栃木県宇都宮市の整備工場
TEL 028-656-2588
月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

ご注意

ブログ内の整備・修理等各記事の作業内容や作業方法のご質問にはお答えできません。 また、作業料金についても車両を当社まで入庫いただき、実際に見させていただいてからのお見積りとなります。 概算の金額についても電話やメールではお答えできませんので、あらかじめご了承ください。

故障修理・整備 アルファロメオ

アルファロメオ スパイダー2.0(916)整備 中編

アルファロメオ スパイダー(916)前編ではクラッチまわりの整備をご紹介しました。

今回はエンジン廻りの不調の整備を進めます。

不具合として
・エンジンからの異音
・加速が悪い
・アイドリング時回転がハンチングのように波打つ

この3点が不調の症状ですがまずはあまりにひどい異音の修理から始めます。

エンジンの異音はジーゼルエンジンの様にガラガラ常に騒がしい異音が出ているのですが音の出どころはバルブ付近(エンジン上部)です。

この2.0ツインスパークエンジンでこの付近からの異音がよく出るのはタイミングバリエータが原因であることが多く、役割はインテークカムシャフトに付けられていてバルブタイミングをずらす可変バルブ機構になります。

カムシャフトについている部品ですのでタイミングベルトを取り外したうえでの交換になります。

今回はかなりの異音が出ており金属同士で激しく当たり摩耗していることが考えられるためアッセンブリーで交換を行いました。


異音が出ておらず予防的に行うのでしたらインナーキットのみでも可能です。

新品と比べるとよくわかりますがシールワッシャーが段付き摩耗しています、スプリングが経たったりワッシャーの気密が悪くなると油圧が保持できなくなり中の歯車が暴れて異音を発生させます。

年数や距離が伸びた車両でのタイミングベルト交換の際には同時に行っておきたいメンテナンスにもなります。

 

次にバリエータ交換作業のためタイミングベルトを外しましたのでベルトの交換も行います。

しかしお預かりの際、お客様から他店で整備をしてもらった際バランサーベルトを取り外したことを伺いました。

理由はエンジンのふけ上がりが悪く他店で相談したところ、”バランサーシャフトはフリクションロスになりふけ上がりの妨げになる”との理由で外されたそうです。

バランサーシャフトとはエンジンの固有振動を不均等なシャフトを回すことで振動を打ち消しあう役割をします。

振動軽減の役割が主なものですので、確かにシャフト自体も重量がありますのでフリクションを軽減したいのであれば無駄という考え方も出来ます。

しかし、自動車メーカーは莫大な開発費とコスト削減の中でエンジン開発をおこなっています。バランサーシャフト系の部品点数はかなり多くコストが掛かるにもかかわらず組み込むことを決断したということに何か大きな意味があるのではないでしょうか?

私個人としては安易にこのような整備をすることに違和感を感じます。

もしかしたら振動を軽減しなければ重大な破損が起きてしまうなんてこともあるのかもしれません。
※1.6Lツインスパークにはバランサーシャフトは採用されていません。理由はコストなどの問題なのかは不明です。

当店ではタイミングベルトとバランサーベルトをSSTを使用して正確にバルブタイミングを調整して組み付けました。

ここまでの作業で、異音の発生は解消しましたし正確にバルブタイミングも合わせた状態になりました。

いよいよ走行テストを行いますが、エンジン回転は全体にもっさりして4000回転以上はふけ上がりが悪く確実に不調の状態です。
バランサーベルトを付けたからふけ上がらないというレベルではありません。

またアイドリングも回転が波打って安定していません。

エンジンの基本をしっかり調整したうえでの不調ですので、原因がほかにあることがはっきり分かりました。

次回はエンジン不調の故障探求を行います。

 

 

 

 

栃木県宇都宮市の整備工場月〜金 9:00 - 18:00 , 土・第2日曜 10:00 - 18:00

MASUTAKAブログ最新情報

メルセデスベンツC200(W205)エアサスペンションスローパンク

メルセデスベンツC200(W205) 朝になると駐車場で車体後方が傾いているとの事。 この車両は4輪エアサスペンション車両で、傾きはエンジンを掛けると直るということからエアサスペンションのベローズからのエア漏れが考えられます。 後輪のサスペンションバネであるベローズ(エアスプリング)から少しずつ空気が抜けることで車体が沈み込み傾きます、エンジンを掛けるとエアポンプも作動して空気を送り込むことで車両姿勢は正常に戻ります。 後輪のベローズを交換します。 見た目では何ともありませんが石鹸水を掛けてエア圧を加える ...

続きを見る

メルセデスベンツ A180(W169) CVTエレクトロユニット故障

メルセデスベンツ A180(W169)のご入庫 トランスミッションエラーが出て変速しなくなってしまうとの事。 診断機にて故障コードを読み出すと。 ・0793 セカンダリスピードセンサー  スピードシグナル使用できず ・0722 アウトップトスピードセンサー スピードシグナル使用できず ・0896 CVTの許容されていない低速への変速 を検出しました。 このモデルもかなり年数が経ってしまいましたが定番の基盤故障での故障コードと一致します。 エレクトロユニットを取り外して基板修理をできる業者様に送り修理依頼を ...

続きを見る

VW TTクーペ(8J)ヘッドライト光量が出ない

VW TTクーペ(8J)車検でのご入庫 灯火類の点検 一件何の問題なさそうですがBVGFTRBBBBBBBBBBBGFTR76大きな問題が潜んでいます。 それはヘッドライトの光量です。 左のヘッドライトの光軸調整の上、光量測定を行いますがこちらは全く問題なし。   しかし右側は測定が出来ないほど光量が低いです。 肉眼で見比べると何となく右側が暗い感じがしますが実際に測定すると左の1/3ほどしか光量が出ていませんのでこのままでは保安基準不適合です。 このヘッドライトはキセノン(HID)タイプのプロ ...

続きを見る

ミツビシ パジェロミニ(H56A)ブレーキペダルが重い

ミツビシ  パジェロミニ(H56A)のご入庫 ブレーキペダルが重くてかなり強く踏まないと止まらないのと、ブレーキを踏むとエンジン回転が上昇するとの事。 ブレーキペダルにはマスターバックと呼ばれる倍力装置が装着されており軽い踏力で強くブレーキが効くようになっています。 このマスターバックが壊れると倍力装置が働いていないわけですからかなり強く踏み込まない限りブレーキは効かず車両を止めるのは難しくなります。 次にブレーキを踏むとエンジン回転が上昇するという不具合ですが、これもマスターバックの故障に起因します。 ...

続きを見る

スマート フォートゥー ワイパーリンク脱臼

スマート フォートゥーのご入庫 ワイパーが動かない、何か前のほうから動いている音だけがするとの事 入庫時ワイパーアームは動きませんがワイパーモーターの作動音は聞こえるのでこの音のことをお客様はおっしゃっていたようです。 このような場合ワイパーモーターから先のリンクに異常があることがほとんどです。 分解していきます。 ワイパーリンクは隙間から見えていますが外すことはできません。   いろいろ外してようやくワイパーリンクを取り外しました。 リンクのジョイント部分がさびて外れてしまっています。 樹脂のブッシュが ...

続きを見る

トヨタ プリウスα(ZVW40) エンジンがガタガタする

トヨタプリウスα(ZVW40)のご入庫 エンジンチェックランプが点灯してエンジンがガタガタするとの事。 チェックランプが点灯しているので故障コードを読み出します。 ・P0401 EGR流量不足 を検出しています。 EGR(Exhaust Gas Recirculation)とは排気ガスの一部を吸気側に戻して最高燃焼温度を下げるなど行うシステムになります。 EGRガス流量にエラーがあると検出しました。 まずは排気ガス流量をコントロールするEGRバルブを取り外して点検します。 バルブが見事に開きっぱなしで固着 ...

続きを見る

ゴールデンウィーク期間の休業日のお知らせ

ゴールデンウィークは4月27日(日曜日)から5月6日(火曜日)の間お休みとさせていただきます。

続きを見る

VW シャラン ガソリン混入による空燃比エラー

VW シャランのご入庫 エンジンチェックランプが点灯して回転も不安定でエンストを起こしたそうです。 故障コードを確認すると空燃比リッチエラーを検出 空燃比とはガソリンと空気の割合のことでここを適正に制御することでエンジンをスムーズに回すカナメのものになります。 今回、リッチによるエラーということは、ガソリンが空気よりも多く濃い状態になったことを表しています。   ガソリンが濃くなってしまう症状を考えていかなくてはなりません。 燃料噴射装置であるインジェクターの不良や燃料圧力の適正値エラーなどが考 ...

続きを見る

営業時間、営業日変更のお知らせ

2025年4月より第2土曜日を休業日とさせていただきます。 4月以降の休業日は、日曜、祝日及び第2土曜日となります。 ご不便をお掛け致しますがよろしくお願いいたします。 なお営業時間は、平日は9時から18時 土曜日は10時から18時となります。 お預かりおよびご返却に関しては上記以外のタイミングも可能ですので要ご相談とさせていただきます。 よろしくお願いいたします。

続きを見る

BMW X5(F15)エアサスペンション パンク

BMW X5(F15)のご入庫 走行中、何か後輪がゴツゴツする感じがするとのこと。 原因は一目瞭然このような姿勢になっていればゴツゴツするのも当然です。 車体後部が大きく下がってしまっています。 これはエアサスペンションがパンクしてしまっているため空気バネであるベローズ(エアスプリング)がつぶれてこのような姿勢になっているのです。 この状態は後輪にバネが無い状態と同じですので路面からの衝撃がダイレクトに伝わりゴツゴツしてしまいます。 ベローズはこのような形をしていて一見するとなにもおかしな感じはしません。 ...

続きを見る

-故障修理・整備, アルファロメオ

© 2025 増高自動車工業有限会社