BMW323i(E90)のご入庫
”信号で停車したらエンジンも止まってそれっきり動かなくなってしまった”とのことで緊急出動いたしました。
信号の先頭でエンジンが掛からず停まっているため大渋滞です、それまでは普通に走れていたそうです。
当日は台風が直撃している最中で豪雨の中でのロードサービスになりました。
工場に搬送して点検を進めます。
クランキングは勢いよく回り正常ですがエンジンは掛かりません。
診断機を繋ぎますが何かおかしいです!エンジンをコントロールするコンピューターのDMEユニットにアクセスすることが出来ません。
アクセスできないとということはDMEが電気的認識できていないことが濃厚ですのでまずはDMEユニットを見てみることにします。
赤丸の部分にDMEはあります。
この白いケースの中にDMEやジャンクションボックスのような電気部品が入っています。
白いケースの中を見ると水浸しでDMEは水没してしまっていました!
豪雨で白いケース内まで水が浸入してDMEが水没してしまったのです!
コンピューターのような精密機器は水が入ってしまった場合、壊れて使うことが出来ません。
新しいDMEにお取替えとなりましたがかなり高額な部品となりました。
この白いケースは完全防水になっているわけではなく、ほこりやちょっとした水の浸入こそ防げるものですがケースの周りが水浸しになってしまっては、浸入を防げるものではありません。
白いケースのわきには排水ダクトがありますがここに枯葉などが溜まっていると排水が追いつかず溢れだしケース周辺が水浸しになってしまいます。
白いケースの下側にも排水口がありますがやはり泥だらけでした。
昨今はゲリラ豪雨のような急激な雨に襲われることが多いため、排水に支障があるとこのような重大な故障に結びついてしまいます。
特に木の下など落ち葉が落ちるところで駐車することが多い車などは排水ダクトが詰まっていることが多いので洗車などの際に綺麗にしてあげる必要があります。
また今回の例とは違いますが冠水路の走行も同じようなことが起きる危険が多いのでやめるようにしてください。