる役目をしています。
タイミングがずれたり(切れる・コマが飛ぶ)すれば当然エンジンは不調をきたしたり内部で部品同士が干渉して壊してしまうこともある大変重要な役割をする部品です。
交換サイクルというものを各メーカーが指定しているのですが、やはりユーザーの使用状況は千差万別でメーカー指定時期前でもトラブルを起こすこともよくあります。
タイミングベルトのトラブルを防ぐには
・メーカー指定の交換サイクルを守る。
・距離とは関係なく年数も考慮して点検・交換する。
・エンジンオイル・冷却水の交換を定期的に行う。
・エンジンから異音が発生していないか注意する。
等になります。
この中で、経年劣化以外にエンジンオイル交換は非常に寿命に影響を与えるため重要になります。
クランクの回転力をベルトを介してカムシャフトに伝えると先ほど言いましたが、エンジンオイルが汚れてカムシャフトもしくはカムシャフトで駆動している部品にフリクションロス(摩擦抵抗)が増えればカムシャフトの回転は重くなりそれだけタイミングベルトに掛かる力は大きくなるのでベルトの寿命を著しく短くしてしまうのです。
なんとなく切れたりすればエンジンを壊してしまう部品ということは聞いたことがあるとおもいますが、いつ替えたらいいのかなどわかりずらかったり、距離だけで交換サイクルを考えて年数の考慮がなく切れてしまったりすることが多い部品ですので、ご注意を。