クライスラーイプシロン(312)のご入庫
車検でのご入庫の際、問診で”高速の合流での加速中エンジンチェックランプが点灯して消えた”との事でした。
その一回きりでその後はランプは点かなかったそうです。
診断機を繋ぎ故障コードを読み出してみると1番シリンダーのミスファイヤーの故障履歴を検出しました。
こちらのイプシロン、フィアットグループのツインエアエンジンを搭載しています。
ツインエア:900cc2気筒ターボエンジン
2気筒エンジンの為、スパークプラグにかかる負担が非常に高く3万km前後の走行でも不具合が出ることもあります。
早速プラグを点検してみるとやはり電極に摩耗が見られましたので交換いたしました。
しかし、チェックランプを点灯させるほどのミスファイヤーですのでさらに深く点検を進めます。
新しいスパークプラグを取り付けた状態で、イグニッションコイル電圧をモニターします。
1番シリンダーの平均値が高いのがお分かりになると思います。
スパーク電圧は、シリンダー内部の状態にも影響を受けますので2番シリンダーと入れ替えて測定してもやはり1番シリンダーについていたコイルの電圧値が高い状態でした。
コイル電圧は、プラグなど状態に非常に影響を受けるのですが周りの状態を同様にした結果で差が出る場合は、イグニッションコイル自体が劣化していることが考えられます。
お客様の了解を得て2本イグニッションコイルも交換することになりました。
交換後は2気筒でのばらつきがほとんどなくなりました。
やはり、スパークプラグだけではなくイグニッションコイルも壊れ始めていたことで加速中の高負荷時に一瞬ミスファイヤーを起こしたようです。
イグニッションアナライザーを使用することで完全に壊れる手前の状態も判断することも可能だという一例です。