栃木県宇都宮市の整備工場
TEL 028-656-2588
月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

ご注意

ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備 フォルクスワーゲン

VW ゴルフ4 冷却系統異常

VW ゴルフ4 2.0Lステーションワゴンです。

当店にRECS施工でご来店・・・

ここから冷却系統の不具合が連発するなんて予想だにしていませんでした。

 

RECS施工してお客様が帰られ5分もせずに”オーバーヒートする”とのことで戻ってこられました。

RECS施工後にオーバーヒート?関連性が思い浮かびません、とりあえず点検を進めたところオーバーヒートしているにもかかわらずメインの電動ファンが回っていません。(サブの小さいファンは回ります。)

IMG_20160202_095214

 

ファンコントロールアンプかファン自体の不具合かと点検したところアンプからの電源正常で直接電動ファンのモーターに通電させても回らないことからメイン電動ファンの故障と断定しました。

しかし、腑に落ちませんこの季節走行していれば電動ファンが回らなくてもこんなに急激なオーバーヒートは起さないのでは? RECSとの関連性は? 少し気にかかりながらもまずは完全に壊れている部分を治してからと思い、電動ファンを交換します。

 

交換後はもちろん正常に電動ファンは回るようになりましたが・・・!

やはり、電動ファンは回っているにもかかわらず水温は上昇を続けます。予想通り何か他にも不具合があるのは間違いありません。

そこで、ラジエータホースのアッパーとロアーを触るとロアー側ホースは冷たいままです。

このような症状で考えられるのはサーモスタットの不具合です。

IMG_20160130_174202

 

サーモスタットは温度で開閉してラジエータへの行き来をコントロールする重要な部品です。

こちらのお車比較的サーモスタットの取り外しは簡単なのでエンジンが温かい状態でサーモスタットを取り外してみると・・

あれ?しっかり開いています???開いているということはラジエータに冷却水が送られるはずなのでオーバーヒートは起こらないはず?

そうなのです、このように周囲の部品が正常であるのにオーバーヒートを起すのであれば大元の部品の不具合が濃厚です。

その部品がこちら! ウォーターポンプです!

IMG_20160201_151855

IMG_20160201_151717

ポンプと名がつくということは冷却水を各部に送り出すおおもとの部品です。そのポンプの羽根が真っ二つになっていました。

これでは冷却水は循環できませんのでオーバーヒートするのは当然です。

羽根が樹脂製ですので劣化が進むとこのように割れてしまうことがよくあります。今回はRECS施工時の空ぶかしがとどめとなり破損したと思われます。

このタイプのウォーターポンプはタイミングベルトでまわされていますがこのように破損すると当然タイミングベルト交換も同時に行うことになります。

ウォータポンプなどの寿命の短さが、欧州車のタイミングベルトの交換サイクルを短くしている理由のひとつです。

無事にウォーターポンプの交換を終えアイドリングで点検を進めます、水温計で90℃今度はオーバーヒートしませんばっちりです、残りは走行テストだけです。

しかし、ここで更なる問題発生です!!

走行テストを行うと先ほどまで90℃で安定していた水温計の針がみるみる落ちていきます!

今度はオーバークール!!

オーバークールを起す部品はひとつしかありません!サーモスタットです!

はじめにサーモスタットは点検をしたのですが症状がオーバーヒートだったので開くことに注視していました。冷めれば閉じることも確認してたのですがここに落とし穴がありました。

特性ずれです。

本来このサーモスタットは88℃でオープンするのですが、サーモスタットのスプリングのへたりでもっと低い温度でのオープンとなってしまっていました。

低い温度でサーモスタットが開いてしまえばどんどんラジエーターに冷却水が送られ冷ましてしまいます。これがオーバークールです。

はじめにサーモスタットを外したときに開閉だけでなく開弁温度も測っていればこんな二度手間にはならなかったのですが、オーバーヒートの原因追及に追われ見落としてしまいました。

もちろんサーモスタットを新しいものに替えてしっかりお車は直すことが出来ました。

少し時間が掛かってしまいましたが、ご理解のあるオーナー様でご納得していただくことが出来ました。

今回の不具合のように原因が二重にも三重にもあることもあります、不具合の影に別の不具合が隠れている。

奥が深いです。

栃木県宇都宮市の整備工場月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

MASUTAKAブログ最新情報

ミツビシ パジェロミニ(H56A)ブレーキペダルが重い

ミツビシ  パジェロミニ(H56A)のご入庫 ブレーキペダルが重くてかなり強く踏まないと止まらないのと、ブレーキを踏むとエンジン回転が上昇するとの事。 ブレーキペダルにはマスターバックと呼ばれる倍力装置が装着されており軽い踏力で強くブレーキが効くようになっています。 このマスターバックが壊れると倍力装置が働いていないわけですからかなり強く踏み込まない限りブレーキは効かず車両を止めるのは難しくなります。 次にブレーキを踏むとエンジン回転が上昇するという不具合ですが、これもマスターバックの故障に起因します。 ...

続きを見る

スマート フォートゥー ワイパーリンク脱臼

スマート フォートゥーのご入庫 ワイパーが動かない、何か前のほうから動いている音だけがするとの事 入庫時ワイパーアームは動きませんがワイパーモーターの作動音は聞こえるのでこの音のことをお客様はおっしゃっていたようです。 このような場合ワイパーモーターから先のリンクに異常があることがほとんどです。 分解していきます。 ワイパーリンクは隙間から見えていますが外すことはできません。   いろいろ外してようやくワイパーリンクを取り外しました。 リンクのジョイント部分がさびて外れてしまっています。 樹脂のブッシュが ...

続きを見る

トヨタ プリウスα(ZVW40) エンジンがガタガタする

トヨタプリウスα(ZVW40)のご入庫 エンジンチェックランプが点灯してエンジンがガタガタするとの事。 チェックランプが点灯しているので故障コードを読み出します。 ・P0401 EGR流量不足 を検出しています。 EGR(Exhaust Gas Recirculation)とは排気ガスの一部を吸気側に戻して最高燃焼温度を下げるなど行うシステムになります。 EGRガス流量にエラーがあると検出しました。 まずは排気ガス流量をコントロールするEGRバルブを取り外して点検します。 バルブが見事に開きっぱなしで固着 ...

続きを見る

ゴールデンウィーク期間の休業日のお知らせ

ゴールデンウィークは4月27日(日曜日)から5月6日(火曜日)の間お休みとさせていただきます。

続きを見る

VW シャラン ガソリン混入による空燃比エラー

VW シャランのご入庫 エンジンチェックランプが点灯して回転も不安定でエンストを起こしたそうです。 故障コードを確認すると空燃比リッチエラーを検出 空燃比とはガソリンと空気の割合のことでここを適正に制御することでエンジンをスムーズに回すカナメのものになります。 今回、リッチによるエラーということは、ガソリンが空気よりも多く濃い状態になったことを表しています。   ガソリンが濃くなってしまう症状を考えていかなくてはなりません。 燃料噴射装置であるインジェクターの不良や燃料圧力の適正値エラーなどが考 ...

続きを見る

営業時間、営業日変更のお知らせ

2025年4月より第2土曜日を休業日とさせていただきます。 4月以降の休業日は、日曜、祝日及び第2土曜日となります。 ご不便をお掛け致しますがよろしくお願いいたします。 なお営業時間は、平日は9時から18時 土曜日は10時から18時となります。 お預かりおよびご返却に関しては上記以外のタイミングも可能ですので要ご相談とさせていただきます。 よろしくお願いいたします。

続きを見る

BMW X5(F15)エアサスペンション パンク

BMW X5(F15)のご入庫 走行中、何か後輪がゴツゴツする感じがするとのこと。 原因は一目瞭然このような姿勢になっていればゴツゴツするのも当然です。 車体後部が大きく下がってしまっています。 これはエアサスペンションがパンクしてしまっているため空気バネであるベローズ(エアスプリング)がつぶれてこのような姿勢になっているのです。 この状態は後輪にバネが無い状態と同じですので路面からの衝撃がダイレクトに伝わりゴツゴツしてしまいます。 ベローズはこのような形をしていて一見するとなにもおかしな感じはしません。 ...

続きを見る

BMW750(E65) パーキングブレーキユニット破損

BMW750(E65) 電動パーキングの警告灯が点灯してパーキングブレーキが掛からないとのこと。 現在、電動パーキングブレーキは軽自動車なども含めて多くのモデルで採用されていますが、この車種の時代では一部の上位モデルで採用され始めた時代のものになります。 電動モーターユニットがトランク内にありモーターが回りギアを回してワイヤーを引いて後輪のキャリパーを聞かせてブレーキするシステムになっています。 しかしユニット内部の歯車が破損してしまうことで作動できなくなるというトラブルが起きます。 実際ユニットを外して ...

続きを見る

VW アルテオン フューエルフィラーリッド開かない

VW  アルテオン 給油口が開かないとのことで入庫しました。 この車両はフューエルリッドに電磁ロックがかかるようになっているのですが解除できません。 正常な状態はリッドを軽く押すとこのように開くようになっています。 https://masutaka.co.jp/images/VID_20250125_103118.mp4   電磁ロックはアクチュエーターで作動させますが、アクチュエーターが悪くうまく作動しないというトラブルは比較的多く、アクチュエーター付近を叩いたりすることで動いてくれることが多いのですか ...

続きを見る

”直前直左視界確認”ご存知ですか?

自動車の法律保安基準の中に”直前直左視界確認”の項目があることをご存知でしょうか? あまり聞きなれない言葉かもしれませんがSUVなど車高の高い車両で、背の低い子供が車両の直前や直左(助手席下部)の死角に入ると見えず危険な事故につながります。 そこで車両直前や運転席反対側死角になる部分を運転手が確認することが出来るようにしなさいという法律になります。 法律的に平成19年1月以降の製作車両に取り付け義務が施行されています。 一般的にこのようなミラーが多くデザインがイマイチでかっこ悪いと思われて取り外す方もいら ...

続きを見る

-故障修理・整備, フォルクスワーゲン

© 2025 増高自動車工業有限会社