ミツビシ ミニカ タウンビー(H42A)のご入庫
エンジンが掛からず、ヒューズが飛んでいるとの事
ロードサービスで搬入してもらいます。
入庫時、ヒューズボックス内の40アンペアヒュージブルリンクが切れてクランキングも出来ません。
新しいヒュージブルリンクに交換してどのタイミングで飛ぶのか確認してみるとクランキングをすると同時に切れることを確認できました。
どうやらスターターを作動させる系統で何か不具合が起きているようです。
配線図を見てみるとこのようになっています。
イグニッションスイッチ(カギで回すところ)を通って様々なところで電気を供給しますがクランキングの時に通電するのはST端子のみで丸で囲ったスターターモーターに行くところだけです。
その先のスターターモーターに行く配線はこのようになっています。
まずは簡単に外せるスターターモーターのA-44端子を外してヒュージブルリンクが切れるか確認してます。
切れません・・・
ということはこの回路が成立した時のみ過大な電流が流れると判断できます。
次にスターターモーターを単体点検するために別のテスト用配線で直接電気を流してみます。もちろんこの配線にはヒューズを入れて過大な電流が流れたら即溶断するようにします。
しかし、スターターモーターはヒューズ切れをせず回転しますので正常と判断します。
とすると、もっと手前側に問題がありそうです。
イグニッションスイッチとスターターモーター間にはインヒビタースイッチと呼ばれるものがあります。
インヒビタースイッチとは各社呼び名が違い別名ニュートラルスタートスイッチとも呼ばれます。
要するに、シフトレバーがパーキング(P)もしくはニュートラル(N)に入っているときでしかスターターモーターが回らないようにするためのスイッチです。
このスイッチをバイパスさせて(スイッチを迂回して直接つなぐ)クランキングしてみると・・・
ヒュージブルリンクは切れません!
回路が成立していた時PレンジでもNレンジでもヒュージブルリンクは切れましたのでインヒビタスイッチの下流側8番端子のラインがアースにショート(短絡)していたのです。
インヒビタスイッチを交換して不具合は解消しました。
このようにたった一つの配線で自動車は走行できなくなります。
故障診断も電気がらみですと決して目では見えませんので配線図などで追って調べる必要があります。
答えがわかれば簡単なものですが、探求する過程はとても地道な作業となります。