栃木県宇都宮市の整備工場
TEL 028-656-2588
月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

ご注意

ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備 ボルボ

ボルボV70Ⅲ 電動ファン故障によるオーバーヒート

ボルボ V70Ⅲのご入庫

オーバーヒートの警告灯が点灯してエンジンルーム内で冷却水が噴き出したとの事。

冷却水が噴き出すほどのオーバーヒートを起こしたとの事ですので、エンジンルーム内を点検しますが冷却水漏れのようなことは起きていないようです。

次に診断機で故障コードを読み出してみます。

エンジン冷却用の電動ファンのアルゴリズムに関する不具合を検出していました。

電動ファンの状態を診てみますとエアコンを掛けても電動ファンは回りませんし水温が規定よりも上がってもファンが回りませんので電動ファンに関する不具合が発生しているのは間違いなさそうです。

この電動ファンにはコントロールアンプが付属しておりモーターがダメなのかアンプがダメなのかを調べていきます。

診断機を使用して制御信号が出ているかモニターするとどうやらモーターへの電流を送ろうとしているのは分かりました。

アクティブテストでも同様の結果でした。

モーターに掛かる電気が本当に掛かっているか診てみるとアンプからの出力がない事がわかりましたので、これでアンプの不良であることは確定しました。

一応、モーター自体も大丈夫か直接12ボルトを掛けて点検したところ勢いよく回りましたのでモーターは正常だと判断します。

部品代が高額であったため中古アンプで交換しました。

交換後はエアコンを掛けたり水温が上がってからも、正常に電動ファンが回ることが出来ました。

これで不具合は解消です。

 

ところがテストのためしばらくアイドリングさせていると、回ってもよいくらいの水温になっても電動ファンが回っていないことに気が付きました。

どうも気になり、診断機を繋ぎ再度、水温と電動ファンコントロールの関係をモニターすることにしました。

するとこのような状況が起きました。

水温が99℃に達して電動ファンを12%で回す制御が行われているにもかかわらず、実際には電動ファンが回らず水温が上昇し続けています。

さらに水温が上がったため30%制御になると電動ファンは回りだしたのです。

何回か12%制御時に回ったり回らなかったり繰り返した後電動ファンは全く回らなくなりました。

故障コードを読み出すと故障コードを検出しました。

アルゴリズムベースの不具合です。

どうやら12%制御の時に電動ファンの抵抗が大きすぎて回らない時が発生して、その時にファンの動作指示に対して水温が上昇してしまう為アルゴリズムが成り立たないと判断したようです。

繰り返すことでフェイルセーフを掛けて止めてしまったようです。

電動ファンもアンプとセットで中古品を入手していましたので交換してみると、先ほどの不具合は発生しなくなりました。

 

実は純正部品供給はアンプ単体は行っておらず電動ファンとセットでのアッセンブリー供給でした。

非常に高額部品であったためお客様と相談して中古品を選択したのですが、アンプとファンをセットで中古品を入手してあったのは幸いしました。

電動ファンの単体点検で12ボルトを掛けたとき回ったので正常と判断しましたが、微弱な12%制御時での電気では回らないというのは考えが及びませんでした。

このような不具合もあるためメーカーはセット販売をしているのでしょうか?それとも単に部品管理がしやすいからなのでしょうか?

そのことに関しては不明ですが、昨今の車両は全ての部品の制御が細かい為、昔の様に電源のON/OFFだけで判断できなかったり、症状が出たりでなかったりすることが多いので故障探求は非常に困難になりました。

昨今、アッセンブリーでの部品供給が多くなりましたが部品代が高額になりますし、整備する側からするとなんでもアッセンブリーで交換するようなことには抵抗を感じてしまうのですが、このような考え方はもう古い人間なのでしょうか?考えさせられます・・・

栃木県宇都宮市の整備工場月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

MASUTAKAブログ最新情報

MINI クーパーSDクロスオーバー(R60) チャージランプ点灯

MINI クロスオーバークーパーSD(R60)のご入庫 チャージランプが点灯するとの事。 チャージランプとはバッテリーの形をした警告灯ですがバッテリーの良否を表示しているわけではなく充電系統に異常があることを警告するランプになります。 充電系統のカナメである発電機であるオルタネータを点検すると何やらゴムカスのようなものがベルト周りに多数飛び散っているのがわかりました。 このディーゼルエンジンでよく起こる不具合の可能性があります。 結果として予想通りクランクプーリーのダンパーゴムが剥離したことでプーリー自体 ...

続きを見る

シトロエン C3 納車整備?

シトロエン C3のご入庫 中古で購入したこちらの車両、購入時車検を取ったうえで納車されたようですがブレーキが無いように見えるので点検してほしいとのご依頼。 走行距離4万㎞台なのでそれほど傷みはないかと思われますが、ブレーキを簡単にチェックするとフロントブレーキパッドがほとんどありませんしブレーキディスクローターの摩耗も激しいのがすぐにわかりました。 車検は購入時に取っているがちゃんとした整備が行われていないようですので当社で法定点検を行いリセットの意味で全体をメンテナンスを含めた点検整備行うことになりまし ...

続きを見る

メルセデスベンツ CLA180 エアバック警告灯点灯

メルセデスベンツ CLA180 メーター内にエアバックの警告灯が点灯したとのこと 診断機にて故障コードを読み出します。 B005013 運転席シートベルトバックル機能障害・断線 このようなエラーコードを検出しました。 シートベルトバックルとはシートベルトを装着するときに差し込む部分のことで、この部分の機能障害を訴えてきました。 バックルアッセンブリーを交換します。 交換後はエラーの検出も収まりました。   従来からシートベルトバックルにはシートベルトをしないと警告灯や警告音を発報するスイッチが内 ...

続きを見る

FIAT 500L ツインエア ドックボーンマウント切れ

FIAT500Lの車検でのご入庫 500Lは正規での日本未導入車両で、こちらは500Lのツインエア搭載モデルになります。 車検整備はいつも通りの内容ですが点検時交換必要か所を発見しました。 エンジン下部にあるエンジンマウントですが切れてしまっていてエンジン全体が前後に大きく動いてしまっている状態です。 ドックボーンマウントなどと呼ばれるロアマウントになります。 FF車ではこのように下側でエンジンの動きを抑制するマウントは良く採用されています。 交換が必要ですが並行車両なので日本国内で部品の流通が無いため海 ...

続きを見る

ルノー ルーテシアⅢ(クリオ)エンジン掛からない

ルノー ルーテシアⅢ(クリオ) エンジンが掛からないとのことで搬送されました。 症状が起きた時のシチュエーションをまとめます。 ・マニュアル車でギアを入れたたままでクラッチを踏まずにクランキングをしてしまった。 ・その直後からクランキングが出来なくなった。 ・ジャンピングをしてもうんともすんとももいわない。 ・メーターの表示も作動せず黒いまま 上記状態で搬送されましたので、車両の状況を確認していきます。 ・キーを回してもメーターの作動は無くスターターモーターも全く反応していない状態。 ・バッテリーの測定値 ...

続きを見る

年末年始休業日のお知らせ

年末年始は、28日(日曜日)から4日(日曜日)は休業させて頂きます。 10.11.12.18.25日も休業となります。      

続きを見る

整備の質

以前から時折見かけてはいましたが最近あまりにも多いブレーキドラムの給油方法。 雑すぎる給油が気になって仕方がありません。 ドラムブレーキのドラムを外すとこのようになっています。   写真ではよくわからないかもしれませんがグレー色のモリブデングリスを塗りたくっています。 金属部分同士がこすれる摺動部分に給油が必要なのですが、必要個所以外にもグリスが大量に付着していて、バックプレートなどは全体にわたってグリスが付着しています。   関係のない所にもたくさん付着しています。 グリスの付着具合から当社で ...

続きを見る

ホンダ ステップワゴン(RP3)安全支援システムエラー

ホンダ ステップワゴン(RP3) メーターに警告が次々出てくるとのこと。 警告灯の内容から安全支援システムに絡む故障が起きているようです。 診断機を使用して故障コードを読み出します。 P3000-49 マルチパーパスカメラ内部故障 カメラの内部故障を検出しています。 安全支援システムのカナメであるカメラの故障を検出したため安全支援システムのそれぞれの機能に対する警告灯が次々と出てきたのです。 カメラを交換 新品のカメラを付けなおしただけではこのようなエラーが出てしまいます。 エーミングが終わっていないとい ...

続きを見る

VW ゴルフ7 イグニッションキー回らない

VW ゴルフ7    イグニッションキー回らないとの事で連絡が入りました。 イグニッションキーが回らないことですので、エンジンが掛からないばかりかハンドルを切ることが出来ない、シフトはニュートラルにできない、電動パーキングが解除できない状態ですのでこのような状態での搬送になります。 この故障に関してはゴルフ6のころからよく起きる事象で定番故障になります。 まずはロックユニットアッセンブリーで取り外します。 しかしキーが回らなくなった状態ではここからひと手間掛かります。 それはロックユニットからキ ...

続きを見る

ルノー メガーヌⅣ GT 前方からガタガタ音

メガーヌⅣ GTのご入庫 車両の前のほうからガタガタ何か大きな音がするとのこと。 エンジンルームを開けるとラジエターファンが今にも外れそうなくらいぶれてガタガタしています。 電動ファンのモーター軸がぶれてガタついているのが原因ですので交換で対処する必要があります。 しかしモーター交換までが大変な作業になります。 ここまで外してやっとアクセスすることが出来ます。 電動ファンモーターはシュラウドごとの交換になります。 不具合を起こしたファンモーターはこのように激しいゴロゴロ音とガタが発生していました。 htt ...

続きを見る

-故障修理・整備, ボルボ

© 2025 増高自動車工業有限会社