ホンダ S2000(AP1)のご入庫
車検整備ですが、エンジンのバルブクリアランス調整も依頼されました。
バルブクリアランスとはエンジン内部のバルブとカムとの隙間を調整する作業です。
バルブの駆動方法はそれぞれエンジンによって違うのですが今回のF20Cエンジンはロッカーアームで駆動しているのでロッカーアームのアジャストスクリュとバルブステムエンド間のすき間を調整します。
シックネスゲージを使用して隙間の測定・調整を繰り返します。
こちらの車両では、基準値:IN 0.21-0.26㎜ EX0.25-0.27㎜(冷間)に対してIN・EXとも0.30㎜とやや広がっていましたので基準値に入るように調整を行いました。
現代のエンジンは自動調整のタイプがほとんどですがこのように調整が必要なエンジンもあります。
すき間が広いままですと異音の原因になったり、バルブのリフト量も減るのでエンジン性能も低下します。
また異音が出るほどあまりにもすき間が広がっているとカムやステムエンドなどが異常摩耗に至る場合もあります。
故障事例リンク
次に年数の経過したこのエンジンでは定番のオイル漏れ修理です。
ここはVTECスプールバルブとチェーンテンショナーでここのパッ
キンが悪くなり良く漏れる箇所です。
スプールバルブを取り外すとその下にチェーンテンショナーが現れます。
テンショナーやスプールバルブはゴムパッキンでシールしているのですがやはり経年劣化で硬化して割れるほどでしたので、オイルが漏れてしまうのは当然の状態でした。
経年的に一度も交換していない車両は必ず漏れている箇所です。
異音など感じるレベルではなかったこちらの車両、しかし10万kmを超えているとこのように手入れの必要なところがちらほら見受けられますのでご注意を。