トヨタ ランドクルーザー(BJ61)のご入庫
オーナーが変わるため全般的な整備のご依頼を承りました。
問題点を洗い出してみるとかなり問題が山積みのようです。
・フロント足回りガタ
・クラッチ滑り
・エンジンオイル漏れ
・パワステポンプオイル漏れ
・インジェクションポンプ燃料漏れ
・リヤブレーキフルード漏れ
ざっと見てもこれだけありますので金額もかなり大きくなりますし、作業を進めていく中で追加で何か見つかる可能性も高そうです。
まずはフロント足回り
前輪タイヤの軸になるハブがガタガタなのとアクスルのオイル漏れが酷いのでオーバーホールを行う必要があります。
アクスルシャフトのオイルシールが悪くデフオイルが漏れ出してグリスと混ざり合って漏れてしまっていました。
ベアリングなども交換した形跡がなくレースも軽い焼けが見られました。
このタイプの車両は乗用車などとは違いタイヤのノイズなどが大きくなかなか不具合に気が付くことが出来ないので注意が必要です。
次にハブを外す際にブレーキを分解しますがキャリパーの状態が非常に悪いです。
ダストブーツは劣化でボロボロですし何よりピストンが固着してしまっています。
対向しているブーツの状態がそこまで悪くないので、ピストン固着によるブレーキの引きずりで発熱してブーツがボロボロになったのかもしれません。
サビで固着していたピストンは腐食によりアバタが出来ているため交換。
車重がかなりあるため引きずっていても気か付かないことがほとんどですし、車検の検査時も車輪がある程度回ってしまえば合格してしまいますので車検整備のやり方によってはかなり見逃されてしまう部分です。
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後輪はドラムブレーキで通常のホイールシリンダーのカップキット交換で問題なくクリア。
しかしシューの残量はギリギリでしたのでお取替えします。
次に滑っているクラッチのオーバーホールを行うためにトランスミッションを降ろします。
クラッチディスクのリベットが出てしまっているためもう少し乗っていたら完全に滑って走行不能になるところでした。
フライホイールは部分的な滑りによる焼けが起きていますので平面研磨を行います。
平面研磨することで新しいクラッチディスクとフライホイールで平面同士のあたりがよいのでジャダーを防ぐことが出来ます。
もちろんこの時にしか交換できないエンジン後端のクランクシールも交換します。
それとトランスミッションのインプット側のオイルシールも交換します。
エンジン・ミッションともにオイルシールを交換することでベルハウジング内に起こりうるオイル漏れを未然に防ぎます。
そのほかにもトランスミッションのアウトプット側のオイルシールも漏れやにじみが酷いため交換します。