アバルト595(312)のご入庫
デュアロジックモデルですが、発進はできるのですが3速・4速に入るとギアが噛まず進まなくなるとの事。
いつものデュアロジックシステムの故障でギアが入らないと思いましたが、よくよく話を聞くと症状が少し違うようです。
1・2速で走行して3・4速にアップシフトするとエンジン回転が吹け上り加速できなくなるとの事。
診断機を使用してモニターしながらシフトの状態を見てみてもどうもシフト操作はしっかり行っているようです。
マニュアルミッションでいうところシフトレバーの操作は正常に行っているということです。
シフト操作をしっかり行っているにもかかわらず3速以上だけがエンジン回転が吹け上がってしまうというのがよくわかりません。
クラッチが3速以上だけつながらないということも考えづらい症状です。
トランスミッション内部で何かが起きていると判断して取り外して分解します。
一件何も問題なさそうですが・・・
内部を分解すると衝撃的なことが起きていました!
これはシンクロナイザーリングという部品なのですが粉々になっています。
これだけでもただ事ではありません。
なんと!トランスミッションのギアシャフト自体が破断しているではないですか!
これでは駆動力は空回りして伝わらないのは当然のことです。
ミッション内部では様々な部品がシャフト破断により壊されてしまっているため個々の部品を入手してでのオーバーホールは得策ではないと判断して中古のトランスミッションに交換いたしました。
トランスミッション内部部品の破損ということになるのですが、サーキットなど特異な状況下ではこのようなことが起きることもあるのですが一般道を走るレベルでこのようなことが起きてはいけません。
破断面を見ても極端に過大な力が加わったようには見えませんので、残念ながら品質が悪いものを引いてしまったとしか言いようがありません。