ホンダ ストリーム(RN6)のご入庫
”走行中、突然アクセルを踏んでも進まなくなってしまった”との事
エンジンチェックランプが点灯していますので、エンジンの電子制御で何かエラーが出ているようです。
診断機を繋ぎフォルトコードを読み出してみると。
点火信号系統 1番シリンダーのミスファイヤーを検出しています。
基本点検を行い、スパークプラグを点検するとプラグの碍子(ガイシ)にクラックがあり焦げた跡があります。
どうやらここから、スパーク(火花)が漏れてエンジンの中で点火がうまくいかずミスファイヤーとして故障コードを検出してチェックランプを点灯
同時に、エンジン保護のため一定回転以上エンジン回転を上げないようにコンピューター制御が入った(フェイルセーフ)ため、アクセルを踏んでも進まないという状態になっていました。
では、不具合を引き起こしたスパークプラグの碍子割れはなぜ起きたのでしょうか?
スパークプラグの碍子(ガイシ)は高電圧(2万~3万ボルト)のスパークを漏らさないように絶縁の役割をしています。(碍子部分は磁器を素材にして強力な絶縁体になっています。)
その碍子が割れた原因には、メンテナンス不良が大きく起因しています。
それは、プラグギャップが大きくなっていることが理由です。
スパークプラグは、火花(スパーク)を飛ばし、着火する役目をしているのですが、火花を飛ばすたびにプラグの先はすり減っていきます。
すり減ることで、隙間(プラグギャップ)が広がっていきます。
広がった隙間に火花を飛ばすためには、今までよりも大きな電圧(要求電圧)が必要になります。
要求電圧が上がったことで、碍子の絶縁能力を電圧が上回り割れてしまったのです。(もちろん磁器ですので取付時のミス・エンジン振動による割れなども原因になることもあります。)
この、プラグはノーマルタイプですので走行距離で寿命を換算すると2万km走行毎での交換が必要になりますが、この摩耗具合ですと2万kmははるかに超えています。
また、今回は二次不具合としてイグニッションコイルにもクラックが発生していたのでこちらも交換することになりました。(要求電圧が上がるということはコイルにも大きな負担が掛かるということです。)
スパークプラグが原因で、コイルまで壊してしまったなんてことはよくあることです。
定期点検などで、交換サイクルを見逃さないようにすることでこのような不具合を防ぐことができます。
また、長寿命プラグに交換してしまうのも一つの手です。
長寿命プラグは、交換サイクルが10万km毎(軽自動車の場合6万km)ですので、事実上メンテナンスフリーになるのと、性能劣化がかなり穏やかになりますので長い目で見てもエンジンに優しいです。
以前の記事でも紹介していますが、軽自動車・小排気量車・気筒数の少ない車は寿命がさらに短いですので注意が必要です。
お車のトラブル防止・性能維持のためにスパークプラグの点検を怠らないようにしてくださいね。